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電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
今週はドミニオン。
今回のランダム選出ルールはこんな感じ。
A)2コスト、3コスト、4コスト、それ以外のコストの王国カードを各1枚づつランダムに入れる。
B)イベントとランドマークを計2枚入れる。
C)3人に王国カードを各4枚ランダムに配り、それぞれ2枚を選び、同時に公開する。それらを入れる。
D)繁栄のカードの採用枚数×20%の確率で白金貨と植民地を採用。

1回目:
漁村、共謀者、拷問人、マーケット、大君主、司教、投石機、交易人、公爵夫人、遊牧民の野営地。イベントは「昇進」と「意外な授かり物」。CHOCHO→PAC→FK
序盤は司教と投石器と交易人のどれで圧縮開始する?という選択と漁村買い占め。自分はまあ交易人かなーと。漁村は3枚買えた。あとは増えたアクションで拷問人を撃ってマーケットでバイを増やして属州買っていくだけのシンプルなゲーム。途中で買った投石機が銅貨圧縮して攻撃したり、他のプレイヤーから撃たれた拷問人で呪いを受け取って破棄したり、わりと役に立った。交易人での圧縮&銀貨獲得もうまく機能してFKが勝利。

2回目:
1ターンに2枚目のカード獲得で2VP得られるランドマーク(最大18VP)「公会堂」と、6金で銀貨2枚獲得してそのターンに獲得した銀貨1枚につき1VP得るイベント「征服」が噛み合った国。王国カードは官僚、馬上槍試合、村落、移動動物園、豊穣の角笛、護符、見張り、都市、収穫、灯台。PAC→FK→CHOCHO
見張り+官僚でスタートして圧縮と銀貨獲得を進め、公会堂が機能する間は金貨購入ではなく征服を優先。実際は官僚を使ったターンにも公会堂から2VP得られていたのだが忘れてた。公会堂からVPが枯れたあとは都市を購入し、そのあとは都市パワーで属州購入レース。最終盤に他の2人の引きが悪く最後の1枚の属州を購入できてFKが勝利。
護符で馬上槍試合を一度に複数枚買えるので、馬上槍試合路線も結構いけた国だったかもしれない。

3回目:
原住民の村、岐路、ハーレム、シルクロード、隠し財産、執事、農村、改良、王室の鍛冶屋、借金。ランドマーク「凱旋門」と「水道橋」。FK→CHOCHO→PAC
一見すると岐路+シルクロードでもかなりいけそうな国だが、購入権が増えないので隠し財産で全員の出力が上がってしまうことにより普通に属州購入レースで決着というオチになりそう、という事前予想。圧縮手段も2つあるしね…。
FKはスタPではあるものの岐路+改良スタートになり、1回目の改良で屋敷を執事にしたのはいいもののそのあとの巡り合わせが悪く、隠し財産購入レースに出遅れてしまう。5金止まりになることが多く、そのたびに改良を買う。そして改良が2枚手札に来たタイミングで片方を隠し財産に変えてようやく1枚ゲット。しかしそのころにはすでに他の2人は隠し財産を利用して金貨を得ている。こうなれば追いつくためにはさらに賭けるしかない、とそのあとさらに2枚の隠し財産を買った。そこからは隠し財産パワーで怒涛の追い上げを見せたが、ぎりぎりのタイミングで購入した王室の鍛冶屋が機能しなかったという悪材料もあり、二位止まり。1位は水道橋からうまくVPを稼げたCHOCHOでした。
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ブラックエンジェルの4回目。今回は上級ルールを適用。内容は
・取得した各技術パネルに1回限りのおまけが追加
・「ターンエンドにカードを1枚引く」が「2枚から1枚を選んで引く」に変化
というもの。
4回目ともなると全員技術パネルの重要性も十分理解していてシビアな抑えあいが発生。ドローの質が良くなっているので全員盛んに使節団の派遣を行い、気が付けば残りのエイリアンカードが0枚。終わりじゃん!
入植予定の惑星まであと1歩だったのだが、その前に終了。
エイリアンカードの枯渇で終了する場合は残資源のVP換算が無くなるので、かなり計算が狂ってしまった。CHOCHOは意図してエンドトリガーを引いたわけではなかったが、CHOCHOの勝利。
基本ルールだとエイリアンカードの枯渇はまったく心配する必要がなさそうな感じだったが、上級ルールだとどちらの終了条件で終わってもおかしくない模様。上級ルールで遊ぶのがデザイナーの想定しているこのゲームのベストバランスなのだろう。

今日はHさんが来てCOCをやるかもってことで3時集合だったが、ラグビーW杯を見たいとのことで不参加に。6時半ごろに帰るなら参加を見送ってもらった方がよいでしょう。
で、そのかわりに3人でアーカムホラーをプレイ。3回目になるかな。
1回目はアザトースシナリオで失敗、2回目はアザトースシナリオ成功。3回目はヨグソトースシナリオに挑戦してみた。
FKが芸能人(+同じアクションを2度選ぶことが可能な能力)。PACが修理工。CHOCHOが秘書。
前回のプレイがかなり前(5/05)なので、このゲームの独特で煩雑な処理に戸惑いながら進めていく。
序盤は買い物や協力者集め。芸能人が得た協力者は1ターンに一度アイテム購入時に半額(切り上げ)で買える値切りの達人。強いとはいえないが、このゲームの協力者はいざというときの肉の盾でもあるので無駄にはならない。秘書が得た協力者は秘書自身の能力と噛み合ったなかなか強力なもの。そのあと祝福を得て喜んだのも束の間、トップニュースで3ドル+呪縛という効果が来て呪縛と相殺。金が増えたので雑貨屋に行くと金があるだけ好きなだけ買い物ができる、という結果を引き、一つを半額にしてもらって2つ買い物。これでまあまあ戦える体制になったかな。
とはいえ、のんびり強化に勤しんでいられないのがこのゲーム。モンスターは湧いて出るし、神話トークンの巡りあわせであっというまに破滅トークンだらけになってしまう。その時その時で最善を尽くしているはずだが、どんどん自体が悪化し、シナリオシートに破滅トークンが2つ乗ってしまい、シナリオ進行。
銀の黄昏協会と敵対するか協力するか、という二択で、面倒な敵が増えるより闇との盟約のほうがマシか、ということで後者を選ぶ。その後のタスクは次元の裂け目を閉じよ!とのことなので調査でクルートークンをシナリオシート上に送り込む。そのうえで、次元の裂け目のあるところでアクションを消費すれば閉じられるのだが、敵さんはやたら活発だし異常現象は対処せにゃならんしで思うに任せない。そうこうするうちにシナリオシート上に破滅トークンが6つ乗ってしまった。さらにシナリオが進む。
次元の裂け目を閉じきれなかった銀の黄昏協会はヨグソトースの力の制御に失敗し、リーダーはヨグソトースのしもべと化してしまう。この特殊モンスターを倒し切ればどうやら失敗寄りの辛勝という結末になりそう。なんと体力は基本値2+探索者数×2+次元の裂け目の数×3=17!
そのあとは全員が死力を尽くして戦い、どうにか倒したのだが…実はほんとはその戦いの途中で新たな次元の裂け目が生まれていて体力がさらに+3されてたはずなので、そのあたりをきちんとやっていたらどう転んだかはわからない。
ともあれ、ヨグソトースのしもべを倒すと銀の黄昏協会は建物ごと瓦解し、危機は去った。探索者の勝利!
ちなみに銀の黄昏協会に協力したうえで次元の裂け目を必要数閉じれば「銀の黄昏協会の勝利(闇との盟約を結んだプレイヤー含む)」となる模様。笑える。

夕食を挟んで、そのあとは新作「お化け屋敷の宝石ハンター」。次に実家に帰ったとき用の子供向けゲームで、マップとダイスロールを使った協力ゲームだ。一回目はとりあえず近いやつから片っ端から宝石を持ち帰ろうとしたら終盤に遠くの部屋から宝石を持ち帰るのが超絶大変になり、屋敷が悪霊だらけになって失敗。
二回目は反省して遠くの宝石から持ち帰るプランに変更。中盤までは出目がふるわずまったくお化けを退治できなくてどうなることかと思ったが、中盤からは目が走り始め快調なペースで宝石の回収とお化け退治を進める。とはいえ、最後の一つの宝石を回収しにかかったときにはすでに4体が悪霊化し、ほかにも悪霊リーチ状態が3か所。宝石を背負って帰路についたときには悪霊5体でリーチが二か所だった。リーチ二か所のうちどちらかを引き当てればアウト。だが、そのあとは宝石を運んでいない2人が悪霊を倒すことに成功して悪霊敗北を遠ざけ、その間に宝石を持ち帰ることに成功。勝利した。
で、そのあと上級ルールを見てみると難易度を上げる追加要素が3種類あった。
「ドロー2」「ドロー3」で一気にお化けが増えてさらにシャッフルするという地獄。
「青扉ロック」「緑扉ロック」で突然移動制限をうける危険性が生じる困苦。
宝石に書かれた数字通りにしか持ち帰ることができず、しかもその宝石を背負おうとするその時まで数字はわからないという難行。
いやこれ1種類だけの採用でも相当難易度上がりそうなんですが…。全部入れとか全くクリアできそうな気がしないぞ。

そのあと残った時間はレス・アルカナを1回やって、EXVSFBを1回やって散会。

7/20の記事参照。あのあとインフォメーションセンターに連絡して、その時点でのカードを廃止して別ナンバーで再発行。該当部分の支払いは「調査中」ということで保留したまま、調査に約三か月。
本日、11月の請求額を確認したら該当部分の請求が消えていた。
正しくは、「-167800」の請求でそれぞれ相殺されていた。

現象的にはこれで問題ないわけなんだけど、どういうことだったのか経緯は知りたいところ。

OHなんてこった…
家の中でネズミを見かけてしまった。先日の台風で下水の水面が上がって逃げ込んできたのか…?

と思ったが、冷静に調べると、備蓄していた乾麺などの袋が齧られているのが発覚。そういえば三か月前ぐらいにも同じような事例があったな…
あと、棚のすみに散らばってる小さな黒いゴミはネズミのフンである模様。なるほど…
ウチの近辺は地域ネコが多数いるのですっかり油断していたが、それなりに長い間ウチに居座っていたのは間違いないようだ。

で、ついさっき台所に降りて灯りをつけたら棚の扉の陰でなんかゴソゴソいってたので扉ごと壁に押さえつけてやった。必死で這い出てきたが、力いっぱい押さえつけると下半身は抜け出せない模様。
さてどうやって処分したものか、と思案したが、虫を殺すように殺虫剤や叩き潰すなどの手段はとりづらい。前者は虫以外には効果がなさそうだし、後者は不確実に思える。
結局、首に包丁を突き刺して絶命するまで待った。そのあと包丁は熱湯消毒して洗剤で洗った。
尻尾の長さ含まずで体長8センチほどのハツカネズミだった。
いややっぱり害獣とはいえ哺乳類を殺すのは気分悪いね。

この一匹だけだったらいいのだが…どうだろう。
フンなどは一旦掃除したので、また発見されたら業者に頼むか殺鼠剤を用意するか、なんらかの手を打つ必要がありそう。

追記:
残念…少なくともあと一匹はいることが確実になった。どうやら奴らを根絶すべく本腰を入れなければならないようだ。

追記2:
とりあえず穏便な対策として、乾麺など備蓄食料は全て冷蔵庫の中に移した。兵糧攻めである。食を断たれればウチに居座る理由はなくなるはずなので、これで消えてくれればいいのだが。

追記3:
やっぱり兵糧攻めだけで解決するとも思えないので、毒餌をプラスすることに。ネズミは警戒心が強いらしいが、手近なところの餌が無くなれば毒餌にも手を出しやすくなるだろう。これで仕事が忙しい時期を乗り切り、業者に頼む所存。

ブラックエンジェルの3回目。上級ルールも一応目を通してみたが、前回ですらルール間違いがあったので基本ルールでいっぺんちゃんと最後までやろう、ということで採用せず。
・やっぱり技術パネルを埋めるのは重要。CHOCHOは明らかにそれで序盤からつまづいて、最後まで伸び悩んだ。
・カード引く技術タイルは1枚あると便利。このゲーム、カードが各色1枚は手札にないと選択肢が狭まってしまってきつい。足りない色をカバーできるってだけで有利。また、手札に余裕がないと手札を使って技術パネルを起動させる選択肢が採りにくい。この日のプレイではこのタイルを2枚ゲットできたので手札管理は非常に楽だった。
・トップは62点だった。
・発動一回でロボット2体出す異星種族技術と、同じく発動一回でシャトル2つ出す異星種族技術は強力。意味不明なぐらい一気にリソースが楽になる。そりゃ他の人も使うよ。

少し時間が余ったのでレス・アルカナをプレイ。
パワースポット(日本語訳「力ある場所」だがこっちのほうがわかりやすい)の表裏をランダムで決めたらほとんど裏向きになったので新鮮な気分でプレイできた。
自分に与えられたアーティファクトデッキがクリーチャー4体ドラゴン2体他2という生物寄りだったので、それがVPに直結するパワースポットを目指した。ドラゴンを出すためにリソースが必要なので金3を捻出してパワースポット「錬金術師の城」をまず取り、あとはごくごく素直に進行。
PACは錬金炉とプリズムで大量の金を出してモニュメント建築路線、CHOCHOはねじ巻き人形を究極形態にしてパワースポット「暗礁」を育てつつモニュメントも建てていくプラン。
他の2人が強力なエンジンを組み上げたものの、デッキがあまりに最適だったFKが件のパワースポットを取り、ドラゴンを1体出すとすでに7点。さらにVP付きのクリーチャーを出し、錬金術師の城にマーメイドの能力で金を乗せて10点。パワースポットの効果を使って即勝利判定。勝ち。
1ゲームが短いとはいえ、セットアップと片づけを含むとやはり45分ほどはかかってしまう模様。散会の時間がちょっと押してしまった。


雨音がうるさくて目が覚めた。
仕事が非常に忙しいタイミングだが、台風接近のためこの土日は出勤禁止。
12日の8:00現在で935hPaという非常に強い勢力。前回ヤバイって言ってた15号がかわいく見えるね…。

とりあえず窓にテープを貼って水道水を4日分備蓄しておいた。
さて、何事もなくすめばいいが…

14:00現在で945hPa、非常に強い勢力を維持。
強まったり弱まったりとムラはあるが、雨は間断なく降り続けている。
飯を4合炊き、大量のチャーハンを作っておいた。
これで少なくとも今日明日はたとえ電気とガスの両方が使えなくなっても食べるものに困ることはないだろう。

おやおや…東京の一部に大雨特別警報が出てしまいましたぞ…。
「直ちに、命を守る行動を」っていうアレです。

20:00現在、小田原市付近を進路北北東で移動中。
まずいね、東京は台風進路の右側になりますよコレ。

22:00現在。なんと我が豊島区にも大雨特別警報が出てしまいました。
とはいえ、自宅にこもる以上に有力な避難先はないのだが。火災や地震のときの避難先ならともかく、台風のときの避難先なんてありませんよ!
一方、雨のピークはすでに去った感もある。雨雲レーダーによると、雨の最も激しいエリアは茨城まで抜けてしまっているように見える。
雨風が落ち着いているのは台風の目に入ったからという可能性もあるが…。

23:15現在。やはり東京でのピークは21時ごろで、すでに過ぎ去っていた模様。家が風で壊れたり浸水したりはせずにすんだようだ。停電、断水なども特にない。ふーやれやれ。

Hさん交えてのCoCTRPGセッション3回目。
内容は「銀色の怪物相手に苦戦する探索者一行にラスボスが追いつき、魔導書の力により2人から幸運を奪い取って立ち去る。どうにかその場を逃れた一行は傭兵3人と合流して儀式の場と目される経ヶ岳へ。傭兵の活躍でカルティスト7人は一蹴するが、忌まわしき狩人に強襲されて傭兵2人が死亡。この巨大な怪物を無欠の投擲で手榴弾を投げつけて爆殺し、山頂へ。再登場した銀色の怪物に邪魔されながら、ヨグ=ソトース召喚の詠唱を続けるラスボスを攻撃する。詠唱が完成する前に肉体の保護を破ることにどうにか成功し、倒す。銀色の怪物も消滅し、ラスボスの額に埋め込まれていた結晶を触って一波乱あったが、一連の事件は幕を閉じた。」
設定はわりと緻密で、クトゥルフ神話らしさとコズミックホラーっぽさはそこそこうまく出せたと思うが、探索の楽しさという点ではあまり良くなかった気がする。真相が少しづつ明らかになっていく、みたいなことは正直できてなかった。
まあ、しばらく自分でシナリオ練るような暇はないので、この先やるとしたら既成シナリオを使うことになるだろう。
食事を終えてHさんは帰宅し、いつもの3人で新作「レス・アルカナ」をプレイ。
カードの内容を把握しないとさっぱりわからないゲームなので、手探りでとりあえず一回プレイ。一回やってみたら、「カードコンボを使った宝石の輝き」みたいなゲームだということはわかった。
1回のプレイ時間は短いのでそのあと2回続けてプレイ。3回目はかなり洗練された、というか特化したプレイが行われ、熾烈なVP稼ぎレースが行われた。カード効果が多数あるゲームの常として、他の人が何やってるか把握しにくい面でややマイナスだが、このスピードあるプレイ感は悪くない。「力ある場」を表裏ランダムにすれば展開の多様性も生まれるはずなので、次からはちゃんとそれでやってみよう。

ブラックエンジェルの2回目。今回はさすがに基本的な流れを理解済みなので時間内に終了できた。一部、運用を間違っていた個所があったが…。
選択肢が非常に多く、何をやっても一応点は伸びるが、なにが最善かというのはわかりにくい。かなり習熟を要するゲームのようだ。
・前回(二週前)に挙げた戦訓はだいたい合ってた。
・3人プレイでトップが67点。それぐらいで決着するゲームと理解。
・ロボット、シャトル、資源は2個につき1VPなので、多めに集めても損はしない。赤カードは技術タイルの発動に使えるので、特に下準備しなくても活用しやすい。デブリの余剰分は役に立たないので、デブリをVPとしてカウントする上級技術タイルは結構よさげ。逆に、赤カードの枚数をVPとしてカウントする上級技術タイルはジレンマに陥りやすく、使い勝手は悪かった。
・1回発動ごとにリソース2種1組を消費して3VP得る同盟者カードは、ダイス目が3なら一度に3回発動できるので9VP得られる。1アクションで得られるVPとしては非常に大きいし、指定されているリソースの片方はデブリ、押し出された技術タイル、手札など、そのままではVP化できないもののようなので、その点でも利用価値が高い。

おなじみグレッグ・イーガンの、最新短編集。

★七色覚
網膜インプラントという技術で人間本来の三色覚を七色覚に強化する話。先端技術と人間のかかわり方の変遷が個人レベルの視点で描かれていて示唆的。すなわち、「最初は技術の先進性だけでアドバンテージとなるが、それが一般的になったり類似技術が現れることで先進性だけに頼っていた者は没落する。そののち、その技術が完全に普及した段階では、その技術の存在を基盤とした技術や文化を発展させた者が隆盛する」。企業経営陣や投資家には特に重要な認識であろう。

★不気味の谷
死を目前とした人物の人格・外見を移植されたアンドロイドが、自身に移植されなかった記憶の謎を追う話。記憶喪失の人間が欠落した記憶を追う話と一見似ているが、移植されなかった意図をめぐる葛藤や判明後の選択肢はこの設定ならではのものがあり興味深い。人格と外見をアンドロイドに移植して残す、という行為は自分には理解しがたいが…。

★ビット・プレイヤー
表題作。奇妙な物理法則に支配された世界に目覚めた主人公が、世界の謎を解こうと奮闘する。その世界の正体は「奇をてらっただけのチープなSF小説の設定を流用したVRゲームの舞台」で、主人公はそこのモブNPC(=端役=ビット・プレイヤー)として使うために違法コピーされた人格データだった、というもの。精神そのものをデジタル化することが当たり前になっているイーガンSF世界では、人格データを違法コピーして使うなんてのは人間の奴隷化に等しい重大犯罪だろう。他に類似題材の作品はあったっけ…?あったようななかったような…。人格データのもっとおぞましい利用法はいくらでも思いつくが、モブNPCのAI作成コスト削減のため、というのは見た目かなり穏便で、一方その程度のために人間の奴隷化に等しいことをやってるというのが別種のおぞましさを感じさせる。
その後、主人公はモブNPCとして不適格な行為が露見して消されてしまうことのないよう注意しつつ、世界を変えていくことを目指す。その第一歩としての成果を成し遂げたところで本作は終わる。続編もいくつかすでに書かれているらしいが未訳。たしかに、話をいろいろ広げていけそうな設定ではある。事象としてのスケールはだいぶ小さいのだが。

★失われた大陸
世界線を移動しての難民の話。難民の悲惨な境遇をアピールせんがための話、という雰囲気が露骨で、イーガンらしからぬ政治臭の強さ。世界線の移動云々もたいして重要ではなく、SFとしての見どころは乏しい。

★鰐乗り
デジタル化での不死を獲得した知性が知的探求に存在意義を見出すのはイーガンSFではおなじみ。ある種の自己満足のために、死が確定的な調査に乗り出す話は以前にあったが、コピーした一つが死ぬだけでスナップショットした別データは存続していた。本作では、やりたいことを一通りやりつくして、自分の存在を終わりにしようと決めた(スナップショットも残さない)主人公が、最後に最高の達成感を得るために知的探求に挑む話。デジタル的不死という思考実験において、これまでの位置から一歩踏み込んだ感がある。

★孤児惑星
母星を持たず放浪している孤児惑星に文明や生命の存在を示すデータが見られたことから、調査隊が派遣される話。デジタル化した知性が調査を行うのはイーガンSFによくあるパターンなのだが、謎めいた奇抜な環境を大々的に提示する手法はラリー・ニーヴン(ネビニラルの円盤のアナグラム元)っぽい。

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プロフィール
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ゲーム会社勤務
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電源不要ゲーム
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