忍者ブログ
電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
現スタンダードはいろいろな対策カードがあらかじめ配されている環境であり、当然墓地対策も多種多様に用意されているが、どれも一長一短あり、これ1つを用意しておけば磐石、というようなものはないのが実情である。
主要アーキタイプのひとつにリアニメイトが存在する現状、あらためてそれらを分析してみよう。

★安らかなる眠り
戦場に出たとき全ての墓地を追放し、以後墓地に落ちるイベントを起こらなくしてしまうこのカードは確かに究極の墓地対策である。しかし、フラッシュバックや不死のような、本質的に強い能力を持ったパワーカードを自分も利用できなくなるというのはメインデッキの構築自体を歪めてしまいがちである。具体的には血統の切断、小悪魔の遊び、絡み根の霊、ゲラルフの伝書使、墓所這い、瞬唱の魔道士、怨恨、掘葬の儀式、死儀礼のシャーマン、ムーアランドの憑依地、ルーン唱えの長槍など。ナチュラルにこれらのカードを一切使わない構成になり、かつ墓地対策以外に何もしない安らかなる眠りに2マナとカード1枚を割けるデッキだけがこのカードを墓地対策として使うことができる…と言っていいだろう。

★墓堀りの檻
安らかなる眠りより1マナ軽く、色を選ばず、墓地対策としては限定的であるがゆえに前述のパワーカードのうち何枚かは自ら使える。フラッシュバックと不死とリアニメイトは封じるが、陰鬱や活用、怨恨、ムーアランドの憑依地、ルーン唱えの長槍、墓地のクリーチャー数参照などは封じない。絡み根の霊を入れない構成であれば、緑系にとってはいちばん使いやすいカードかもしれない。

★地の封印
墓堀りの檻よりさらに限定的。瞬唱の魔道士、掘葬の儀式、死儀礼のシャーマン、静穏の天使による墓地からの回収などを封じ、キャントリップなのでカードアドバンテージを失わない。現環境はカードアドバンテージを稼ぎづらいので、カードアドバンテージを失わずにすむ(相手が地の封印を割ればむしろ相手がカードアドバンテージを失う)というのは結構でかい。

★トーモッドの墓所
コストが0なのはいいが一回限り、奇襲性が薄い、カードアドバンテージを失うなど弱点も相応にある。引き増しで得たカードアドバンテージで損失を補えるような形にすると、コスト0という利点が活きる。

★死体焼却
前環境での虚無の呪文爆弾、とまではいかないが黒いデッキならメインに入れても腐りにくい墓地対策。1マナのインスタントなので奇襲性もあり、キャントリップ付きでカードアドバンテージを失うこともない。相手の墓地にカードが落ちにくい場合のために、自らの墓地にある程度カードが落ちやすいようにしておくとなおよい。
一般的に、似た効果を持ついくつかの対策カードを組み合わせて使うのは良いことだが、このカードと地の封印はアンチシナジーなので注意。

★墓場の浄化
死体焼却と違ってキャントリップではなくフラッシュバックを持っている。二回使えるのは結構便利だが、即座に表裏2回使うのでなければ一旦墓地に落ちたあとは奇襲性もなく、カードアドバンテージも失っている。
リアニメイトをいいタイミングで防いでテンポを取ったり、相手の怨恨が戦場から墓地に落ちるたびに追放したりするには向いている。

★ラクドスの魔除け
「アーティファクト破壊」「墓地追放」「トークン生成等の、大量にクリーチャーを並べるデッキへのカウンターブロー」の3つのモードを持つ魔除け。そのうちの墓地追放はトーモッドの墓所をインスタント化したようなもので、奇襲性が高くなっている。他の2つもサイドボードカードとしてはそこそこ有効なので、サイドボードのスロットを節約するためにこの魔除けが採用されることは結構ある。

★死儀礼のシャーマン
ライフレースで役立つ能力を持ちつつ、墓地対策も兼ねられる多機能なクリーチャー。黒と緑の両方が使えるなら検討に値する。ただ、ゾンビ等の早いビートダウンに対抗するために火柱の採用率が高い現状、あっさり除去されることも多いので、本格的な墓地対策カードである別のカードと組み合わせて運用するほうが無難。
PR

以前書いたバントカラーのデッキ構想は「緑白タッチ瞬唱で息切れ防止」というものだった。サンプルデッキは以下。
「緑白タッチ瞬唱」
<クリーチャー 16>
4 アヴァシンの巡礼者
4 瞬唱の魔道士
4 ロクソドンの強打者
4 死橋の大巨虫
<呪文 20>
4 怨恨
4 セレズニアの魔除け
4 議事会の招集
4 遥か見
3 忘却の輪
1 隔離する成長
<土地 24>
7 森
4 内陸の湾港
4 陽花弁の木立ち
4 寺院の庭
4 神聖な泉
1 ガヴォニーの居住区
<サイドボード 15>
省略

が、使っているうちにいろいろと不満が出てきた。
(1)マナフラッドに陥りがち
考えてみれば32枚ものカードをマナソースのために裂いているのだから当たり前の話。アヴァシンの巡礼者は怨恨がついたり死橋の大巨虫の活用先になったりするのでまったくの無駄ではないが、それにしても多い。
とりあえず土地はガヴォニーの居住区を削って23枚にしたが、それだけで解決するはずもない。
(2)議事会の招集が弱い
2ターン目に出るとまあ相応に強いのだが、マナ関係のカードを除いた28枚のカードのうち4枚を占めるほどカードパワーがあるかというと疑問。マナブースト手段が8枚あるデッキとしてはもっと4マナ以上のカードを多く取るべきと感じた。
(3)対応力に乏しい
セレズニアの魔除けに文句はないし、忘却の輪もまあいい。が、基本的に打点をあげて殴るだけのデッキなので、それらでうまく対処できなければあっさりと相手のペースにはまってしまうことがしばしばある。

瞬唱の魔道士そのものはやっぱり便利なのだが、それを使って息切れ防止というコンセプトにどうも無理があったようだ。瞬唱で補充できる戦力は議事会の招集の3/3トークンとセレズニアの魔除けの2/2警戒トークンだけなので、息切れが問題になる中盤以降でこの程度の戦力ではまったく物足りない。

そこで、次のように構成を改めた。
「バントアグロ」
<クリーチャー 19>
4 アヴァシンの巡礼者
2 不可視の忍び寄り
4 ロクソドンの強打者
3 極北のエイヴン
4 死橋の大巨虫
1 ロウクスの信仰癒し人
2 大軍のワーム
<呪文 17>
4 怨恨
4 遥か見
2 追跡者の本能
4 セレズニアの魔除け
2 忘却の輪
1 サイクロンの裂け目
<土地 23>
7 森
4 内陸の湾港
4 陽花弁の木立ち
4 寺院の庭
4 神聖な泉
<サイドボード 15>
3 消去
2 地の封印
4 ケンタウルスの癒し手
2 ロウクスの信仰癒し人
2 忘却の輪
2 真髄の針

息切れ防止は追跡者の本能で。青から回避能力持ちを採用し、怨恨がついたり大巨虫の活用を行ったときのリターンを高めた。極北のエイヴンは自らの能力で絆魂を持てるので、アグロデッキ同士の殴り合いでかなり優位に立てる。
ロウクスの信仰癒し人も、アグロデッキ同士のライフレースを有利にするためのもの。
前のデッキよりはかなりいろいろなサプライズがあるデッキになり、格段に面白さが増した。わりと満足している。

前回は
★死橋の大巨虫
★小悪魔の遊び
★血統の切断
★ドラグスコルの肉裂き
★荘園のガーゴイル
を取り上げた。
今回はさらに別のカードを見ていきたい。

★ケッシグの狼の地 130円
今までのエントリで言ってきたことの繰り返しになるが、この環境遥か見は非常に便利。しかし、遥か見を入れても土地の総数はおいそれと減らせない。結果マナフラッドに陥りがちなので、伸びたマナを有効活用する手段を用意する必要がある。ケッシグの狼の地は土地の総数を確保しつつ伸びたマナの有効活用手段にもなるという素晴らしいカード。今でも十分有用だが、ギルド門侵犯が出て緑赤のショックランドが使えるようになればさらに価値を増すだろう。

★霧虚ろのグリフィン&ムーアランドの憑依地 50円&50円
セットで。この組み合わせは、火翼のフェニックスなんかより遥かに効率が良いうえに対策が困難なブロッカー兼フィニッシャーを作り出す。現実問題として真髄の針や金輪際ぐらいだろう。そして、白ならそれらを割ってしまえばいいだけの話である。
また、清浄の名誉のように低コストで自軍を全体強化する手段として今の環境に存在するのは、意外なことに青の順風なのである。スピリットトークンを順風とドラグスコルの隊長で強化する青白のフライングウィニーにこのセットを入れて息切れ防止策とするのもありかもしれない。ビートダウンからコントロールまで幅広く活用しうる組み合わせだ。

★ニンの杖 50円
ある意味、風見の本殿と激憤の本殿がワンセットになったようなカード。しかるべきデッキなら風見の本殿は十分強かったように、このカードも十分強い。ミラディンの傷跡ブロックが落ちてアーティファクト対策が手薄になった恩恵を最大限受けたカードと言っても過言ではない。

★空召喚士ターランド 280円
除去されやすいが、生きていれば馬鹿げたアドバンテージを生み出せる。これとデルバーとどぶ潜みを絡めて非パーマネント呪文比率を高めたデッキは、イゼット純正で組む価値のある唯一のデッキタイプかもしれない。

あと小ネタをいくつか。
▲緑絡みのデッキが多いので、ゾンバーワルドのドライアドが強そう。怨恨をつけて殴ろう。
▲吸血鬼の夜鷲+ザスリッドの指輪はけっこう対処に困る。
▲ラクドスの復活は値上がり中、スフィンクスの啓示は値下がり中。前者のカードパワーはガチ。後者は色拘束の強さと、かなりコントロール寄りのデッキでないと入れられないところがネック。
▲彩色の灯籠などで5色を出せるようにして、ヘイヴングルの死者で相手の墓地からパクりまくるのは面白いかも。180円ぐらいまで値下がりしてることだし。

夜に自転車で走っていたら若い警官に止められた。定番の防犯登録チェックである。
防犯登録を確認され、住所氏名を聞かれたので、その自転車の防犯登録の控えを提示した。
その警官は、防犯登録の控えに書かれた住所氏名で防犯登録の照会を行った…。

防犯登録は、登録されたナンバーと自転車の特徴、登録者の住所氏名などを照らし合わせて、乗っている人間が本人かどうかを確認する仕組みである。

したがって、防犯登録の控えの住所氏名で照会すれば一致するに決まっているので、照会作業の意味がない。自転車泥棒がその自転車の防犯登録の控えを持っているはずがないし、もし自転車泥棒が盗んだ自転車の防犯登録を更新してしまっていれば、やはり照会の意味はない。
そこに気づかなかったのか、気づいていても防犯登録チェックのマニュアルに黙々と従ったのか。
前者なら、そんな頭の回転の鈍さで警官が務まるのか?と不安になるし、後者ならマニュアルのために無辜の市民の時間を余計に拘束する神経が問題だ。

まあ、あれは経験の浅い警官に職質慣れさせるための訓練のようなものだろうから、黙って付き合ってやった。
相手がもっと年嵩であれば一言物申したところだが。

まともにデッキ組んで一週間、早くも遥か見の比類なき便利さを存分に味わった気分でいる。
遥か見でショックランドを持ってくれば3色デッキは余裕で回せる。
ただ、遥か見を入れても土地の総数はおいそれと削れないので、マナ関連のカードを多めに引いてしまったときの使い道を考えておくことが結構重要だと感じた。
たとえば、息切れ防止策として瞬唱の魔道士をタッチした緑白では、議事会の召集・セレズニアの魔除けのフラッシュバックと死橋の大巨虫の活用がマナが潤沢なケースでの使い道となるが、これでは十分とはいえなかった。

そこでジャンドカラーである。緑赤なら、ケッシグの狼の地という「おいそれとは削れない土地の総数」を保ちつつ潤沢なマナの使い道となるカードが使える。
だったらナヤでもいいんじゃねーの?というツッコミには、緑黒と赤黒のショックランドが存在するジャンドのほうが色マナを安定させやすい、と返しておこう。

各カードの検討に移る。

★遥か見
これは4枚確定枠。黒赤のショックランドを持ってくるだけで色マナの問題はほぼ解決する。

★国境地帯のレインジャー
これも4枚入れる。2/2というサイズはアタッカーとしても相打ち要員としてもそこそこ良いもので、それをカードアドバンテージを失わずに出せるのは強い。遥か見と併用することでマナサーチ手段が8枚となり安定する。

★死橋の大巨虫、高原の狩りの達人、オリヴィア・ヴォルダーレン
遥か見を入れている以上、1ターン早く4マナに到達した場合のメリットを活かす手段があったほうがいい。そのために、盤面にインパクトを与えられる4マナクリーチャーを4~6体ぐらい用意しておきたい。
オリヴィアはマナが潤沢なデッキだと鬼のように強いので、持っているなら1枚挿しておいて損はない。高原の狩りの達人も手元にあれば入れてもいいだろう。残りは死橋の大巨虫で埋める。

★小悪魔の遊び
赤を出せるランプなら入れない理由のないカード。早い段階から除去として流し撃ちできるのが強い。2~3枚で。

★血統の切断
黒を入れる理由のひとつ。高タフネス、再生、不死、破壊されない等の除去耐性を無視してあとくされなく除去でき、大量のトークンを一度に生み出す手段への対抗策にもなるうえフラッシュバックでカードアドバンテージも得られる。すばらしい。2~3枚。

★ニンの杖
マナカーブの終端として入れるのにもってこいのカード。使ったり使われたりするとその強さがわかる。1~2枚。

★絡み根の霊
相手が遅いデッキならすばやく攻撃を仕掛けることができ、相手が早いデッキなら2回の相打ち要員になれる。どちらにしても悪くない。4枚。

★ウルフィーの報復者
絡み根の霊と似たような立ち位置。そこそこのアタッカーでありつつタフなブロッカーでもあり、除去耐性も備えている。インスタントが少ない環境なので瞬速がトリックとして機能することも期待できる。再生マナの負担を考えて2~3枚で。

★怨恨
速攻の場合の有用性は言うに及ばず。守勢に回った場合にも相打ちをしやすくなる効果がある。入れすぎると引きがかみ合わないときに悲惨だし、ケッシグの狼の地もあるのでそこまでの枚数はいらない。1~2枚でいいだろう。

★荘園のガーゴイル、スラーグ牙
5マナ域。除去耐性のあるタフなブロッカーで、盤面を落ち着かせてから伸びたマナを活かして優位を得て、おもむろに攻勢に転じる枠回り。2~3枚。

★ラクドスの復活
ここは安くないが、残念ながら代わりがきくカードがない。ラクドスの復活はジャンドランプの決め手のひとつであり、ぜひ2枚は欲しい。カードパワーの高さは折り紙つきなので、入手しておいて損はないだろう。

★突然の衰微
貴重なインスタント除去であり、メインから入れられる「忘却の輪や拘留の宝球を割れるカード」である。2枚程度入れたい。

★忌むべき者のかがり火
持っているなら入れてもいい。必須ではない。相手の意表をつくために1枚だけ仕込むというのも面白い。

★ミジウムの迫撃砲
持っているなら入れてもいい。超過で撃てればほとんどのケースで相手の盤面を壊滅させられるだろう。しかし、コントロールデッキ相手には役に立たない場合があるので多くはいらない。メインに入れるなら1~2枚か。

★灼熱の槍
インスタント除去は貴重だが、単体でのカードパワーは高くないので、入れるとしても相手の読みを惑わせるための1~2枚というところだろう。

★土地構成
ケッシグの狼の地を2~3枚。ショックランドは必要分投入する。すなわち、第一色である緑を出せる草むした墓は4枚、血の墓所は遥か見を複数枚引いたときのために2枚。イニストラードの二色土地は今から買うのはバカバカしいので入れない。残りはM10ランドと基本土地だけで十分カバーできる。

サイドボードもあわせて、まとめると以下のようになった。

「モデレート・ジャンド・ランプ」
<クリーチャー 18>
4 絡み根の霊
4 国境地帯のレインジャー
3 ウルフィーの報復者
1 オリヴィア・ヴォルダーレン
4 死橋の大巨虫
2 荘園のガーゴイル
<呪文 18>
3 小悪魔の遊び
3 血統の切断
2 ニンの杖
2 怨恨
2 突然の衰微
2 ラクドスの復活
4 遥か見
<土地 24>
8 森
2 山
1 沼
4 根縛りの岩山
4 草むした墓
2 血の墓所
3 ケッシグの狼の地
<サイドボード 15>
2 殺戮遊戯
3 ゴルガリの魔除け
2 古の遺恨
2 獰猛さの勝利
3 ミジウムの迫撃砲
3 死体焼却

うん、まあまあの安さだ。墓地依存がやや強め(怨恨、絡み根の霊、血統の切断、小悪魔の遊び、死橋の大巨虫)だが、そこが無力化されても余剰マナの使い道は確保されている。悪くなさげ。

デッキを幾つか組んで、6人ぐらいの内輪でまわしてみた。
そうすると、なんとなく見えていた環境が実感を伴ってくる。

★シナジーよりもカードパワー
ラヴニカへの回帰の新メカニズムはシナジー性が希薄で、既存のメカニズムを含め対策カードは準備万端。なにか面白いエンジンを作るようなカードもない。そのため、パワーカードを詰め込んだデッキが単純に強いと感じた。
あえてシナジー寄りのデッキタイプを挙げるとしたら部族系(人間、ゾンビ)とノンパーマネントスペル高比率系(デルバー、ターランド、どぶ潜みetc)ぐらいか。

★インスタントは貴重
特に除去について顕著だが、M13の時点からかなり意識してインスタントスピードでの介入手段を減らしていることがうかがえる。対象を選ばないインスタント除去が3マナ(殺害)で、2マナ域では対象を制限される除去だけ。1マナではタフネス1しか落とせない。
そういう点で、1マナで対象を選ばず介入できる送還はかなり貴重な存在になっている。送還の弱点はテンポの代償としてカードアドバンテージを失うことだが、トークンに対して使ったり怨恨に対応したりすればカードアドバンテージも失わない。意外な形で緑の対抗色としての青の面目躍如といった趣だ。瞬唱の魔道士で使いまわすことでカードアドバンテージの損失を緩和するという手段も相変わらず有効。
新顔のサイクロンの裂け目は自分のパーマネントは戻せないものの、環境内で貴重な「土地以外なんでも戻せる呪文」なので悪くはない。超過で撃てる見込みがそれなりにあるデッキ向け。

★安らかなる眠りの威力
早い緑系だと怨恨、死儀礼のシャーマン、絡み根の霊、死橋の大巨虫あたりが影響を受け、ゾンビデッキだと墓所這い、ゲラルフの伝書使、血の芸術家、悲劇的な過ちあたりが弱体化する。自分が一切影響を受けないなら、これらのデッキ相手に1枚サイドインしても損はないかも。

★サイドボードに消去を
白青なら高確率で拘留の宝球、それ以外の白ならほぼ確実に忘却の輪、早い緑系なら高確率で怨恨。これらのカードに1マナで対処できる消去はかなり使い勝手が良い。特に、瞬唱の魔道士を採用しているデッキならなおさら。
3マナのエンチャントを1マナで対処できるテンポの優位は言うに及ばず、怨恨をテンポ損なしで対処できるというのも優秀。実際、緑白同士の対戦では相手の怨恨を忘却の輪で封じるプレイングが多かったので、これが1マナで、しかも後腐れなくできるなら文句無しである。インスタントタイミングで使えることで相手の思惑を崩せるケースもあるだろう。

「このカードの評価、今後上がるかも」という視点をメインに、いくつかのカードをピックアップ。

★死橋の大巨虫 最低価格50円
デメリット無しの4マナ5/5。それどころかメリット能力まで付いているのになぜここまで評価が低いのか?
アラーラ再誕で呪文砕きのベイロスがデメリット無しの4マナ5/5として初登場したが、これといって活躍を見せることなくスタンダードを去ったことが関係しているかもしれない。
しかし、呪文砕きのベイロスは(1)RGG1という色拘束の強さで、採用できるデッキが限られる。(2)打ち消されない能力は大多数の相手には無関係。(3)同時期に同色に血編み髪のエルフというアドバンテージの塊が存在。(4)ブロックの第三セットでの登場であり使用可能な期間が短かった。という4つの問題があった。
それに対し死橋の大巨虫は(1)GG2と色拘束が薄めであり、緑を第一色とするデッキなら全く問題なく運用できる。(2)活用のコストは重いが勝負が長引いたときには決め手になりうる。(3)緑単色で同じマナ域に有力なライバルはいない。多色まで範囲を広げれば緑赤に高原の狩りの達人がいるが、それ以外に有力な候補はいない。(4)ブロックの最初のセットでの登場であり使用可能な期間が長い。とほとんどの問題を克服している。
実際にデッキを考えてみると、速攻デッキのマナカーブの上端として入れるもよし、ランプ系で2ターン目の遥か見から3ターン目にこいつを出すもよし、と緑絡みのデッキなら結構な頻度で採用候補としてあがってくる。
というわけで、複数デッキを持つことの多いFKとしてはこいつを7~8枚揃えておくつもり。

★小悪魔の遊び 最低価格35円
なぜこいつの評価が上がると思うかは、ミジウムの迫撃砲が密接に関連している。ミジウムの迫撃砲は普通に撃つもよし、超過で撃つもよしの良除去であり、おそらく環境を規定する要因の1つになる。コントロールよりに組む場合は超過で安定して撃てるマナベースを用意する必要があり、それは赤のトリプルシンボルを払えて6マナを容易に揃えられるデッキということになる。6マナを容易に揃えられるデッキはそれ以上のマナ域へも到達させやすい一方で、マナフラッドに陥りがちという弱点も抱える。フラッシュバックの付いたX呪文はこのようなデッキの長所を活かし短所を埋める役割をこなせる。

★血統の切断 最低価格100円
小悪魔の遊びと立ち位置が似ているが、色が黒でフラッシュバックの色拘束が薄いことが異なる。小悪魔の遊びと併用すると墓地対策に弱くなるので、赤を含まないランプ系などに入れるのが適している。すでに結構値上がりしているところもある。

★ドラグスコルの肉裂き 最低価格100円
ミジウムの迫撃砲で落とされず、セレズニアの魔除けで追放されないフィニッシャー。セレズニアの魔除けがどの程度流行るかにもよるが、相対的に価値が高まったのは間違いない。

★荘園のガーゴイル 最低価格10円
黒頂点と存在の破棄が落ちたので壁役としての信頼性がかなりアップ。パワーが4なのでセレズニアの魔除けにも引っかからない。インスタント除去が減少したので攻め手としての信頼性もややアップ。忘却の輪や拘留の宝球対策としてエンチャントを割れるようにしておくとよい。

いくつかデッキを組んでみると、その構築の過程でどういうことを念頭に置いていたかのポイントが明確化し、なんとなく環境が見えてくる。

(1)クリーチャーのタフネス5以上かどうかが1つのボーダー
 ミジウムの迫撃砲で一掃されるタフネスかどうか。

(2)クリーチャーのパワーが5以上かどうかが1つのボーダー
 セレズニアの魔除けで除去されるパワーかどうか。二段攻撃や審問官のフレイルのような、パワーは低いままでダメージを大きくする能力の価値がやや高まった。(1)ともあわせて、ドラグスコルの肉裂きの株が相対的に上がった。

(3)全体除去は白か赤
 終末を擁する白、白青なら加えて至高の評決。ミジウムの迫撃砲とかがり火を擁する赤。この2つが全体除去の色。黒は沼の数を参照するもぎとりだけなので厳しい。殺戮の波?あれはコントロール用には使えないだろう。

(4)墓地活用戦略はリスキー
 安らかなる眠りの墓地対策性能が徹底しているので、墓地活用に大きく依存した戦略はリスキー。具体的には裂け木の恐怖を軸にしたデッキやリアニメイトなど。そのいっぽうで、墓地利用が瞬唱4枚だけというようなデッキに対して安らかなる眠りをインするのは結局カードカウントで損しているので微妙。あいかわらず瞬唱は使用されそう。

(5)同じパーマネントを複数展開するのはリスキー
 拘留の宝球を使える色が相手の場合に限るが、一応。特にエンチャントが割れないデッキの場合は深刻。デッキに入れる時点で同名パーマネントを2枚までに抑えればほぼリスクは無くなる。
ゾンビデッキの定番ムーブであった、自分のクリーチャーをコピーする戦法もリスキーになったといえる。

(6)除去がソーサリースピード
 黒系のインスタント除去が軒並み弱体化し、赤のインスタント除去も主力の灼熱の槍では修復の天使を焼けない。
セレズニアの魔除けと突然の衰微は汎用性の高さで十分強いが、それでも除去としての信頼性には欠けるし、色拘束が強くてデッキを選ぶ。
結局、火柱・ミジウムの迫撃砲・戦慄掘りあたりが低コストで使い勝手のいい除去ということになるが、軒並みソーサリースピードというのは狙っているとしか思えない。修復の天使は相変わらず…場合によっては今までより…有用だろう。

(7)2点オール3点オール不在
 紅蓮地獄や鞭打ち炎のよる2点オール、金屑の嵐での3点オールが無くなり、電謀やゴルガリの魔除けでの1点オールとミジウムの迫撃砲超過での4点オールに代わった。この中間層の不在はウィニーを軽い全体除去で容易にはさばけなくなったことを意味する。白くないコントロールは序盤を支えるために単体除去を駆使することになるだろう。また、中間層の不在は、コントロールにとってトラフトがますます捌きづらくなることも意味する。狩り達やスラーグ牙をブロッカーとして展開するのがよいか。

(8)対策カードが山盛り
ラヴニカへの回帰は実に対策カードがてんこ盛りなセットで、前述の墓地対策、真髄の針、カウンターされない呪文、万能パーマネント除去、帰化の優秀な亜種、と特定のカードや戦略に依存するデッキを叩く準備は環境が始まる前から万端、という趣。あえていうなら、ライブラリアウト対策が手薄いぐらいか。

…以上をふまえると、
・大部分がタフネス2以上のクリーチャーで構成されたウィニー
・自分でもクリーチャーを展開するコントロール
あたりが当面有望そう。
あと、あまり深く検討していないがターボフォグ系、ライブラリアウト狙いのデッキも目があるかも。

<クリーチャー 12>
4 吸血鬼の夜鷲
3 邪悪な双子
1 オリヴィア・ヴォルダーレン
2 血の贈与の悪魔
2 雷口のヘルカイト
<呪文 23>
4 戦慄掘り
4 ミジウムの迫撃砲
4 彩色の灯籠
2 死の支配の呪い
2 ニンの杖
1 プレインズウォーカー、ニコル=ボーラス
1 高まる野心
2 ラクドスの復活
1 サイクロンの裂け目
2 小悪魔の遊び
<土地 25>
4 血の墓所
4 蒸気孔
4 竜髑髏の山頂
4 水没した地下墓地
4 硫黄の滝
3 沼
1 山
1 ネファリアの溺墓
<サイドボード 15>
1 死の支配の呪い
4 火柱
3 血統の切断
2 殺戮遊戯
1 邪悪な双子
2 強迫
2 否認

グリクシスコントロールのサンプル。忌むべき者のかがり火とか瞬唱を入れるのももちろんよい。が、お手ごろ価格でそれらしく組めるならそれに越したことはないので、とりあえず無しで組んでみた。
グリクシスはマナブーストの恩恵が大きい色で、少なくともミジウムの迫撃砲が超過で撃てるかどうかが1つのカギになる。RRR3という超過コストを支払う際に役立つのが彩色の灯籠で、これがあれば赤のトリプルシンボルも確実に支払える。ほかにもX呪文やオリヴィアの能力、フラッシュバック、引き増したカードを複数唱える手数など、マナはあればあるほどいい。彩色の灯籠4枚体制だと拘留の宝球で一網打尽にされるのが怖いので、うち2枚を金粉の水蓮にするのもいいかもしれない。

<クリーチャー 6>
4 ボーラスの占い師
2 クローン
<呪文 29>
4 未練ある魂
2 高まる献身
2 聖戦士の進軍
4 禁忌の錬金術
3 戒厳令
2 ニンの杖
3 拘留の宝球
4 至高の評決
3 終末
2 忘却の輪
<土地 25>
4 神聖なる泉
4 氷河の城砦
3 進化する未開地
8 平地
5 島
1 沼
<サイドボード 15>
2 安らかなる眠り
3 隔離する成長
2 クローン
1 拘留の宝球
1 忘却の輪
1 戒厳令
3 アゾールの雄弁家  
2 否認

アゾリウス(タッチ黒)コントロールのサンプル。
意外にも、このデッキにもボーラスの占い師が入った。2ターン目にブロッカーを出しつつカードアドバンテージを得られる可能性がある、というだけでもこのクリーチャーは貴重な存在、ということだろう。
デッキとしては、相手を減速させつつ環境を構築し、おもむろに盤面を一層して反撃に転じる古典的なコントロール。ドラグスコルの肉裂きとか、あるいは緑をタッチしてシガルダを入れようかとも考えたが、結局やめた。それよりも、サイド後に相手が除去を抜いてくるのを見越してインするなら、手ごろなブロッカーになりつつ防ぎにくい勝ち手段にもなる雄弁家のほうが面白いかも。ドラグスコルの肉裂きもそうだが、3/5というサイズはセレズニアの魔除けでもミジウムの迫撃砲でも除去されないサイズなので結構よさげ。ただ、セレズニアの魔除けにはサイズアップ効果もあるので相手が緑白なら雄弁家でのブロックには慎重になる必要あり。

[45] [46] [47] [48] [49] [50] [51] [52] [53] [54] [55
«  Back :   HOME   : Next  »
プロフィール
HN:
MOS&FK
性別:
男性
職業:
ゲーム会社勤務
趣味:
電源不要ゲーム
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新CM
[04/16 GW]
[04/16 FK]
[04/15 GW]
[04/15 GW]
[02/27 FK]
ブログ内検索
カウンター
フリーエリア
最新TB
バーコード
忍者ブログ [PR]