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電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
読了。山本弘のMM9シリーズの最終巻。

・名前の似た複数の神の名前を次から次へとこじつけて煙に巻いていくところが山本弘の真骨頂。さすがSF作家、かなりの飛躍があってもなんとなく「そうなのかな?」という気になってしまう。
・その煙に巻くところで「論理的裏付け」に使っている神話の書き換えは純粋に話題として興味深い。
・少年少女の不器用で甘酸っぱい恋愛模様も得意技。
・対して、本作のメインテーマであるはずの怪獣同士の大乱闘シーンは、いまいち躍動感に欠ける。どこか淡々としているというか…。そういえば、山本弘作品では人間同士のアクションシーンもそれほど良いと思ったことが無いかもしれない。これは山本弘の苦手分野だったのかも。今まで、アクションシーンがクライマックスとなる作品を見たことがなかったので気づかなかっただけなのか?
・話の内容的には『-invasion-』の続きで完結編ですね、というだけの印象。SF的に特筆すべき点はない。美味しいところは最初の『MM9』で開示され切ったので…。見どころは前述のこじつけの見事さぐらいかな?
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日曜会をリアル開催していた時期にBGVとして流していただけで、ちゃんと観たことがなかったので、時間を割いてきちんと観た。

・最初は主人公が能天気なほどに前向き過ぎて人物像が薄っぺらく感じてしまうが、つらくても苦しくても死にかけてもそのスタンスを崩さないことで凄みを増してくる。これは連続ドラマとして時間をかけないとわからないキャラクター像だと思えた。
・やや変則的な刑事ドラマとしての視聴に耐える。敵集団グロンギは殺人カルトと見ることができ、グロンギの次の犯行を予測する中盤の展開だけでなく、捜査体制を整えたり検死したり対策を考えたりとさまざまな側面から警察の活動を追っていて飽きさせない。
・異なるフォームが次々と登場する序盤の展開は玩具販促番組としての特撮のお約束感が強いが、フォーム名を言うでもなく必殺技名も口にしない本作は独特な硬派さを帯びているといえよう。
・最後の敵である第0号との対決表現はかなり変則的で、わかりやすいものではなく、本来の客層である子供たちにとっては物足りなかったのではないだろうか。しかし、バトルアクションとしてわかりやすく盛り上げて終わらせるのではなく、テーマ性を最大限に発揮するために最後の二話ぶんの時間を使ったのには、単なる「玩具販促番組」を超えた作品を作ろうとした志が強く感じられた。

多くのファンがいることも頷ける、ライダー史に残る名作といえよう。

読了。
前に述べた通り前作の『三体Ⅱ』でも一応の決着を見ているのでどう続けるのかと思っていたが、素直にその後の話だった。
…なんというか、スケールを上げられるだけ上げまくった感じで、著者がハードSF大好きということは非常によくわかる。
まだかろうじて地に足がついていた感じがしたのはⅢの中盤ぐらいまでで、以降は時代がポンポン飛ぶのと想像することも困難な超テクノロジーに翻弄され、まるでジェットコースタードラマのようだ。
そして結末。行きつくところまで行ったうえででの登場人物たちのこの振る舞いは、理想を追う気高さと、感傷を捨てきれず合理的になりきれない愚かさを兼ね備えて実に人間らしいというべきか。

三体Ⅱが気に入った人にとっては悪くない「後日談」だろう。また、ハードSF好きにとってはⅡよりも気に入るかもしれない。
だが、自分はⅡまでのほうが完成度が高く感じられて好きだな。
タイトルがなんとなくしっくりきていないのも理由かもしれない。Ⅰである「三体」、Ⅱである「黒暗森林」は申し分ないタイトルだ。しかし、「死神永生」はちょっとピンとこない。
「三体Ⅲ」というには三体世界との関わりを十分追っていないのもいささかモヤモヤする。地球文明が三体文明と接触を持ったことで始まった物語と捉えれば間違いではないのだが、やはりタイトルに冠している以上、三体世界の行く末は気になるではないか?

妻の蔵書より。
一般化してしまえば、近親者の「死」をどのように受け入れるか、という普遍的なテーマといえるだろう。しかし、その「死」が異様な形であったため、それを受け入れるために謎解きめいたプロセスを経ることになる。
受け容れられなかったものを受け入れるようになること自体が「CoVP(Change of ViewPoint、ものの見方を変えること)」に他ならないのだが、本作ではそれ以外にも数多くのCoVPに触れられている。細かなCoVPを積み重ねて大きなCoVPを得るに至ったというべきか。
自分の実感としては、人間にとってCoVPは非常に重要である。幸せかどうかは主観なのでCoVPで変えられるし、何らかの事象に対する怒りの感情が適切かどうかもCoVPで変わる。そういう点で、本作はCoVPを得るきっかけには良い本なのかもしれない。
あくまで「きっかけ」である。他人が提示したCoVPにそのまま乗っかるのはある種の依存なので感心しない。
話の最終的な落としどころがどうにも陳腐なので、そこで興が醒めて本作が提示しているかに見えるCoVPにのめり込むことはないだろう。多分。
露悪的とすらいえる赤裸々さと、常識から逸脱したCoVP、そして意図的にも見える数多くの陳腐さが散りばめられた作品である。

読了。
第四回日本ホラー小説大賞。第二回の大賞が「パラサイト・イヴ」であることを考えるとけっこう昔の作品という印象を受けるが、内容自体は興味深く読めた。
保険金殺人を含む保険金の詐取に関する話自体が興味深く、人間臭く生々しい登場人物たちの行動を追ううちに話に引き込まれていく。そして、犯罪・トラウマ・異様な登場人物・昆虫のイメージとメタファーなどによって重層的に恐怖が高められていく。そのディテールの細かさ、緻密さは特筆もの。
やや陳腐な箇所や突飛な箇所もあるものの、情報の奔流のごとき圧倒的なディテールが生み出す説得力でなんとなく納得させられてしまう。往々にしてクライマックスで最も話がつまらなくなるというのがホラーというジャンルの弱点だが、この作品は息もつかせぬ情報の奔流で畳みかけて突き進み、クライマックスを駆け抜けている感じだ。良い解決法と言えるのではなかろうか。

読了。
センスオブワンダー、エンターテインメント性、ハイパーテクノロジーのダイナミズム、物語のスケールの巨大さ、人間の歴史と社会への鋭い洞察が盛り込まれた、まぎれもない名作。
いくつか突っ込みたい点はあるにはあるが、作品として面白いのは間違いないので突っ込みどころを巡る議論すら楽しみの一つになりうるだろう。
「三体Ⅱ」で話としては一応の決着を見ているように思えるのだが、続きの話として「三体Ⅲ」が存在しており、日本語版の発刊は5月25日とのこと。期待して待とう。

仕事でコラボ検討するとき話に挙がったりするのでさすがに知らなきゃダメだろうな、と思い電子書籍で全巻買い、1日半で読破して予習完了。そして映画鑑賞へ。

・ANIPLEX × ufotable。約束された勝利のタッグか。
・よく動くし音楽もいい。後者はさすがの梶浦由記氏。
・内容は原作の54話~66話の範囲で、全体の前半部の大きなヤマと言える箇所であり、切り出して映画化するには良い箇所だといえる。映画化にあわせ、54話の序盤が66話の終わりの部分と対になる内容のオリジナルな導入に置き換えられている。それ以外はバトル部分が少しボリューミーになっているが基本的に原作に忠実な内容。「良質な映像化」というのが正確な評価だろう。
・鬼滅自体がかなり涙腺攻撃系の作品なので、映像作品ならではの巧みな間の取り方や演出、音楽と組み合わさることで攻撃の威力がアップ。涙腺のゆるい人は注意。

そんな感じだ!

『私が好きなら「好き」って言って!』(以下、『わた好き』)のゲームシステムの発展元。チュアブルソフトの出世作でコンシューマ移植もされている。美少女ゲームアワード2008 純愛系作品賞銀賞、キャラクターデザイン賞銀賞受賞。ゲームカタログでは良作判定。
評点は以下のとおり。いずれも7点が及第点(=それ目的でお金と時間を割く価値がある)。

ストーリー:7/10
エロ:5/10
サウンド:5/10
総評:6/10(青春恋愛ものが好きなら+1)

総評は7点以上なら幅広くオススメできる。5点を下回ると駄作。5~6点なら題材やジャンル、原画家などで個人的な加点があればやってみてもいいのでは?という感じか。

【ストーリー】
メインライターは『ハピメア』シリーズの森崎亮人氏。
交通事故で記憶を失った主人公が、幼馴染や友達の女の子と学生生活を送る。彼女たちとの間にはそれぞれ過去に何かがあったと思われるのだが…?やがて彼女たちのうちの一人と親密になっていくが、恋人になるには、あるいはなってからは、その過去と向き合わずにはいられなくなる…という感じのストーリー。
上記のような書き方をするとやけにサスペンスフルな印象を受けるが、基本的には楽しく学生生活を送って恋愛するゲーム。システムは前述のとおり『わた好き』の発展元。日付はなく、一か月単位で行動ポイントが与えられ、ポイント消費量が明示されたイベントアイコンを選んでそれを読む。登場キャラの誰に関係したイベントかは可視化されているので、基本的には好感度を稼ぎたいキャラを選べばよい。GOALと記されたイベントを実行すれば基本的にその月は終わり。
告白タイミングは自分で選べるが、好感度が足りないと告白失敗で、好感度は引き継ぎ可能というのも『わた好き』と同じ。相違点は女の子からの告白を待つというのが無いのと、引き継ぎ時に好感度の多寡を調整できないところ。こうしてみると『わた好き』のシステムは本作の発展形というのがよくわかる。
好感度さえ溜まればいつでも告白できることから恋愛の盛り上がっていく感じは薄いのだが、「記憶喪失&自分が覚えていない過去」というのをうまく使っていて告白後のクライマックスでの盛り上がりはなかなかのもの。主人公の記憶喪失によって過去の想いが行き場を失ってしまったり、一度知られてしまったことが知らない状態に戻ったり、良い意味で関係がリセットされたりと、記憶喪失設定の掘り下げが巧みで興味深かった。

【エロ】
甘ラブいちゃいちゃを堪能できる内容。まあ、絵柄はソフトだし学生同士の恋愛の域を出ないのでエロ目的で買うようなゲームではない。

【サウンド】
可もなく不可もなしで、BGMに特に印象に残ったものは無い。また、歌の種類は多いがだいたいがポップな感じなので自分の趣味には合わなかった。

…という感じ。楽しい学生生活の恋愛もの・記憶喪失ものとしては十分高品質なので、そういう路線を求めている人には十分オススメできる。自分はこの前にプレイした『レコンキスタ』が重めだったので、このハッピーライフな感じが口直しあるいは箸休めとして良かった。この次はまた読み物系に向かう予定。

【おまけ:最初の選択ルート】
足利はねる。明るく活動的で気のおけない女友達タイプは昔から好きなキャラ類型。しかも小柄ながら身体的には一番グラマラスというのもなかなか狙ってきてますな。まんまと釣られてますが。

ねこねこソフトの系譜ブランドであるコットンソフトの作品。ゲームカタログで良作判定だったのでチェックしておいたタイトル。DLSiteの半額セールで購入。

評点は以下のとおり。いずれも7点が及第点(=それ目的でお金と時間を割く価値がある)。

ストーリー:7/10
エロ:4/10
サウンド:6/10
総評:6/10

総評は7点以上なら幅広くオススメできる。5点を下回ると駄作。5~6点なら題材やジャンル、原画家などで個人的な加点があればやってみてもいいのでは?という感じか。

【ストーリー】
サスペンス色の強い泣きゲー。題材は人の生と死を扱うもので、重たい。三章構成で、一章では男2人が主人公のよくあるサスペンス付き恋愛ゲーという感じだが、章が進むといろいろな登場人物の視点でストーリーを多角的に描写する形になり、入り組んだ話の全体像がわかるようになっている。さらに、「年表」というシステムがあり、ストーリー中で語られなかった過去の時期の出来事をサブエピソードで補完している。
このような緻密な作りのためか、複数のシナリオライターが参加しているが各ストーリーに齟齬は見られず、一貫性が保たれている。
さて、最初に泣きゲーと言った。題材が題材だけに、どのエンディングもほろ苦さを帯びた内容で、スタッフロールでは少々ウルっとくることだろう。エモーショナルな演出が特に優れているというほどではないが、この手のゲームに求められる水準には達しているように思う。
一章の序盤のベタベタすぎるギャルゲーのノリが痛いが、そこさえ乗り越えれば良質なドラマが待っているので頭を低くしてやり過ごしてほしい。

【エロ】
ねこねこソフト系列という時点でわかっている人にはわかっていると思うが、エロ目的でプレイするようなゲームではない。

【サウンド】
全体的にやや古臭い感じがするが、ゲームには合っており悪くはない。スタッフロールでのBGMはちゃんと泣ける曲なので、その点だけでも評価に値する。

…という感じ。話としての完成度は高いが、自分にとっては登場人物に生々しさが足りない感じがして少々没入感が削がれた。総評7点には惜しくも届かず、というところか。

『月影のシミュラクル -解放の羽-』のあっぷりけの作品で萌えゲーアワード2010・大賞金賞・ユーザー支持賞・キャラクターデザイン賞金賞受賞作。DMMの夏の半額セールで購入。

評点は以下のとおり。いずれも7点が及第点(=それ目的でお金と時間を割く価値がある)。

ストーリー:6/10
エロ:5/10
サウンド:5/10
総評:5/10

総評は7点以上なら幅広くオススメできる。5点を下回ると駄作。5~6点なら題材やジャンル、原画家などで個人的な加点があればやってみてもいいのでは?という感じか。

【ストーリー】
母親を失う事故以来離れていた故郷へ里帰りし、夏祭りの手伝いをしている間に野生動物によるものと思われる奇妙な事件が相次ぐ。その謎を追ううちに、故郷に伝わっている伝承との関連性を疑うようになる…という感じのストーリー。
伝奇サスペンスだが、全体的にサスペンス性は薄めののんびりした展開で、テキストを読み進めさせる誘引力は弱い。キャラの魅力を引き出すことに注力している印象があり、少しサスペンス色のある萌えゲーという感じ。
読み物として見た場合、話の整合性はしっかり取れているがエモーショナルな演出は淡泊で、感情を揺さぶる力が弱い。この感想は『月影のシミュラクル -解放の羽-』と同じだが、あちらのほうがストーリーがコンパクトでサスペンス色が強いため締まった印象であるのに対し、こちらは少々だらっとしている。「悪くはない」という程度の内容でストロングポイントがない作品には、どうしても厳しい評価になってしまうな。

【エロ】
1つだけIF的な内容で凌辱があるが、基本的に交感のみ。内容は悪くないが特に強いこだわりが感じられるわけでもなく、エロ目的でプレイするようなゲームではない。

【サウンド】
特にマイナスの印象もないがプラスの印象もない…。エモーショナルな演出が弱く感じた一因であることは言うまでもないだろう。OP曲やED曲にもこれといった感慨なし。

…という感じ。同ブランドの代表作と目されているが、自分としては月影のシミュラクルのほうが見るべき点が多く感じられた。なお、同じ萌えゲーアワード2010で大賞銅賞だったのが『素晴らしき日々 ~不連続存在~』である(未プレイ)。尖った作品と評判だし、シナリオ賞金賞だし、ケロQ系列は音楽の評価も高いので、絶対にこちらのほうが自分向きだろう。

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プロフィール
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男性
職業:
ゲーム会社勤務
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電源不要ゲーム
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