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電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
読了。一、二巻ともに108円でBOOKOFFにあったので買って読んでみた。どちらも大変に分厚い。

シュタゲはPCでプレイし、アニメを見て小説を読んだわけだが、この小説版はシュタインズゲートという物語に触れるにはかなり良い、というか適している形態だと思われた。
SFは設定や理論などで情報量が多く、情報量が多いなら映像媒体より文字媒体のほうが無理なく多くの情報を伝えることができるためである。SF小説を映像化した作品は視覚的な驚きに頼る作品になりがちなのは、映像媒体では「パッと見で理解できる情報」以上のものを受け手に理解させるのに適した形態ではないからだ。
そのぶん音や音楽、映像で演出面を強化でき、ドラマチックなシーンや緊迫感のあるシーンを盛り上げることはできるが、それは「物語」としては本質的ではない。

なお、PCのノベルゲーム的な形態は両方のいいとこどりができそうに思えるが、一度に視界に収められる文字量の多さや読み返しの容易さによって紙媒体には紙媒体のアドバンテージがやはりある。

そして、この『円環連鎖のウロボロス』では演出面でも興味深い手法が使われている。
一行の上部と下部を使うことで、同時進行している2つの物事を描写したり、進行中の事態に対する主人公の内心を描写したりしているのだ。

たとえば                                  おわかり
こんな                                    頂ける
感じ。                                   だろうか?

これは特に緊迫感のあるシーンでその緊迫感を削ぐことなく主人公の内心を描写するのに効果的に機能している。映像作品でやるとどうしても「主人公の内心を描写し終わるまで一時停止」みたいになってしまうし、文字媒体でも逐次記述だと多かれ少なかれ同時進行感は損なわれるので、これは何気ないながらも結構画期的な手法ではないだろうか。

あと、原作つきの場合単に原作をなぞるだけでは驚きがないのでどの程度アレンジを加えるかもポイントになるが、この本ではそれもなかなかうまくやっているように思われた。
総合的に見て、かなり良い小説版だと思う。面白かった。
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