電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
Windows7に入ってる奴を、気分転換とか眠気覚ましとかでプレイした回数が400回に達した。
1位の回数が181回で勝率45%。
で、そのうえでこのハーツというゲームを評価する。
ハーツにはいろんなローカルルール、オプションルールがあるが、あくまでWindows7で採用されているルールでの評価である。
【総評】
テクニックは存在するが、基本的には運と戯れるタイプのゲーム。
【詳細】
各スートに異なる重み付けがされているのは大変よろしい。
しかし、スペードのQがマイナス13点というのは大雑把に過ぎる。これは麻雀で言えばドラ4に相当する牌が存在するようなものだ。交換のないディールでスペードのQ以上がぽつんと浮いている場合、この巨大な失点を避ける方法は事実上存在しない。交換前にスペードのカードが手元に無く、交換で送り込まれた場合も同様である。
この「手札が悪いときはどうしようもない」という運ゲー性に対するシステム側の補填は、ディールが複数回あるということとシュート・ザ・ムーンの存在だろう。
前者は、ディールが複数回あれば運が悪いのも均されるだろう、ということだが、多くて20ディール程度のこのゲームでは運の要素が平均化されるほどの回数とはいえない。
後者は、そもそも高確率でシュート・ザ・ムーンが成功することが見込める手札というのがまれであり、手札は悪いがシュート・ザ・ムーンも狙えない、という状況のほうが遥かに多い。さらに、交換前にシュート・ザ・ムーンが狙えそうな状態であったとしても、交換の結果無理になることもあり、シュート・ザ・ムーン狙いで交換すること自体がかなりのバクチである。なにしろ、シュート・ザ・ムーン狙いで失敗すると大きな失点になることがほぼ確実だからだ。一応、シュート・ザ・ムーンを狙えつつ、仮に失敗しても失点が小さくてすむパターンの手札構成というものはあり、それを狙うのはテクニックの一つだと言える。
では、ハーツでのテクニックとは何か。
交換の際に1スートを涸らすようにするとか、スペードでリードを繰り返してスペードのQをあぶり出すなんてのは基本的過ぎてテクニックとは呼べない。特に前者は、交換の結果思惑が壊れることもしばしばなのでなおさら。
カウンティングと、他のプレイヤーの切り出し方から残り手札(主にスペードのQの有無)を読むのは確実にテクニックだと言えるだろう。特に、Windows7版だと「今回のディールで他のプレイヤーが何を取っているか。または、いくつ失点しているか」が表示されていないので、シュート・ザ・ムーンが不可能になったかどうかのチェックとしてのカウンティングは必須である。1失点ですむトリックは取ったほうがいいケースが多い。AIはかなり頻繁にシュート・ザ・ムーンを狙ってくる。こちらも、狙えるときにはシュート・ザ・ムーンを狙う。その見極めもテクニックのうちである。特に、前述の「失敗しても失点が小さいパターン」であるときは。
他には順位コントロールも、意識的にやれる局面なら効果的である。自分がトップならラス目を叩けば勝ちを確定できるかもしれない。自分がトップで無いならトップ目に失点を食らわせたいし、ラス目には失点させたくない。
…と、そんなところだろうか。他は、ある程度は確率での指針があるにせよ、運である。麻雀は技術4運6とか技術3運7とかよく言われるが、ハーツは確実に麻雀よりも運比率の高いゲームだと言えるだろう。
もう少し付け加えるとすれば、上記の「勝率」というのは、プレイヤー1人vs3体のAIで一位を取ったときだけ勝ちとみなす計算である。それ以外は「あなたの負けです。次回はがんばってください」と蔑まれる。ここに、前述の「頻繁にシュート・ザ・ムーンを狙うAI」と「シュート・ザ・ムーン成功時に26点の加点ではなく他の全員が26点の失点」が影響しあって、傍目から見ていると不可解としか言いようの無いスピードで失点を叩き出すAIとか、シュート・サ・ムーン成功で自らラス確定させるAIとか、奇天烈な挙動を示すことがある。そのAIのわけのわからなさが、吉と出るか凶と出るかもやはり運と言うほかない。
---- 追記 ----
このルールで一番よろしくないのは交換のないディールの存在。思考型ゲームの面白さの根幹は「選択すること」にあるが、交換がないディールは戦術を選択する機会を奪う。点数的に煮詰まった局面で、交換のないディール+スペードが2枚っきりで片方がクイーン、みたいな形の完全な運ゲー決着すると、カウンティングや切り順の工夫で頭を使った今までの努力はなんだったのかという気分になる。「常に他の3人と1枚づつ交換する」という方式のほうが優れていると思う。
二番目によくないのはシュート・ザ・ムーンで成功者に加点ではなく他の全員が失点、という方式で、これは状況によってはシュート・ザ・ムーンを狙ってもトップになれないことになり、シュート・ザ・ムーンが戦術の選択肢から外れてしまう。負けがこんでいるプレイヤーにモラルブレイクさせないため、また勝っているプレイヤーに緊張感を失わせないため、一発逆転手段を用意しているゲームは多いが、逆に「追い詰められると一発逆転手段が使えなくなる」というのは珍しい。そして当然褒められた話ではない。おそらく全員失点方式のほうがゲームの収束性が良いからだろうが、それなら「シュート・ザ・ムーン成功者以外の全員を失点させたら成功者が1位でない状態でゲームの終了条件を満たしてしまう場合、かわりに成功者に加点する」とすればよかろう。
1位の回数が181回で勝率45%。
で、そのうえでこのハーツというゲームを評価する。
ハーツにはいろんなローカルルール、オプションルールがあるが、あくまでWindows7で採用されているルールでの評価である。
【総評】
テクニックは存在するが、基本的には運と戯れるタイプのゲーム。
【詳細】
各スートに異なる重み付けがされているのは大変よろしい。
しかし、スペードのQがマイナス13点というのは大雑把に過ぎる。これは麻雀で言えばドラ4に相当する牌が存在するようなものだ。交換のないディールでスペードのQ以上がぽつんと浮いている場合、この巨大な失点を避ける方法は事実上存在しない。交換前にスペードのカードが手元に無く、交換で送り込まれた場合も同様である。
この「手札が悪いときはどうしようもない」という運ゲー性に対するシステム側の補填は、ディールが複数回あるということとシュート・ザ・ムーンの存在だろう。
前者は、ディールが複数回あれば運が悪いのも均されるだろう、ということだが、多くて20ディール程度のこのゲームでは運の要素が平均化されるほどの回数とはいえない。
後者は、そもそも高確率でシュート・ザ・ムーンが成功することが見込める手札というのがまれであり、手札は悪いがシュート・ザ・ムーンも狙えない、という状況のほうが遥かに多い。さらに、交換前にシュート・ザ・ムーンが狙えそうな状態であったとしても、交換の結果無理になることもあり、シュート・ザ・ムーン狙いで交換すること自体がかなりのバクチである。なにしろ、シュート・ザ・ムーン狙いで失敗すると大きな失点になることがほぼ確実だからだ。一応、シュート・ザ・ムーンを狙えつつ、仮に失敗しても失点が小さくてすむパターンの手札構成というものはあり、それを狙うのはテクニックの一つだと言える。
では、ハーツでのテクニックとは何か。
交換の際に1スートを涸らすようにするとか、スペードでリードを繰り返してスペードのQをあぶり出すなんてのは基本的過ぎてテクニックとは呼べない。特に前者は、交換の結果思惑が壊れることもしばしばなのでなおさら。
カウンティングと、他のプレイヤーの切り出し方から残り手札(主にスペードのQの有無)を読むのは確実にテクニックだと言えるだろう。特に、Windows7版だと「今回のディールで他のプレイヤーが何を取っているか。または、いくつ失点しているか」が表示されていないので、シュート・ザ・ムーンが不可能になったかどうかのチェックとしてのカウンティングは必須である。1失点ですむトリックは取ったほうがいいケースが多い。AIはかなり頻繁にシュート・ザ・ムーンを狙ってくる。こちらも、狙えるときにはシュート・ザ・ムーンを狙う。その見極めもテクニックのうちである。特に、前述の「失敗しても失点が小さいパターン」であるときは。
他には順位コントロールも、意識的にやれる局面なら効果的である。自分がトップならラス目を叩けば勝ちを確定できるかもしれない。自分がトップで無いならトップ目に失点を食らわせたいし、ラス目には失点させたくない。
…と、そんなところだろうか。他は、ある程度は確率での指針があるにせよ、運である。麻雀は技術4運6とか技術3運7とかよく言われるが、ハーツは確実に麻雀よりも運比率の高いゲームだと言えるだろう。
もう少し付け加えるとすれば、上記の「勝率」というのは、プレイヤー1人vs3体のAIで一位を取ったときだけ勝ちとみなす計算である。それ以外は「あなたの負けです。次回はがんばってください」と蔑まれる。ここに、前述の「頻繁にシュート・ザ・ムーンを狙うAI」と「シュート・ザ・ムーン成功時に26点の加点ではなく他の全員が26点の失点」が影響しあって、傍目から見ていると不可解としか言いようの無いスピードで失点を叩き出すAIとか、シュート・サ・ムーン成功で自らラス確定させるAIとか、奇天烈な挙動を示すことがある。そのAIのわけのわからなさが、吉と出るか凶と出るかもやはり運と言うほかない。
---- 追記 ----
このルールで一番よろしくないのは交換のないディールの存在。思考型ゲームの面白さの根幹は「選択すること」にあるが、交換がないディールは戦術を選択する機会を奪う。点数的に煮詰まった局面で、交換のないディール+スペードが2枚っきりで片方がクイーン、みたいな形の完全な運ゲー決着すると、カウンティングや切り順の工夫で頭を使った今までの努力はなんだったのかという気分になる。「常に他の3人と1枚づつ交換する」という方式のほうが優れていると思う。
二番目によくないのはシュート・ザ・ムーンで成功者に加点ではなく他の全員が失点、という方式で、これは状況によってはシュート・ザ・ムーンを狙ってもトップになれないことになり、シュート・ザ・ムーンが戦術の選択肢から外れてしまう。負けがこんでいるプレイヤーにモラルブレイクさせないため、また勝っているプレイヤーに緊張感を失わせないため、一発逆転手段を用意しているゲームは多いが、逆に「追い詰められると一発逆転手段が使えなくなる」というのは珍しい。そして当然褒められた話ではない。おそらく全員失点方式のほうがゲームの収束性が良いからだろうが、それなら「シュート・ザ・ムーン成功者以外の全員を失点させたら成功者が1位でない状態でゲームの終了条件を満たしてしまう場合、かわりに成功者に加点する」とすればよかろう。
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