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電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
さて、前回は「準児童ポルノ」を規制する法律は理論構成に無理があり制定の根拠に乏しいことについて述べた。
そして、これを推進する動きはつまるところ叩きやすいところをバッシングするという政治的パフォーマンスであり、売名行為にほかならない。
売名行為が売名行為たりうるには、その行為を支持する人間が相当数いなければならない。
つまり、「準児童ポルノ」を嫌悪し、規制したい人間が相当数いることになる。
そういう人間達は二つに大別される。
1)自分の子供を性犯罪から守るという思いが空回りして間違った方向に突き進んでいるタイプ。
2)「準児童ポルノ」というものに対する嫌悪感が先にあり、それを攻撃するためのそれらしい理由があれば何でもいいタイプ。森山眞弓元法相は「私は児童ポルノよりも、むしろ漫画を規制したい。不愉快ですから。」という発言からして明らかにこっち。

まず1から。頭を使うのが苦手な人々(大部分はこれに該当するが)は物事を単純に考えたがるものであり、早急に短絡的な結論を出す。何かの事象が起こった場合そこには必ず原因があり、その原因が取り除かれたら当該事象は起こらなくなる、という思考パターンだ。この場合、「加害者を児童に対する性犯罪に走らせた何かが存在し、それを取り除けば児童に対する性犯罪は起こらなくなる」という短絡した思考が存在する。
そして、その「加害者を児童に対する性犯罪に走らせた何か」が「児童ポルノor準児童ポルノ」だというのだが、前回述べたとおりその主張には根拠がない。ある人間はそのようなものを見て性犯罪に走るかもしれないが、別の人間は見るだけで満足していたのが規制されて見れなくなることによって性犯罪に走るようになるかもしれない。こういう話は暴力表現でも同じことが何度も言われている。
人間は個体差が大きすぎ、単純に一般化を行えないのだ。
結局、人間も人間社会も完全には程遠く、それゆえに(性犯罪に限らず)犯罪の根絶は不可能であると言わざるを得ないのが現実だ。簡単で即効性のある解決法などありはしない。
この現実を受け入れられない(もしくは理解できない)人間が、短絡的な思考に走る。
最善の手法は地道なものにならざるを得ないが、教育によって「人間社会で生きていく最低限のルール」の周知の徹底を図っていくことであろう。
別段難しい内容ではない。「他者の権利を侵害しない」これだけだ。この最低限のルールを守っていれば、あとは各自自由に幸福を追求すればよい。逆に、法律で処罰されなくても、他者の権利を平気で侵害する人間の心根は犯罪者と同じであり、こちらのほうがよっぽど犯罪者予備軍として警戒すべき対象である。
この、最低限のルールをきちんと教育されていない人間は実に多い。1の連中も自分達のずれた正義感に従って「他者の権利を侵害するための活動」を推進しているわけなので、根本を理解できていないことは明らかである。
むろん、2の連中は個人的な好悪の感情で活動を推進しているのでやっぱり最低限のルールを遵守していない。
皮肉だと言わざるをえまい。犯罪を無くすために活動しているつもりの連中の心根が程度の差はあれ犯罪者と同質だと言うのだから。
「犯罪者は自分の身勝手な欲求を満たすために他者の権利を侵害するのであり、子供たちを守るために活動している人たちはそれとは全く違う」と言う人がいるかもしれない。
だが人は自分自身のためではなくほかの誰かのため(あるいは組織や社会、国家のため)と称して行動するときに最も恐るべき人権侵害を行ってきた。それは歴史が証明している。行動者の意識の上で自身の責任が希薄になることが原因であろう。
いずれにせよ、動機の違いで変化するのは罪の軽重だけであり、害そのものは変化しない。
少しはこれらのことを理解してもらいたいものだが・・・やはりあまり期待はできそうにない。
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