電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
日本とアメリカではデッキの好みが違うせいか相場が異なっていて、物によっては値段がけっこう違う。もちろん、店によって在庫の事情もあるだろう。このあたりを利用すればかなり経済的にカードを揃えることはできる。できるんだが…
FKはシングルスターとCARDHAUSを使っているが、後者の配達の遅さはやはり頻繁な利用を躊躇させる要因になっている。前者は入金から3日程度。後者は送料無料化できる方法だと7~14日…とメールには書いてあるが見積もりには7-18days、さらにCARDHAUSのサイトのFAQには7~20日程度と書いてあったりする。どれが正しいんだよ!
まあ実際今回利用したときは10/3発送10/23到着でマックス20日かかってる。20日はやばいね。
たとえばM14発売からテーロス発売までは二ヶ月と8日しかないわけで、その環境で利用できる期間のうち3割程度が消えるわけだから。さらにいえばブロック第三エキスパンションのスタンダード寿命自体が一年と5ヶ月程度で、20日はそのうちの4%ぐらいにあたる。
なので、そのへんを覚悟の上で利用するか、早く届いて保険もかかってるけど送料が高いオプションをつけるか…しかし送料も込みで考えると他との比較で安いか高いかの判断は難しくなり…うむむ。
結局、シングルスター(国内の通販)でいいやという結論になりがちだったりする。
FKはシングルスターとCARDHAUSを使っているが、後者の配達の遅さはやはり頻繁な利用を躊躇させる要因になっている。前者は入金から3日程度。後者は送料無料化できる方法だと7~14日…とメールには書いてあるが見積もりには7-18days、さらにCARDHAUSのサイトのFAQには7~20日程度と書いてあったりする。どれが正しいんだよ!
まあ実際今回利用したときは10/3発送10/23到着でマックス20日かかってる。20日はやばいね。
たとえばM14発売からテーロス発売までは二ヶ月と8日しかないわけで、その環境で利用できる期間のうち3割程度が消えるわけだから。さらにいえばブロック第三エキスパンションのスタンダード寿命自体が一年と5ヶ月程度で、20日はそのうちの4%ぐらいにあたる。
なので、そのへんを覚悟の上で利用するか、早く届いて保険もかかってるけど送料が高いオプションをつけるか…しかし送料も込みで考えると他との比較で安いか高いかの判断は難しくなり…うむむ。
結局、シングルスター(国内の通販)でいいやという結論になりがちだったりする。
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ゴルガリミッドレンジと書くとなんとなく落ち着かない。ゴルガリらしくないからか。
漠然とした印象だが、今のこのカラーの組み合わせはFKの好みにあってる感じがする。
理由1)色の組み合わせ的になんでも除去できる
破滅の刃、化膿、英雄の破滅、古代への衰退あたりで盤上の問題のほとんどを取り除くことができる。
理由2)3ターン目からファッティーを連続ダンプというプレイが可能
森の女人像から3ターン目に4マナ域に到達し、4/5、5/5クラスを次々と盤面に叩きつけるのは気持ちいいし普通に強い。
理由3)引き増しが使える
地下世界の人脈、骨読み、エレボスなど、黒お得意のライフ払って引き増しの質が現環境では高く、青と比べても遜色がない。
理由4)ライフを回復できる
1や2で敵の攻勢をさばいても火力で押し込まれたりするし、3を安心して使い倒すためにもライフ回復手段があると頼もしい。構成にもよるが、エレボスの鞭、ナイレアの弓、オルゾヴァの贈り物などはそこそこ実用的なライフ回復手段になり、ほかの用途で使っても強い。
理由5)ゴルガリの魔除けが有用
-1/-1修整オール、エンチャント破壊、全体再生のいずれもがなかなかに便利でメインからでも腐りにくい。2マナインスタントで波使いを殺し、神の道具を割り、除去を防ぐことができれば十分な柔軟性といえるだろう。そのぶんこっちもタフネス1クリーチャーを入れづらくはなるが。
理由6)思考囲いが使える
MtGの歴史上最強クラスの1マナ手札破壊を使えるのは、特にコントロール相手に大きな優位が得られる。
まあ他にもいろいろ。とりあえず以下にサンプルデッキを。
「緑黒ミッドレンジ」
<クリーチャー 20>
4 森の女人像
3 漁る軟泥
3 ロッテスのトロール
4 死橋の大巨虫
4 荒野の収穫者
1 世界を喰らう者、ポルクラノス
1 屍体屋の脅威
<呪文 16>
2 破滅の刃
3 化膿
2 英雄の破滅
1 オルゾヴァの贈り物
1 炎叫びの杖
1 エレボスの鞭
1 ナイレアの弓
2 骨読み
2 地下世界の人脈
1 ゴルガリの魔除け
<土地 24>
4 草むした墓
4 ゴルガリのギルド門
9 森
7 沼
<サイドボード 15>
3 古代への衰退
3 ゴルガリの魔除け
2 破滅の刃
1 英雄の破滅
1 オルゾヴァの贈り物
1 吸血鬼の印
4 思考囲い
…これを見れば、なんとなく言いたいことはわかってもらえるのではないかと思う。
漠然とした印象だが、今のこのカラーの組み合わせはFKの好みにあってる感じがする。
理由1)色の組み合わせ的になんでも除去できる
破滅の刃、化膿、英雄の破滅、古代への衰退あたりで盤上の問題のほとんどを取り除くことができる。
理由2)3ターン目からファッティーを連続ダンプというプレイが可能
森の女人像から3ターン目に4マナ域に到達し、4/5、5/5クラスを次々と盤面に叩きつけるのは気持ちいいし普通に強い。
理由3)引き増しが使える
地下世界の人脈、骨読み、エレボスなど、黒お得意のライフ払って引き増しの質が現環境では高く、青と比べても遜色がない。
理由4)ライフを回復できる
1や2で敵の攻勢をさばいても火力で押し込まれたりするし、3を安心して使い倒すためにもライフ回復手段があると頼もしい。構成にもよるが、エレボスの鞭、ナイレアの弓、オルゾヴァの贈り物などはそこそこ実用的なライフ回復手段になり、ほかの用途で使っても強い。
理由5)ゴルガリの魔除けが有用
-1/-1修整オール、エンチャント破壊、全体再生のいずれもがなかなかに便利でメインからでも腐りにくい。2マナインスタントで波使いを殺し、神の道具を割り、除去を防ぐことができれば十分な柔軟性といえるだろう。そのぶんこっちもタフネス1クリーチャーを入れづらくはなるが。
理由6)思考囲いが使える
MtGの歴史上最強クラスの1マナ手札破壊を使えるのは、特にコントロール相手に大きな優位が得られる。
まあ他にもいろいろ。とりあえず以下にサンプルデッキを。
「緑黒ミッドレンジ」
<クリーチャー 20>
4 森の女人像
3 漁る軟泥
3 ロッテスのトロール
4 死橋の大巨虫
4 荒野の収穫者
1 世界を喰らう者、ポルクラノス
1 屍体屋の脅威
<呪文 16>
2 破滅の刃
3 化膿
2 英雄の破滅
1 オルゾヴァの贈り物
1 炎叫びの杖
1 エレボスの鞭
1 ナイレアの弓
2 骨読み
2 地下世界の人脈
1 ゴルガリの魔除け
<土地 24>
4 草むした墓
4 ゴルガリのギルド門
9 森
7 沼
<サイドボード 15>
3 古代への衰退
3 ゴルガリの魔除け
2 破滅の刃
1 英雄の破滅
1 オルゾヴァの贈り物
1 吸血鬼の印
4 思考囲い
…これを見れば、なんとなく言いたいことはわかってもらえるのではないかと思う。
死者の神、エレボス + 慈善獣
…もちろんネタです。
…もちろんネタです。
さて、では環境が変わってラヴニカの回帰ブロックとM14のカード評価がどう変わるかを考察してみよう。
★スフィンクスの啓示
青白は土地的には使いづらいがコントロール対決ではリソース勝負のカギを握るカード。評価さらにアップ。
★ラクドスの復活
環境が低速化してコントロール対決が増えれば、ライフが増えるスフィンクスの啓示よりもプレインズウォーカーを同時に始末できるラクドスの復活のほうが評価される可能性はある。評価ややアップ。
★冒涜の悪魔
ゴルガリミッドレンジで再注目されたカードだが、高効率でトークンを出すカードが減って押さえ込まれにくくなりさらに評価アップ。絶賛高騰中。
★地下世界の人脈
黒お得意のライフを払ってドローが骨読み、エレボスと3種類あり、どれも一長一短。少しづつ混ぜて使うのがいいか。なかでもコストが軽く継続的に引けるこれはコントロール対決ではカギになるカードなので重要度は増すだろう。
★灰の盲信者
環境からフラッシュバックが消えて、ほんとにただの2マナ2/2先制速攻ってだけのカードになった。とはいえ、環境最速になる可能性がある赤単においてはやっぱり重要なクリーチャーなので評価は据え置き。
★戦慄掘り
WBRコントロールならいいが、それ以外では黒赤は扱いにくい二色。単色で使える英雄の破滅が出て立場が悪くなる。評価ダウン。
★超音速のドラゴン
色さえあってれば嵐の息吹のドラゴンとそう遜色があるわけでもない。変化+点火が神対策にもなるのでイゼットカラー自体は使いでのある色といえる。ワンチャンあるかも。
★軍勢の集結
自分で安心して全体除去を撃てるフィニッシャーその1。ちなみにその2は霊異種で、その3は憑依された板金鎧、その4以降は各種プレインズウォーカー。コントロール対決では通すと死ねるカードだが、環境にエンチャント対策が増えそうなのはマイナス。評価は据え置き。
★無慈悲な追い立て
終末が消えて、環境唯一の「除去耐性おかまいなし、後腐れ無しもなし」の全体除去になった。エンチャントを追放できるのが効果的に働くケースもあるだろう。土地の関係もあってオルゾフコントロールやエスパーコントロールが(相対的に)組みやすいこともあって、評価かなりアップ。
★ボロスの反攻者
色拘束の強さが信心でプラスに働くように。盛りすぎもいいとこだな。
★霊異種
パーミッション対決ではカウンターをくぐりぬけるのが辛いカードだが、非パーミッションのコントロールにとってはほとんど死を意味するカードなのでやはり強力。評価ややアップ。
★狂気の種父
コントロール殺しのカードだがパーミッション相手に通すのはかなり難しいかも。それでも決定打であることに変わりはないので評価ややアップ。
★上昇する法魔道士
いまや希少な呪禁持ち生物。環境の低速化と修復の天使の退場でこいつにも出番が回ってきそう。
★変化+点火
実体化した神を殺せるのは大きい。一方、+1/+1カウンタがいっぱい乗ったクリーチャーを殺すのは難しいので過信は禁物。トータルでは評価微増。
★生命散らしのゾンビ
黒系のデッキを組むなら必須といえるカード。逆に、こいつがいるので白や緑のからむクリーチャーを使いたくなくなる。良くも悪くも環境を規定するカードの1つ。
★ザスリッドの屍術師
テーロスでは黒に人間が増えたので、このカードの有用性もアップ。
ただし神々の憤怒を喰らうとおじゃんなので、思考囲いや強迫でどうにかしたい。
★燃え立つ大地
以前よりも有用性は低下したが、それでも強力なマルチカラーカードがある以上2色3色のデッキは存在し続けるだろうし特殊土地も使われ続けるだろう。ただ、もはやメインから入ることはないと思われる。
★漁る軟泥
掘葬の儀式が消えて、このカードの対策カード的な側面は低下するが、相変わらず消耗戦に強いカードであることに代わりは無いので環境の墓地利用カードを牽制し続けるだろう。
★変わり谷
色を減らすことを推奨するカード。パーミッション対決だとこいつを引いた枚数が勝負を決めることも。
★炎叫びの杖
エンチャント警戒でアーティファクトのマークは薄くなるかも。キャスト3装備2のコストは二色剣と同じで、プロテクションや誘発効果こそないものの打撃力強化は二色剣を上回るケースもあるので、高パワークリーチャーや接死持ち、戦闘ダメージ誘発などと組み合わせれば十分な働きが期待できる。
★スフィンクスの啓示
青白は土地的には使いづらいがコントロール対決ではリソース勝負のカギを握るカード。評価さらにアップ。
★ラクドスの復活
環境が低速化してコントロール対決が増えれば、ライフが増えるスフィンクスの啓示よりもプレインズウォーカーを同時に始末できるラクドスの復活のほうが評価される可能性はある。評価ややアップ。
★冒涜の悪魔
ゴルガリミッドレンジで再注目されたカードだが、高効率でトークンを出すカードが減って押さえ込まれにくくなりさらに評価アップ。絶賛高騰中。
★地下世界の人脈
黒お得意のライフを払ってドローが骨読み、エレボスと3種類あり、どれも一長一短。少しづつ混ぜて使うのがいいか。なかでもコストが軽く継続的に引けるこれはコントロール対決ではカギになるカードなので重要度は増すだろう。
★灰の盲信者
環境からフラッシュバックが消えて、ほんとにただの2マナ2/2先制速攻ってだけのカードになった。とはいえ、環境最速になる可能性がある赤単においてはやっぱり重要なクリーチャーなので評価は据え置き。
★戦慄掘り
WBRコントロールならいいが、それ以外では黒赤は扱いにくい二色。単色で使える英雄の破滅が出て立場が悪くなる。評価ダウン。
★超音速のドラゴン
色さえあってれば嵐の息吹のドラゴンとそう遜色があるわけでもない。変化+点火が神対策にもなるのでイゼットカラー自体は使いでのある色といえる。ワンチャンあるかも。
★軍勢の集結
自分で安心して全体除去を撃てるフィニッシャーその1。ちなみにその2は霊異種で、その3は憑依された板金鎧、その4以降は各種プレインズウォーカー。コントロール対決では通すと死ねるカードだが、環境にエンチャント対策が増えそうなのはマイナス。評価は据え置き。
★無慈悲な追い立て
終末が消えて、環境唯一の「除去耐性おかまいなし、後腐れ無しもなし」の全体除去になった。エンチャントを追放できるのが効果的に働くケースもあるだろう。土地の関係もあってオルゾフコントロールやエスパーコントロールが(相対的に)組みやすいこともあって、評価かなりアップ。
★ボロスの反攻者
色拘束の強さが信心でプラスに働くように。盛りすぎもいいとこだな。
★霊異種
パーミッション対決ではカウンターをくぐりぬけるのが辛いカードだが、非パーミッションのコントロールにとってはほとんど死を意味するカードなのでやはり強力。評価ややアップ。
★狂気の種父
コントロール殺しのカードだがパーミッション相手に通すのはかなり難しいかも。それでも決定打であることに変わりはないので評価ややアップ。
★上昇する法魔道士
いまや希少な呪禁持ち生物。環境の低速化と修復の天使の退場でこいつにも出番が回ってきそう。
★変化+点火
実体化した神を殺せるのは大きい。一方、+1/+1カウンタがいっぱい乗ったクリーチャーを殺すのは難しいので過信は禁物。トータルでは評価微増。
★生命散らしのゾンビ
黒系のデッキを組むなら必須といえるカード。逆に、こいつがいるので白や緑のからむクリーチャーを使いたくなくなる。良くも悪くも環境を規定するカードの1つ。
★ザスリッドの屍術師
テーロスでは黒に人間が増えたので、このカードの有用性もアップ。
ただし神々の憤怒を喰らうとおじゃんなので、思考囲いや強迫でどうにかしたい。
★燃え立つ大地
以前よりも有用性は低下したが、それでも強力なマルチカラーカードがある以上2色3色のデッキは存在し続けるだろうし特殊土地も使われ続けるだろう。ただ、もはやメインから入ることはないと思われる。
★漁る軟泥
掘葬の儀式が消えて、このカードの対策カード的な側面は低下するが、相変わらず消耗戦に強いカードであることに代わりは無いので環境の墓地利用カードを牽制し続けるだろう。
★変わり谷
色を減らすことを推奨するカード。パーミッション対決だとこいつを引いた枚数が勝負を決めることも。
★炎叫びの杖
エンチャント警戒でアーティファクトのマークは薄くなるかも。キャスト3装備2のコストは二色剣と同じで、プロテクションや誘発効果こそないものの打撃力強化は二色剣を上回るケースもあるので、高パワークリーチャーや接死持ち、戦闘ダメージ誘発などと組み合わせれば十分な働きが期待できる。
さて、テーロス発売である。
イニストラードブロックとM13がOUTして、スタンダードのカードプールが最大→最小へと縮小するこの時期の環境を分析・予測する。
1)マナベースの脆弱化・不安定化・低速化
10枚のM10ランドが使えなくなり、その代替品は確定タップインの神殿サイクル5枚だけ。
したがって、速攻デッキでは3色以上の構成は現実的でなくなり、色を減らすかミッドレンジにシフトせざるをえなくなるだろう。二色の速攻デッキでも神殿サイクルを入れるべきかどうかは微妙なところで、不安定さに目をつぶって基本土地に頼るか、単色化するか、ミッドレンジにシフトする可能性は十分ある。
これにより、「マナベースはどうとでもなるから、とにかくパワーカード突っ込んだもん勝ち」という状態は薄れ、マナの安定かスピードかカード1枚の質か、というようなさまざまな段階での選択が意味を持つ構築環境になるだろう。かくあるべき。
一方、低速デッキにとって神殿はタップインであっても占術付きの意味は大きく採用する価値は十分。魔鍵、導き石、旅行者の護符などの色マナ調達用アーティファクトも活用しやすく、3色以上でもさほど無理なく回せるデッキが組めるだろう。
参考までに、各色の組み合わせの土地基盤を書き出してみる。
ショックランド1 イゼット、ゴルガリ、セレズニア、ラクドス、アゾリウス
ショックランド1神殿1 ボロス、グルール、オルゾフ、デイミーア、シミック
ショックランド3神殿1 ジャンク(WBG)、ジャンド、トリコロール、グリクシス、バント
ショックランド3神殿2 エスパー、ナヤ、URG、WBR、UBG
2色ではもともと低速志向なオルゾフ・デイミーアが有望か。
3色はエスパーが有望だが青の薄さがやや気にかかる。青の濃さではUBGがカウンターと高品質な単体除去をあわせ持っており、パーミッションはやりやすいかもしれない。軍勢の集結をフィニッシャーとする除去コンになることが予想されるWBRもそこそこいけるか?
2)低速化、カウンター優位へ
上記の流れは高速デッキには逆風で、環境は低速化するだろう。そうすると、青いじめ環境だったイニストラードブロックが落ちたこともあってカウンターが相対的に強力になる。カウンターし損なっても漸増爆弾と英雄の破滅でほぼカバーできる青黒はマナ基盤的にも有望。
…という認識に立った上で、テーロスに目を向ける。
まずはメカニズムについて。
授与:授与で唱えることを前提にするにはたいていの場合重すぎるため、授与クリーチャーが単体でどれぐらいの仕事ができるかに掛かっている。大部分は構築での使用に耐えないと思われるが、ごく一部が主に英雄的との組み合わせで有望であろう。
英雄的:白と緑は主に自己強化、他は呪文的に作用する効果。とはいえ、これ「だけ」を目的に自分のクリーチャーを対象にとるカードを入れる価値はほとんどない。これもまた、英雄的能力無しでどれぐらい仕事ができそうかというのが各クリーチャーの評価の基準となるだろう。
英雄的を誘発させる目的で入れるカードとしては戦士の教訓がベストか。対象を2体取れるので二人分誘発させることができ、両方を潰して立ち消えさせることも難しく、片方の攻撃でも通ればカードカウントはイーブン、マナの消費も1マナぽっきり。威名の英雄や運命の工作員との相性も良好。…二色になることがすでに問題であるとも言えるが。他は暗号呪文が候補になるか。現実的な選択肢としては見えざる糸と身分詐称。前者は効果は地味だが軽くて使いやすい。後者は強力だがとにかく重く、英雄的能力持ちより他のものを対象にしたいケースが多そう。
怪物化:怪物化に対応して除去されるととにかくテンポ損が著しいため、相手がタップアウトしているのでなければ、よっぽどやることがないときにしか起動すべきでないだろう。つまり、あまりアテにはできないということで、これまた怪物化能力無しで評価することになる。
占術と神、信心については見たままなので特記なし。
で、各カードの評価を。
★太陽の勇者エルズペス
重いけど強い、強いけど重い枠。ある意味、ニンの杖や原始の報奨などに近い。低速化が予想されるのでそこそこ有望。
★太陽の神、ヘリオッド
一度着地させれば、インスタントタイミングでトークンを出せるのでパーミッション向き。当然コントロール向きでもある。伝説のパーマネントなのでたくさん入れたくはないが、勝ち手段の一つとしてならあり。軍勢の集結をフィニッシャーとするデッキとかなら1枚差すといいかも。
★海の神、タッサ
最低限の働きである自動占術装置としてでも、コントロールデッキに1枚差す価値はある。アンブロッカブル付与もフィニッシャーに大型クリーチャーを使うなら役立つだろう。クリーチャーとして機能させるのは期待薄。
★死者の神、エレボス
対抗策的な能力はいやらしいがつまらない。夜の囁きを何度でも使えるようなドロー能力は無駄にはならないが、地下世界の人脈のほうが使い勝手はよい。色の特性上クリーチャー化させやすいのは利点。
★鍛冶の神、パーフォロス
トークンを生成するカードとの相性はかなりのもの。ボロスの反攻者などと併用すればクリーチャー化も視野に入れやすい。ただ、伝説のパーマネントの常としてデッキに何枚入れるべきかにはいつも悩まされる。
★狩猟の神、ナイレア
付与能力も起動型能力もきわめて地味で、1枚であっても差すべき積極的な理由が見当たらない。
★嵐の息吹のドラゴン
雷口のヘルカイトに比べれば悲しい限り。少なくともこれがトップレアってことはないと思う。
★世界を喰らう者、ポルクラノス
死橋の大巨虫より少し強い。怪物化ははまれば強いが例によってテンポ損に注意。
★老いざるメドマイ
この色ならフィニッシャーに霊異種を使うだろ?
★灰燼の乗り手
1マナ増えて誘発能力が破壊から追放になり、死亡時にも誘発するようになった絶望の天使。コストを踏み倒す手段があれば本家よりも強力だが、現時点では相方に恵まれない様子。
★波使い
ポテンシャルはかなりのものがあると思うが、青の信心を稼ぐデッキというのが特異すぎて、完全にこれ4枚頼りのデッキになりそうなのが困りもの。さすがにそのためだけに4枚揃える気にはならんよ。
★悪夢の織り手、アショク
いい感じに微妙なプレインズウォーカー。500円ぐらいになったら使ってみてもいいかな。たぶんそう遠い日ではないだろう。
★死の国のケルベロス
単体での戦闘力は5マナマルチとして十分なものだが、死亡誘発能力の扱いが悩ましい。
こちらがアグロで相手が除去コンなら一方的に得をできるかもしれない。両者アグロなら結果は読みづらいが、クリーチャーを3体揃えてブロックされて死ぬとその戦闘で倒したクリーチャーも蘇ってしまうのが悩みどころ。自分がコントロールで運用するにはハイリスク。
神々の憤怒でザコを追放してしまえばブロックもされづらく、蘇ってくることもないので好相性。
★歓楽者ゼナゴス
とりあえず忠誠度消費なしでトークンを出せる時点で十分実用的だが、緑赤のマルチカラーと言う時点で相当入れるデッキを選んでしまうというこの事実。
★天界の執政官
単体性能は可も無く不可もなし。ただ、2マナ多く払えればなんでもフィニッシャーに化けさせることができ、そいつ自身の能力も上乗せできるというのは悪くない。希望の幻霊や悪意の幻霊とはどっちがどっちについてもなかなかの仕事ができる。威名の英雄ならさらに良し。
20円なら買っても損はあるまい。
★威名の英雄
ミラディンの十字軍や銀刃の聖騎士には劣るものの、3マナで4点ぶんの打撃力を持ち、強化系能力との相性の良さも考え合わせれば決して悪いクリーチャーではない。英雄的能力を無視してもデッキに入りうるカードで、130円なら買って損はない。
★ヘリオッドの槍
白の絡むいろんなデッキで1枚差しを検討できる良カード。
★運命の工作員
3マナパワー3で接死持ちというのは悪くないが、さすがに英雄的能力抜きでデッキに入るほどでもない。英雄的能力は強力なのでこれをどう活用するかが鍵になる。オルゾヴァの贈り物…?微妙だな。やっぱり戦士の教訓か。
★エレボスの鞭
黒くてそれなりにクリーチャーを使うデッキなら一枚差ししない理由はあまり見当たらないカード。群れネズミがいれば手札でかぶっても捨てられるので複数枚デッキに入れても扱いやすい。
★英雄の破滅
コントロール、特にパーミッションには待望の一枚。インスタントタイミングでプレインズウォーカーを破壊できるのは大きいし、対象の広さによって腐りにくいのもよい。ただし、殺害を使った人にはわかるだろうが、3マナは単体除去としては重く、メインから4枚積みたいカードでもない。メインに2~3枚、残りはサイドだろう。
★神々の憤怒
ビッグレッドの勃興を予感させる強力な全体除去。タフネスが4以上かどうかがクリーチャー選択の1つの基準となり、さらにそのうえにタフネスが5以上かどうかというふるいをミジウムの迫撃砲がかけることになるだろう。
★燃えさし呑み
4マナ5/5の死橋の大巨虫は空気だったが、4マナ4/5のこいつはどうか。
単色化を後押しする環境要因と、色の違いによってこいつは見込みがある。特に、自分で撃った神々の憤怒で死なないのは大きい。30円なら買っても損はあるまい。
★火呑みのサテュロス
ジャッカルの仔の上位互換だが、昔よりはるかにクリーチャー同士のぶつかり合いが多くなった現代において、バックラッシュのペナルティは相当リスキーに思われる。
★加護のサテュロス
授与コストが5マナと手ごろで、瞬速により奇襲的に使える授与クリーチャー。青緑または青緑黒でカウンターのために残したマナで運用するには手ごろかもしれない。
★羊毛鬣のライオン
怪物化の常として、対応して除去されたときのリスクは大きいものの、呪禁と破壊不能という過剰なまでの除去耐性を得られるリターンは大きい。その後壁で止められたりするとバカバカしいのでひるまぬ勇気などを併用したい。
★荒野の収穫者
これまた4マナ4/5で、緑が絡むぶんサイズ的には旨みが乏しいが、マナさえあれば呪禁を得られるので強化の土台にしやすいというメリットがある。そのほかにも、黒1マナで接死が得られたり、他のクリーチャーが死ぬたびに誘発する占術1も無駄にはならない。接死はトランプル、先制、二段攻撃と相性がいいのでやはり強化の土台向けであるといえる。
除去耐性があり占術1が誘発するのはコントロール向きでもある。なかなかの良クリーチャーと言ってよいのではないだろうか。80円なら買って損はない。
…他はまあどうでもいいかな。それより、環境の変化でラヴニカの回帰ブロックとM14のカード評価がどう変わるかのほうが重要だが、それは次の機会に。
イニストラードブロックとM13がOUTして、スタンダードのカードプールが最大→最小へと縮小するこの時期の環境を分析・予測する。
1)マナベースの脆弱化・不安定化・低速化
10枚のM10ランドが使えなくなり、その代替品は確定タップインの神殿サイクル5枚だけ。
したがって、速攻デッキでは3色以上の構成は現実的でなくなり、色を減らすかミッドレンジにシフトせざるをえなくなるだろう。二色の速攻デッキでも神殿サイクルを入れるべきかどうかは微妙なところで、不安定さに目をつぶって基本土地に頼るか、単色化するか、ミッドレンジにシフトする可能性は十分ある。
これにより、「マナベースはどうとでもなるから、とにかくパワーカード突っ込んだもん勝ち」という状態は薄れ、マナの安定かスピードかカード1枚の質か、というようなさまざまな段階での選択が意味を持つ構築環境になるだろう。かくあるべき。
一方、低速デッキにとって神殿はタップインであっても占術付きの意味は大きく採用する価値は十分。魔鍵、導き石、旅行者の護符などの色マナ調達用アーティファクトも活用しやすく、3色以上でもさほど無理なく回せるデッキが組めるだろう。
参考までに、各色の組み合わせの土地基盤を書き出してみる。
ショックランド1 イゼット、ゴルガリ、セレズニア、ラクドス、アゾリウス
ショックランド1神殿1 ボロス、グルール、オルゾフ、デイミーア、シミック
ショックランド3神殿1 ジャンク(WBG)、ジャンド、トリコロール、グリクシス、バント
ショックランド3神殿2 エスパー、ナヤ、URG、WBR、UBG
2色ではもともと低速志向なオルゾフ・デイミーアが有望か。
3色はエスパーが有望だが青の薄さがやや気にかかる。青の濃さではUBGがカウンターと高品質な単体除去をあわせ持っており、パーミッションはやりやすいかもしれない。軍勢の集結をフィニッシャーとする除去コンになることが予想されるWBRもそこそこいけるか?
2)低速化、カウンター優位へ
上記の流れは高速デッキには逆風で、環境は低速化するだろう。そうすると、青いじめ環境だったイニストラードブロックが落ちたこともあってカウンターが相対的に強力になる。カウンターし損なっても漸増爆弾と英雄の破滅でほぼカバーできる青黒はマナ基盤的にも有望。
…という認識に立った上で、テーロスに目を向ける。
まずはメカニズムについて。
授与:授与で唱えることを前提にするにはたいていの場合重すぎるため、授与クリーチャーが単体でどれぐらいの仕事ができるかに掛かっている。大部分は構築での使用に耐えないと思われるが、ごく一部が主に英雄的との組み合わせで有望であろう。
英雄的:白と緑は主に自己強化、他は呪文的に作用する効果。とはいえ、これ「だけ」を目的に自分のクリーチャーを対象にとるカードを入れる価値はほとんどない。これもまた、英雄的能力無しでどれぐらい仕事ができそうかというのが各クリーチャーの評価の基準となるだろう。
英雄的を誘発させる目的で入れるカードとしては戦士の教訓がベストか。対象を2体取れるので二人分誘発させることができ、両方を潰して立ち消えさせることも難しく、片方の攻撃でも通ればカードカウントはイーブン、マナの消費も1マナぽっきり。威名の英雄や運命の工作員との相性も良好。…二色になることがすでに問題であるとも言えるが。他は暗号呪文が候補になるか。現実的な選択肢としては見えざる糸と身分詐称。前者は効果は地味だが軽くて使いやすい。後者は強力だがとにかく重く、英雄的能力持ちより他のものを対象にしたいケースが多そう。
怪物化:怪物化に対応して除去されるととにかくテンポ損が著しいため、相手がタップアウトしているのでなければ、よっぽどやることがないときにしか起動すべきでないだろう。つまり、あまりアテにはできないということで、これまた怪物化能力無しで評価することになる。
占術と神、信心については見たままなので特記なし。
で、各カードの評価を。
★太陽の勇者エルズペス
重いけど強い、強いけど重い枠。ある意味、ニンの杖や原始の報奨などに近い。低速化が予想されるのでそこそこ有望。
★太陽の神、ヘリオッド
一度着地させれば、インスタントタイミングでトークンを出せるのでパーミッション向き。当然コントロール向きでもある。伝説のパーマネントなのでたくさん入れたくはないが、勝ち手段の一つとしてならあり。軍勢の集結をフィニッシャーとするデッキとかなら1枚差すといいかも。
★海の神、タッサ
最低限の働きである自動占術装置としてでも、コントロールデッキに1枚差す価値はある。アンブロッカブル付与もフィニッシャーに大型クリーチャーを使うなら役立つだろう。クリーチャーとして機能させるのは期待薄。
★死者の神、エレボス
対抗策的な能力はいやらしいがつまらない。夜の囁きを何度でも使えるようなドロー能力は無駄にはならないが、地下世界の人脈のほうが使い勝手はよい。色の特性上クリーチャー化させやすいのは利点。
★鍛冶の神、パーフォロス
トークンを生成するカードとの相性はかなりのもの。ボロスの反攻者などと併用すればクリーチャー化も視野に入れやすい。ただ、伝説のパーマネントの常としてデッキに何枚入れるべきかにはいつも悩まされる。
★狩猟の神、ナイレア
付与能力も起動型能力もきわめて地味で、1枚であっても差すべき積極的な理由が見当たらない。
★嵐の息吹のドラゴン
雷口のヘルカイトに比べれば悲しい限り。少なくともこれがトップレアってことはないと思う。
★世界を喰らう者、ポルクラノス
死橋の大巨虫より少し強い。怪物化ははまれば強いが例によってテンポ損に注意。
★老いざるメドマイ
この色ならフィニッシャーに霊異種を使うだろ?
★灰燼の乗り手
1マナ増えて誘発能力が破壊から追放になり、死亡時にも誘発するようになった絶望の天使。コストを踏み倒す手段があれば本家よりも強力だが、現時点では相方に恵まれない様子。
★波使い
ポテンシャルはかなりのものがあると思うが、青の信心を稼ぐデッキというのが特異すぎて、完全にこれ4枚頼りのデッキになりそうなのが困りもの。さすがにそのためだけに4枚揃える気にはならんよ。
★悪夢の織り手、アショク
いい感じに微妙なプレインズウォーカー。500円ぐらいになったら使ってみてもいいかな。たぶんそう遠い日ではないだろう。
★死の国のケルベロス
単体での戦闘力は5マナマルチとして十分なものだが、死亡誘発能力の扱いが悩ましい。
こちらがアグロで相手が除去コンなら一方的に得をできるかもしれない。両者アグロなら結果は読みづらいが、クリーチャーを3体揃えてブロックされて死ぬとその戦闘で倒したクリーチャーも蘇ってしまうのが悩みどころ。自分がコントロールで運用するにはハイリスク。
神々の憤怒でザコを追放してしまえばブロックもされづらく、蘇ってくることもないので好相性。
★歓楽者ゼナゴス
とりあえず忠誠度消費なしでトークンを出せる時点で十分実用的だが、緑赤のマルチカラーと言う時点で相当入れるデッキを選んでしまうというこの事実。
★天界の執政官
単体性能は可も無く不可もなし。ただ、2マナ多く払えればなんでもフィニッシャーに化けさせることができ、そいつ自身の能力も上乗せできるというのは悪くない。希望の幻霊や悪意の幻霊とはどっちがどっちについてもなかなかの仕事ができる。威名の英雄ならさらに良し。
20円なら買っても損はあるまい。
★威名の英雄
ミラディンの十字軍や銀刃の聖騎士には劣るものの、3マナで4点ぶんの打撃力を持ち、強化系能力との相性の良さも考え合わせれば決して悪いクリーチャーではない。英雄的能力を無視してもデッキに入りうるカードで、130円なら買って損はない。
★ヘリオッドの槍
白の絡むいろんなデッキで1枚差しを検討できる良カード。
★運命の工作員
3マナパワー3で接死持ちというのは悪くないが、さすがに英雄的能力抜きでデッキに入るほどでもない。英雄的能力は強力なのでこれをどう活用するかが鍵になる。オルゾヴァの贈り物…?微妙だな。やっぱり戦士の教訓か。
★エレボスの鞭
黒くてそれなりにクリーチャーを使うデッキなら一枚差ししない理由はあまり見当たらないカード。群れネズミがいれば手札でかぶっても捨てられるので複数枚デッキに入れても扱いやすい。
★英雄の破滅
コントロール、特にパーミッションには待望の一枚。インスタントタイミングでプレインズウォーカーを破壊できるのは大きいし、対象の広さによって腐りにくいのもよい。ただし、殺害を使った人にはわかるだろうが、3マナは単体除去としては重く、メインから4枚積みたいカードでもない。メインに2~3枚、残りはサイドだろう。
★神々の憤怒
ビッグレッドの勃興を予感させる強力な全体除去。タフネスが4以上かどうかがクリーチャー選択の1つの基準となり、さらにそのうえにタフネスが5以上かどうかというふるいをミジウムの迫撃砲がかけることになるだろう。
★燃えさし呑み
4マナ5/5の死橋の大巨虫は空気だったが、4マナ4/5のこいつはどうか。
単色化を後押しする環境要因と、色の違いによってこいつは見込みがある。特に、自分で撃った神々の憤怒で死なないのは大きい。30円なら買っても損はあるまい。
★火呑みのサテュロス
ジャッカルの仔の上位互換だが、昔よりはるかにクリーチャー同士のぶつかり合いが多くなった現代において、バックラッシュのペナルティは相当リスキーに思われる。
★加護のサテュロス
授与コストが5マナと手ごろで、瞬速により奇襲的に使える授与クリーチャー。青緑または青緑黒でカウンターのために残したマナで運用するには手ごろかもしれない。
★羊毛鬣のライオン
怪物化の常として、対応して除去されたときのリスクは大きいものの、呪禁と破壊不能という過剰なまでの除去耐性を得られるリターンは大きい。その後壁で止められたりするとバカバカしいのでひるまぬ勇気などを併用したい。
★荒野の収穫者
これまた4マナ4/5で、緑が絡むぶんサイズ的には旨みが乏しいが、マナさえあれば呪禁を得られるので強化の土台にしやすいというメリットがある。そのほかにも、黒1マナで接死が得られたり、他のクリーチャーが死ぬたびに誘発する占術1も無駄にはならない。接死はトランプル、先制、二段攻撃と相性がいいのでやはり強化の土台向けであるといえる。
除去耐性があり占術1が誘発するのはコントロール向きでもある。なかなかの良クリーチャーと言ってよいのではないだろうか。80円なら買って損はない。
…他はまあどうでもいいかな。それより、環境の変化でラヴニカの回帰ブロックとM14のカード評価がどう変わるかのほうが重要だが、それは次の機会に。
今週末はもうテーロスのプレリ。
イニストラードブロックの思い入れカード達をピックアップ。
★血統の切断
ほんとによく使ったナイス除去。使い方を工夫することと、マナが伸びることの2通りの手段でアドバンテージが取れるようになるというのがゲーム的にとてもいい。4マナは速攻に対しては重いので強すぎるわけでもなく、カードパワー的にも素晴らしいバランスの逸品。
★死の支配の呪い
魂の裏切りの夜が1マナ増えたら相手だけに影響するようになったカード。何度も復活するカードや横に並べるデッキが多かったのでたいへん役立ちました。
★瞬唱の魔道士
彼はレガシーやモダンで今後も何度も会うことでしょう。だからさよならは言わないよ。
★邪悪な双子
これをミミックの大桶に刻印して、相手のターンエンドにコピートークンを出して速攻を生かしてオリジナルを殺し、自分のターンに殴るっていう動きは最高だった。
★荘園のガーゴイル
ミラディンの十字軍やスラーグ牙をはじめ、どんな苛烈な攻撃でもがっちり防いでくれたナイスガイ。盤面が落ち着いたら飛行で殴りにいけるのも頼もしかった。
★ケッシグの狼の地
イニストラードブロックはコントロールデッキに、特にカウンターデッキにきびしいブロックだった。その原因の一つである土地。もう一つはもちろん魂の洞窟。ネファリアの溺墓はプラスでもマイナスでもあるので選外。
★不可視の忍び寄り
このあまりにもゲームとしてコミュニケーション不全な能力に、遥か昔4th時代の黒騎士白騎士のすれちがいの殴り合いを思い出した。オーラや暗号をまともに使わせたければしかたがないともいえるが、バントオーラはカジュアルで使うにはまったく向かないデッキ。
★掘葬の儀式
このカードのポテンシャルがリアニデッキをひさびさにスタンダードの一線級に押し上げ、そのダイナミズムが多くのMTG初級者を魅了したことは疑いない。私?存分に楽しみましたとも!
★墓所這い
近年まれにみるお手軽再利用生物。何度も何度も血の座の吸血鬼に食わせまくりました。彼には同情を禁じえない。
★未練ある魂
この恐るべきパワーカードをアンコモンで出したことがR&Dの良心か。
★巧みな回避
ウィーゼロックスと非常に相性がいいカード。モダンでお安く組むにはなかなかいいデッキだけど、似た立ち位置に感染デッキがいるのが難。
★悪魔の顕現
黒がらみのコントロールでフィニッシャーの一種として散らすにはかなりいいカード。盤面一掃して魔鍵起動してトークン出す動きが勝ちパターン。
★妖術師の衣装部屋
ストリオン共鳴体みたいなややこしい物がなくても、これがあれば戦場に出たときの能力を存分に使いまわして遊ぶのには十分。というかこっちのほうが基本セット向きじゃね?
★血の芸術家
黒絡みで横に並べる系の切り札。ありそうでなかった、でもすごく黒らしい生物。生物っていうよりほとんど置物ですが。4マナ2/2飛行にこの能力がくっついてるほうは構築では見向きもされていなかったのが面白い。
★本質の収穫
ライフレースに関する相手の計算を大きく狂わせるナイスカード。冒涜の悪魔がトークン生け贄で足止めされたあとに撃ったりするといい感じ。
★火柱
歴代の1マナ2点火力のなかでも相当優秀な部類。死亡誘発で損失補填するタイプのクリーチャーが多かったからこそだが、パワーカードの歯止めがかからぬ現状、そういう「出し得」クリーチャーは今後も増え続けるだろう。
イニストラードブロックの思い入れカード達をピックアップ。
★血統の切断
ほんとによく使ったナイス除去。使い方を工夫することと、マナが伸びることの2通りの手段でアドバンテージが取れるようになるというのがゲーム的にとてもいい。4マナは速攻に対しては重いので強すぎるわけでもなく、カードパワー的にも素晴らしいバランスの逸品。
★死の支配の呪い
魂の裏切りの夜が1マナ増えたら相手だけに影響するようになったカード。何度も復活するカードや横に並べるデッキが多かったのでたいへん役立ちました。
★瞬唱の魔道士
彼はレガシーやモダンで今後も何度も会うことでしょう。だからさよならは言わないよ。
★邪悪な双子
これをミミックの大桶に刻印して、相手のターンエンドにコピートークンを出して速攻を生かしてオリジナルを殺し、自分のターンに殴るっていう動きは最高だった。
★荘園のガーゴイル
ミラディンの十字軍やスラーグ牙をはじめ、どんな苛烈な攻撃でもがっちり防いでくれたナイスガイ。盤面が落ち着いたら飛行で殴りにいけるのも頼もしかった。
★ケッシグの狼の地
イニストラードブロックはコントロールデッキに、特にカウンターデッキにきびしいブロックだった。その原因の一つである土地。もう一つはもちろん魂の洞窟。ネファリアの溺墓はプラスでもマイナスでもあるので選外。
★不可視の忍び寄り
このあまりにもゲームとしてコミュニケーション不全な能力に、遥か昔4th時代の黒騎士白騎士のすれちがいの殴り合いを思い出した。オーラや暗号をまともに使わせたければしかたがないともいえるが、バントオーラはカジュアルで使うにはまったく向かないデッキ。
★掘葬の儀式
このカードのポテンシャルがリアニデッキをひさびさにスタンダードの一線級に押し上げ、そのダイナミズムが多くのMTG初級者を魅了したことは疑いない。私?存分に楽しみましたとも!
★墓所這い
近年まれにみるお手軽再利用生物。何度も何度も血の座の吸血鬼に食わせまくりました。彼には同情を禁じえない。
★未練ある魂
この恐るべきパワーカードをアンコモンで出したことがR&Dの良心か。
★巧みな回避
ウィーゼロックスと非常に相性がいいカード。モダンでお安く組むにはなかなかいいデッキだけど、似た立ち位置に感染デッキがいるのが難。
★悪魔の顕現
黒がらみのコントロールでフィニッシャーの一種として散らすにはかなりいいカード。盤面一掃して魔鍵起動してトークン出す動きが勝ちパターン。
★妖術師の衣装部屋
ストリオン共鳴体みたいなややこしい物がなくても、これがあれば戦場に出たときの能力を存分に使いまわして遊ぶのには十分。というかこっちのほうが基本セット向きじゃね?
★血の芸術家
黒絡みで横に並べる系の切り札。ありそうでなかった、でもすごく黒らしい生物。生物っていうよりほとんど置物ですが。4マナ2/2飛行にこの能力がくっついてるほうは構築では見向きもされていなかったのが面白い。
★本質の収穫
ライフレースに関する相手の計算を大きく狂わせるナイスカード。冒涜の悪魔がトークン生け贄で足止めされたあとに撃ったりするといい感じ。
★火柱
歴代の1マナ2点火力のなかでも相当優秀な部類。死亡誘発で損失補填するタイプのクリーチャーが多かったからこそだが、パワーカードの歯止めがかからぬ現状、そういう「出し得」クリーチャーは今後も増え続けるだろう。
小説「WORLD WAR Z」の評点が辛くなった原因の一つであろう小説です。
本作は、破局を迎えつつある地球から太陽系外への宇宙植民が開始されるという実にありふれた導入で始まる。何年かかるかわからない植民可能な惑星の発見と環境改造を、有人ではなくロボットが行い、同時にコンピュータの記録から再現した遺伝情報をもとに新生児を生み出して育て、人間が住めるようになったその星で新たな社会を築く民とする、というのもとりたてて斬新な発想には見えない。
しかし、植民可能な惑星ケイロン発見の報を受け、後続の植民船に乗り込んでかの星に到着した植民団が見たものは、地球では考えられない形態で成立・発展した社会だった。
主に植民団側の登場人物を追う形で展開されるストーリーは、ケイロン社会の奇妙さに対する当惑を無理なく読者に伝え、やがて実はケイロンにあってはそれが奇妙でもなんでもなく実に合理的で、理想的ですらあることが明らかになっていく。
ケイロン社会は成立時点から高度な科学力により事実上無尽蔵なエネルギーと資源を利用可能であり、またロボットの存在によって単純な労働力も必要としない。つまりここでは富が意味を持たず、富を求めて力を振るう必要がなく、富と力を統べんとする権力も存在しない。
そのような前提に基づく社会が、作中で生き生きと描写されているのだ。
これだけでも、本作を読む価値は十分にあると言ってよいだろう。
FKが読んだのはハヤカワSF文庫の新装版で、巻末で山本弘が解説を加えているのだが、これがまた秀逸である。脳味噌をちゃんと使おうとしない人間の愚かさを憎み、その蒙を開かせようという思いに満ちた作品をずっと書いている山本弘にとって、現実社会でその愚かさを蔓延させる原因になっている全てのものから隔絶されて成立した社会を活写した本作は、自分とは異なるアプローチで敵勢力に見事な一撃を加えてみせた頼もしい同志のように映ったのではないだろうか?
しかしその一方で、本作は自分にある種絶望感に近い諦念を感じさせもした。
それは、過去とのしがらみを引きずりながら進んでいる以上、地球上で人間社会がこのような理想社会に到達するのはいつのことになるか、見当もつかないぐらい未来のことだろう、ということだ。
まず前提として、事実上無尽蔵のエネルギーと資源が利用可能になり、そして単純労働力が不要な状態にならねばならない。これは、科学技術が人間社会の利便性向上のためにあるとすれば、科学が達成すべき最終目標の一つだろう。
そこに至るまでの中間点というか、過渡的な技術は現時点でもいろいろと視野に入ってはいる。宇宙太陽光発電、ロボット、ナノマシン等々。それらが実用化されていく過程で、それによって既得権を侵される者たちが抵抗勢力となって足を引っ張るだろう。テロや戦争も起こるかもしれない。三歩進んで二歩戻る、という感じで結局遅々とした歩みでしか進めまい。
それこそ、なんらかの大破局からの復興、というような状況でも挟まらないことには。これこそがまさに、「再生のための破壊」が必要とされる所以か…。
そして、下の世代に偏見を植え込む恣意的な教育も絶えることは無く、人間の愚かさは連綿と受け継がれていくだろう。
とうにわかっていたことではあるが、あらためて認識するとやはり心が冷えるものがある。
本作は、破局を迎えつつある地球から太陽系外への宇宙植民が開始されるという実にありふれた導入で始まる。何年かかるかわからない植民可能な惑星の発見と環境改造を、有人ではなくロボットが行い、同時にコンピュータの記録から再現した遺伝情報をもとに新生児を生み出して育て、人間が住めるようになったその星で新たな社会を築く民とする、というのもとりたてて斬新な発想には見えない。
しかし、植民可能な惑星ケイロン発見の報を受け、後続の植民船に乗り込んでかの星に到着した植民団が見たものは、地球では考えられない形態で成立・発展した社会だった。
主に植民団側の登場人物を追う形で展開されるストーリーは、ケイロン社会の奇妙さに対する当惑を無理なく読者に伝え、やがて実はケイロンにあってはそれが奇妙でもなんでもなく実に合理的で、理想的ですらあることが明らかになっていく。
ケイロン社会は成立時点から高度な科学力により事実上無尽蔵なエネルギーと資源を利用可能であり、またロボットの存在によって単純な労働力も必要としない。つまりここでは富が意味を持たず、富を求めて力を振るう必要がなく、富と力を統べんとする権力も存在しない。
そのような前提に基づく社会が、作中で生き生きと描写されているのだ。
これだけでも、本作を読む価値は十分にあると言ってよいだろう。
FKが読んだのはハヤカワSF文庫の新装版で、巻末で山本弘が解説を加えているのだが、これがまた秀逸である。脳味噌をちゃんと使おうとしない人間の愚かさを憎み、その蒙を開かせようという思いに満ちた作品をずっと書いている山本弘にとって、現実社会でその愚かさを蔓延させる原因になっている全てのものから隔絶されて成立した社会を活写した本作は、自分とは異なるアプローチで敵勢力に見事な一撃を加えてみせた頼もしい同志のように映ったのではないだろうか?
しかしその一方で、本作は自分にある種絶望感に近い諦念を感じさせもした。
それは、過去とのしがらみを引きずりながら進んでいる以上、地球上で人間社会がこのような理想社会に到達するのはいつのことになるか、見当もつかないぐらい未来のことだろう、ということだ。
まず前提として、事実上無尽蔵のエネルギーと資源が利用可能になり、そして単純労働力が不要な状態にならねばならない。これは、科学技術が人間社会の利便性向上のためにあるとすれば、科学が達成すべき最終目標の一つだろう。
そこに至るまでの中間点というか、過渡的な技術は現時点でもいろいろと視野に入ってはいる。宇宙太陽光発電、ロボット、ナノマシン等々。それらが実用化されていく過程で、それによって既得権を侵される者たちが抵抗勢力となって足を引っ張るだろう。テロや戦争も起こるかもしれない。三歩進んで二歩戻る、という感じで結局遅々とした歩みでしか進めまい。
それこそ、なんらかの大破局からの復興、というような状況でも挟まらないことには。これこそがまさに、「再生のための破壊」が必要とされる所以か…。
そして、下の世代に偏見を植え込む恣意的な教育も絶えることは無く、人間の愚かさは連綿と受け継がれていくだろう。
とうにわかっていたことではあるが、あらためて認識するとやはり心が冷えるものがある。
一刻も早く無くして欲しいシステムだね。
いや、繰上げ返済でローン払い終わったから抵当権を抜くってんで銀行から書類が来たんだけど、司法書士の手数料を口座から払っていいよという許可を与える書類に銀行印の捺印を求められてね。
ネガティブポイント1)
ふだん口座を扱う際に銀行印なんて使ってないし、今では通帳にも銀行印の印影が無いので、どれがどの銀行の銀行印だったかなんて、はっきり言って憶えてない。
これって確認しようと思ったら口座を開いた銀行のまさにその支店に行くしかないのか?
ネガティブポイント2)
印鑑に付属の朱肉って何年かたつとたいていベチャベチャのグズグズになっていて、無理に使おうとすると印鑑の微小な隙間にこびりついて印影を不明瞭極まりないものにしてしまう。
かといって、銀行業務で使っているような大型で利便性に優れた朱肉を家に用意するほど使用機会があるわけでもなく。
たぶん朱肉自体に使用期限があるんだろう。大型のを買ったら買ったで結局ろくに使わないまま腐ることになりそうな気が。
まあ要は、オンライン化も進んでいろんなところで利便性向上が果たされたこのご時勢に、古臭くて面倒なシステムが残ってるよなぁってハナシです。
いや、繰上げ返済でローン払い終わったから抵当権を抜くってんで銀行から書類が来たんだけど、司法書士の手数料を口座から払っていいよという許可を与える書類に銀行印の捺印を求められてね。
ネガティブポイント1)
ふだん口座を扱う際に銀行印なんて使ってないし、今では通帳にも銀行印の印影が無いので、どれがどの銀行の銀行印だったかなんて、はっきり言って憶えてない。
これって確認しようと思ったら口座を開いた銀行のまさにその支店に行くしかないのか?
ネガティブポイント2)
印鑑に付属の朱肉って何年かたつとたいていベチャベチャのグズグズになっていて、無理に使おうとすると印鑑の微小な隙間にこびりついて印影を不明瞭極まりないものにしてしまう。
かといって、銀行業務で使っているような大型で利便性に優れた朱肉を家に用意するほど使用機会があるわけでもなく。
たぶん朱肉自体に使用期限があるんだろう。大型のを買ったら買ったで結局ろくに使わないまま腐ることになりそうな気が。
まあ要は、オンライン化も進んでいろんなところで利便性向上が果たされたこのご時勢に、古臭くて面倒なシステムが残ってるよなぁってハナシです。
映画はどうか知らないが、小説はいわゆるモキュメンタリーである。
未曾有のゾンビ災害を、その終息宣言を期に回顧録にまとめたという体裁をとっている。
読み終わった率直な感想は、「…で?」だった。
モキュメンタリーと言う形式のゆえもあってこの小説にはテーマと言うものが存在しないし、感情移入の対象もないし、練られたストーリーというようなものもありはしない。
背景や人物の設定を行い、そこに何らかの事件を起こせば、あとは設定に沿ってシミュレーションを進めれば事態が推移して事件はなんらかの形で収束する。だが、それを描写しただけでストーリーとして面白いものになるかといえば、そんな保証はない。
もちろん作中で取り上げる各エピソードは作為的に配置されているわけだが、それは「この国ならこういう事件が派生的に起こるだろう」「この国の人々ならこういう反応を見せるだろう」「この国の首脳部はこう振舞うだろう」というステロタイプと、(深海のYrrのときにも感じられた)商業的理由によるバイアスから生み出されるものの予想範囲内に収まっており、とくだん鮮烈な反応を胸中に呼び起こすようなものではなかった。
「災害の第一発生地は中国(ざまぁ)」
「反攻作戦を唱道したのはやっぱりアメリカ(アメリカ最高)」
ロシアやインドでろくでもない事件が起こり、平和ボケした日本人が大量自殺し、要塞じみた邸宅に立て篭もったセレブ達がゾンビではなく民衆に襲撃され…と、ルサンチマンやらナショナリズムやら黄禍論やらいろんな点であっちの一般読者を気分良くさせようとしているその手練手管には感心する。
未曾有のゾンビ災害、という荒唐無稽さはFKは特に非難の対象としない。それは「バトルロワイヤル」の殺し合いゲームと同じで、人々を生き死にのかかった極限状態に追い込むための舞台装置にすぎないと理解している。
が、ゾンビ災害はほんとうに現象としての災害に過ぎず、解析されてしまえばあとは単に対処法どおりに処理すればいいだけのものに成り下がる。かといって解析の過程がドラマになっているわけでもない。
この作品を要素単位で分析すると、「背景設定、登場人物は平凡そのもの。現実世界とほとんど変わらない近未来だから」「ゾンビ災害は科学的には荒唐無稽だが、災害としてはシンプルな挙動を示すもの。解析にも特にドラマなし」「事態の推移は妥当。しかしそれゆえに意外性も乏しい」という感じ。海外のSFでよく見かける「センスオブワンダーに溢れるぶっとんだ設定で話を動かし始め、あとは事態が収束するまでを精密にシミュレートして描写すれば示唆に富んだ話ができた」っていうのと作りは似ているが、設定が平凡なので読後になにも心に残らない話に仕上がった、というところだろう。
ま、正直読まなくていい本だと思います。
…このあと続けて読み始めたJ・P・ホーガンの「断絶への航海」が示唆に富んだSFなので、特に差が際立ってしまった感はある。
未曾有のゾンビ災害を、その終息宣言を期に回顧録にまとめたという体裁をとっている。
読み終わった率直な感想は、「…で?」だった。
モキュメンタリーと言う形式のゆえもあってこの小説にはテーマと言うものが存在しないし、感情移入の対象もないし、練られたストーリーというようなものもありはしない。
背景や人物の設定を行い、そこに何らかの事件を起こせば、あとは設定に沿ってシミュレーションを進めれば事態が推移して事件はなんらかの形で収束する。だが、それを描写しただけでストーリーとして面白いものになるかといえば、そんな保証はない。
もちろん作中で取り上げる各エピソードは作為的に配置されているわけだが、それは「この国ならこういう事件が派生的に起こるだろう」「この国の人々ならこういう反応を見せるだろう」「この国の首脳部はこう振舞うだろう」というステロタイプと、(深海のYrrのときにも感じられた)商業的理由によるバイアスから生み出されるものの予想範囲内に収まっており、とくだん鮮烈な反応を胸中に呼び起こすようなものではなかった。
「災害の第一発生地は中国(ざまぁ)」
「反攻作戦を唱道したのはやっぱりアメリカ(アメリカ最高)」
ロシアやインドでろくでもない事件が起こり、平和ボケした日本人が大量自殺し、要塞じみた邸宅に立て篭もったセレブ達がゾンビではなく民衆に襲撃され…と、ルサンチマンやらナショナリズムやら黄禍論やらいろんな点であっちの一般読者を気分良くさせようとしているその手練手管には感心する。
未曾有のゾンビ災害、という荒唐無稽さはFKは特に非難の対象としない。それは「バトルロワイヤル」の殺し合いゲームと同じで、人々を生き死にのかかった極限状態に追い込むための舞台装置にすぎないと理解している。
が、ゾンビ災害はほんとうに現象としての災害に過ぎず、解析されてしまえばあとは単に対処法どおりに処理すればいいだけのものに成り下がる。かといって解析の過程がドラマになっているわけでもない。
この作品を要素単位で分析すると、「背景設定、登場人物は平凡そのもの。現実世界とほとんど変わらない近未来だから」「ゾンビ災害は科学的には荒唐無稽だが、災害としてはシンプルな挙動を示すもの。解析にも特にドラマなし」「事態の推移は妥当。しかしそれゆえに意外性も乏しい」という感じ。海外のSFでよく見かける「センスオブワンダーに溢れるぶっとんだ設定で話を動かし始め、あとは事態が収束するまでを精密にシミュレートして描写すれば示唆に富んだ話ができた」っていうのと作りは似ているが、設定が平凡なので読後になにも心に残らない話に仕上がった、というところだろう。
ま、正直読まなくていい本だと思います。
…このあと続けて読み始めたJ・P・ホーガンの「断絶への航海」が示唆に富んだSFなので、特に差が際立ってしまった感はある。
今回はタワーの組み方、カードの選定について。
組み方にルールは特にないのだが、特定色に偏らせるような特殊な組み方はタワーマジックの理解がもっと深まってからにしようと思い、とりあえず各色を均等に入れる方式を採用した。
★日常的にMtGで遊んでいないプレイヤーのことを考慮して全て日本語版、カードを雑に扱われても問題ないように大量に枚数のあるコモンやアンコモン、構築では出番がまったくなさそうなカードからチョイス。
★その1枚に対処できなければ速やかにゲームが終わるようなカードは入れない。具体的には、回避能力持ちはパワー3がほぼ上限。パワー3なら7回殴られる前に対処法を用意すればいいが、パワー4だと5回しか猶予がない。
★単色カードは基本的にシングルシンボル。ダブルシンボルはかなり強力なものだけをアクセントとして入れる。その一方、多色カードはプレイするのがそう難しくないので、カードパワーが低めのものをチョイスする。
たとえば、融合の精霊(WUBRGで8/8バニラ)はタワーマジックでは5色マナの揃えやすさが全然違うため、ただ強いだけのカードになってしまう。多色の起動コストを持つ能力についても同様。
その一方で、起動コストに色マナが必要で複数回起動できるものや、マナコストと同じ色マナを含むキッカー・マルチキッカーなどの呪文は土地の置き方にジレンマを生み出して面白いカードになる。シンボルシンボルでプレイできるが同じ色のマナを多く生み出せるようにしたほうが強力に使えるからだ。
★クリーチャー7割その他3割程度の比率で入れる。クリーチャー以外のカードは除去が約半数。クリーチャーにも除去を兼ねさせる。特にアーティファクトやエンチャントを割るカードはクリーチャーに兼ねさせるのがいい。エルフの抒情詩人とか。
★サーチカード、ライブラリをシャッフルするカードは入れない。操作に手間がかかってゲームの停滞を招くから。
★ライブラリ操作、土地渡り、基本土地タイプを参照する効果などは問題なく扱えるルールにしているが、説明がめんどうなのでそもそもそれらのカードは現状入れていない。
★土地を手札に戻せるカードはタワーマジックでは特別な意味を持つ。一旦土地として置いたカードを本来の特性を持つ状態に戻せるからだ。したがって、限定的なサーチカードとして扱える。アップキープに土地を1個戻さねばならないというアップキープコストはタワーマジックではデメリットではなく、むしろ強力なメリットとなる。で、本来はデメリットとして設定されたアップキープコストなのでそのぶん上乗せされた性能とあいまって、だいたい入れちゃダメなカードと化す。生きている津波とか、あらゆる意味でダメ。蒸気の捕獲でも強すぎた。すごくヘボい能力を持った空民(朧宮の微風呼びとか)あたりなら強すぎず弱すぎず、風変わりなサーチ能力を持ったクリーチャーとしていい仕事をするだろう。
もちろん、一回限りの効果ならなんら問題はない。上天の貿易風などは非常にいい動きをする呪文になる。
★本体X火力はNG。対処できない手段であっさり決着しないようにという方針に沿ったもの。同じような理由でいわゆるリミテッドでのエンドカード級の呪文(「このターン、クリーチャーではブロックできない」とか)も入れていない。
★不利な盤面をひっくり返せる全体除去はかまわないが大量ドローはNG。細かいアドバンテージの取り合いが大量ドローカードのトップデッキで台無しになる。
★装備品は慎重に。+1/+1修整程度でも十分強い。微妙なものを入れたほうが面白い。浸透のレンズとか刃のブーメランとか、リミテッドでも必ずしも採用されないレベルのものがオススメ。
まだまだほかにいろいろ細かいノウハウがあるが、ダイナミックなタワーにするならここに書いた半分以上は関係ないし、ルールが変わればまた違うだろう。
とにかく、タワーマジックには普通のMtGとは違った魅力があることが伝わり、そして実際にタワーを組んでみようとした場合の助けとなれば幸いである。
組み方にルールは特にないのだが、特定色に偏らせるような特殊な組み方はタワーマジックの理解がもっと深まってからにしようと思い、とりあえず各色を均等に入れる方式を採用した。
★日常的にMtGで遊んでいないプレイヤーのことを考慮して全て日本語版、カードを雑に扱われても問題ないように大量に枚数のあるコモンやアンコモン、構築では出番がまったくなさそうなカードからチョイス。
★その1枚に対処できなければ速やかにゲームが終わるようなカードは入れない。具体的には、回避能力持ちはパワー3がほぼ上限。パワー3なら7回殴られる前に対処法を用意すればいいが、パワー4だと5回しか猶予がない。
★単色カードは基本的にシングルシンボル。ダブルシンボルはかなり強力なものだけをアクセントとして入れる。その一方、多色カードはプレイするのがそう難しくないので、カードパワーが低めのものをチョイスする。
たとえば、融合の精霊(WUBRGで8/8バニラ)はタワーマジックでは5色マナの揃えやすさが全然違うため、ただ強いだけのカードになってしまう。多色の起動コストを持つ能力についても同様。
その一方で、起動コストに色マナが必要で複数回起動できるものや、マナコストと同じ色マナを含むキッカー・マルチキッカーなどの呪文は土地の置き方にジレンマを生み出して面白いカードになる。シンボルシンボルでプレイできるが同じ色のマナを多く生み出せるようにしたほうが強力に使えるからだ。
★クリーチャー7割その他3割程度の比率で入れる。クリーチャー以外のカードは除去が約半数。クリーチャーにも除去を兼ねさせる。特にアーティファクトやエンチャントを割るカードはクリーチャーに兼ねさせるのがいい。エルフの抒情詩人とか。
★サーチカード、ライブラリをシャッフルするカードは入れない。操作に手間がかかってゲームの停滞を招くから。
★ライブラリ操作、土地渡り、基本土地タイプを参照する効果などは問題なく扱えるルールにしているが、説明がめんどうなのでそもそもそれらのカードは現状入れていない。
★土地を手札に戻せるカードはタワーマジックでは特別な意味を持つ。一旦土地として置いたカードを本来の特性を持つ状態に戻せるからだ。したがって、限定的なサーチカードとして扱える。アップキープに土地を1個戻さねばならないというアップキープコストはタワーマジックではデメリットではなく、むしろ強力なメリットとなる。で、本来はデメリットとして設定されたアップキープコストなのでそのぶん上乗せされた性能とあいまって、だいたい入れちゃダメなカードと化す。生きている津波とか、あらゆる意味でダメ。蒸気の捕獲でも強すぎた。すごくヘボい能力を持った空民(朧宮の微風呼びとか)あたりなら強すぎず弱すぎず、風変わりなサーチ能力を持ったクリーチャーとしていい仕事をするだろう。
もちろん、一回限りの効果ならなんら問題はない。上天の貿易風などは非常にいい動きをする呪文になる。
★本体X火力はNG。対処できない手段であっさり決着しないようにという方針に沿ったもの。同じような理由でいわゆるリミテッドでのエンドカード級の呪文(「このターン、クリーチャーではブロックできない」とか)も入れていない。
★不利な盤面をひっくり返せる全体除去はかまわないが大量ドローはNG。細かいアドバンテージの取り合いが大量ドローカードのトップデッキで台無しになる。
★装備品は慎重に。+1/+1修整程度でも十分強い。微妙なものを入れたほうが面白い。浸透のレンズとか刃のブーメランとか、リミテッドでも必ずしも採用されないレベルのものがオススメ。
まだまだほかにいろいろ細かいノウハウがあるが、ダイナミックなタワーにするならここに書いた半分以上は関係ないし、ルールが変わればまた違うだろう。
とにかく、タワーマジックには普通のMtGとは違った魅力があることが伝わり、そして実際にタワーを組んでみようとした場合の助けとなれば幸いである。