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電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
言わずと知れた有名タイトル。BOOKOFFとかでも100円エリアでは見かけない人気作だ。

題材選択が、良く知られた物事を意外な視点から切る、っていうところですでにある程度の面白さは担保されているのだが、文章のテンポのよさがそれを後押しする。
物書きの腕の見せ所は、いかに美しく独創的な文言で描写を展開するか、などではなく、必要でない描写をいかに端折るか、にあるとFKは思っている。戯れにでも小説を書く真似事をしてみれば、書くべき内容/書きたい内容に対してどの程度の文章量を割くべきかの判断が重要であることはわりとすぐにわかる。どのシーンも同じ密度で描写していっては冗長でもったりした文章になってしまうのである。
重要性の低いシーンは必要最低限の情報だけを読者に与えてスピーディーに読み進めるようにすることで、重要性の高いシーンでの細やかな描写も生きてくる。
さすがに脚本家として活躍していただけのことはあると言うべきか。

隆慶一郎の特徴的な表現「秀忠はほとんど叫んだ」中の「ほとんど~」、「宗矩は驚愕したと言っていい」中の「~と言っていい」。言い切り断定ではなく、9割程度に抑えた感じにするこの表現は、同時にこの話全体を誰かしら語り部の口から語られているかのような親しみを感じさせるものにしている。こういう不思議に親しみを感じさせるような表現はほかにもいろいろあり、とかく事実を追って淡々としたものになりがちな歴史検証ものの本作に読み物的面白さを与えるのに一役買っている。

…評論家ぶった書き方はこのへんにして、面白いです。原哲夫の絵がついてなくても。
結末は史実的に大団円となるはずもなく、ほろ苦い寂しさが漂うものですが、基本的には全編活劇調で素直に楽しめます。
漫画の影武者徳川家康とSAKONを知っていればさらに楽しめること請け合い。特に荒唐無稽なSAKONが意外といろいろな点で原作を踏まえていたあたりは感心しました。
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プロフィール
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男性
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ゲーム会社勤務
趣味:
電源不要ゲーム
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