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電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
不幸な身の上で頑張ってます、というお涙頂戴ストーリーをでっち上げ、さらにちょっとスピリチュアルな内容も絡めて耳目を集める、昔からよくある詐欺師の 手口で、医療関係のデータ改ざん等に比べればただの「有名人のスキャンダル」レベルのしょうもない話、と言ってしまえばそこまでだが…。
最近の仕事でストーリーというものについて掘り下げて考察を加えた内容と絡めてちょっとまとめておきたい。

良いストーリーとは何か?それは受け手に何かしらの強い印象を残すストーリーである。
…まあ、「このストーリーはひどすぎる!とんでもないクソだ!クソ以下だ!」というような印象を受け手に与えるのと、受け手に何の印象も与えない のと比較して前者のほうがまだマシと主張するのは自分にはためらいがあるが、そのように主張する人はいるし一理あるとは思う。要は、心に残ったかどうかと いうこと。

自分の経験を省みてみれば、心に残ったストーリーの「心への残り方」はだいたい4パターンに分類される。
1)人間のあり方、人間の心についてポジティブな方向への印象を持たせたもの。
2)新しい視点やものの考え方について気づかせたり教えたりしてくれたもの。
3)人間の心の闇の深さや不可解さを垣間見させたもの。
4)1〜3以外の内容で知識を増やしてくれたもの。

心への残り方の度合いで並べればおおむね1≧2≧3>4で、1の最も理想的な形では印象は「感動」として心に強く残る。
うちの経営陣の1人が「感動は人間にとって最も価値ある体験(であるから、お客様に感動を呼び起こさせるゲームを作ることを心がけるように)」と言っているが、それはおおむね正しい。
人を感動させることができれば、ストーリーは大成功といえよう。

…で、だ。
その大切な感動体験が汚されたら、人はどう思うか。
フィクションの場合、作り手が実は感動の内容自体はどうでもいいと思っていて単にウケるためだけに人を感動させるためのテクニックを組み合わせたにすぎなかったことが暴露されるとか。
ノンフィクションの場合は、受け手が感動した内容が実はまったくの嘘っぱちだったとか。
感動が強いプラスの感情であるがゆえに、欺かれていたと知ればその感情はそのまま符合が入れ替わって、欺いた側への強いマイナスの感情になる。
これは欺くといっても金銭の詐取などとは違い、ひとたび心を許し尊敬の念まで感じた対象に裏切られた形となり、人間の心にとってきわめて強い不快感を与えるのだ。
ダンテの神曲における地獄観で裏切りが最も重い罪とされ、地獄の最下層に送り込まれるのは伊達ではない。
しかも今回のケースでは、優れた音楽がもともと感動を呼び起こすものであるがゆえに相乗効果で感動が増幅されており、それがマイナスに転じたときの影響がすさまじいことになったのであろう。
「落差効果」のマイナス効果のサンプルとして教科書にのせてもいいぐらいだな。
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プロフィール
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ゲーム会社勤務
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電源不要ゲーム
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