電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
サイバー犯罪対策科の刑事もの。追うのは表面的には誘拐殺人事件でありサイバー犯罪ではないのだが、調査を進めるうちに官のコンピュータ関連システム構築に絡むさまざまな問題が浮き上がってくる。何次請けにもなっているシステムエンジニアの現場の実態のひどさもさることながら、そんな有様ではひそかに何を仕込まれてもわかりようもない、というのが恐ろしい。バックドアでも仕込まれようものなら、大量の重要な個人情報を好き放題に奪われかねない。
この現状に対して警鐘を鳴らすのがこの本のテーマの一つだろう。
そしてもう1つ伝わってくるのが、警察のサイバー犯罪対策科の頼りなさである。専門的知識を持った人員の不足、前時代的な捜査法と取り調べ方。事件の謎を解明していくのは主人公の刑事ではなく捜査協力の凄腕ハッカー。とくに終盤に差し掛かってからはこの凄腕ハッカーの独壇場であり、彼がホームズで主人公の刑事がワトスンといった趣だ。彼の協力なくしては事件は決して解決しなかっただろう。それが、サイバー犯罪に対する警察の力不足を端的に示している。
この、終盤・事件の謎解き部分での凄腕ハッカーの独壇場っぷりはバタバタと駆け足じみた印象を読者に与えてしまっているが、作品全体としては前述の二点についての危機感は十分に伝わってくるようになっているので、細かいところには目をつぶろう。
こういった内容の本であるので、あとがきや解説などでぜひ関連事項の説明をしてもらいたかったところであるが、本作にはあとがきも解説もついていない。これは実に残念なことである。
この現状に対して警鐘を鳴らすのがこの本のテーマの一つだろう。
そしてもう1つ伝わってくるのが、警察のサイバー犯罪対策科の頼りなさである。専門的知識を持った人員の不足、前時代的な捜査法と取り調べ方。事件の謎を解明していくのは主人公の刑事ではなく捜査協力の凄腕ハッカー。とくに終盤に差し掛かってからはこの凄腕ハッカーの独壇場であり、彼がホームズで主人公の刑事がワトスンといった趣だ。彼の協力なくしては事件は決して解決しなかっただろう。それが、サイバー犯罪に対する警察の力不足を端的に示している。
この、終盤・事件の謎解き部分での凄腕ハッカーの独壇場っぷりはバタバタと駆け足じみた印象を読者に与えてしまっているが、作品全体としては前述の二点についての危機感は十分に伝わってくるようになっているので、細かいところには目をつぶろう。
こういった内容の本であるので、あとがきや解説などでぜひ関連事項の説明をしてもらいたかったところであるが、本作にはあとがきも解説もついていない。これは実に残念なことである。
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