電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
読了。
一方で非合理なものを信じ込む人間の愚かしさを描きつつ、他方で知性と信念に基づいて行動する人間を賛美するという、相変わらずの山本節。短編集なのでメッセージ性は特に色濃い。今回は表題作をはじめ、表現規制問題や架空/現実(非実在/実在)についての言及が多めな感じ。
メッセージについてはさておいて、センス・オブ・ワンダー面について。
亜夢界というアイデアは面白い。タイムトラベルものでは必ずタイムパラドックスが問題になるが、世界は因果の歪みを自己修復するとか、過去の改変が行われた時点で別の世界に分岐するとかいう理屈付けによって、タイムパラドックスによって重大な事態に陥ることはないようになっていることが多い。しかし、この亜夢界というアイデアが採用されている世界では、過去への干渉によって因果律が崩壊し、なにもかもが量子論めいた不確定性を持ち、確率的にしか存在しない。事象を一時的にであれ「存在」もしくは「非存在」に固定するのは観測者の意識だけ、とされている。
この、「タイムパラドックスの発生→因果律の崩壊→因果律崩壊後の世界」という思考実験の流れに沿った世界設定は初めて見た。なかなかのセンス・オブ・ワンダーだ。これだけのために一読の価値はあるだろう。
一方で非合理なものを信じ込む人間の愚かしさを描きつつ、他方で知性と信念に基づいて行動する人間を賛美するという、相変わらずの山本節。短編集なのでメッセージ性は特に色濃い。今回は表題作をはじめ、表現規制問題や架空/現実(非実在/実在)についての言及が多めな感じ。
メッセージについてはさておいて、センス・オブ・ワンダー面について。
亜夢界というアイデアは面白い。タイムトラベルものでは必ずタイムパラドックスが問題になるが、世界は因果の歪みを自己修復するとか、過去の改変が行われた時点で別の世界に分岐するとかいう理屈付けによって、タイムパラドックスによって重大な事態に陥ることはないようになっていることが多い。しかし、この亜夢界というアイデアが採用されている世界では、過去への干渉によって因果律が崩壊し、なにもかもが量子論めいた不確定性を持ち、確率的にしか存在しない。事象を一時的にであれ「存在」もしくは「非存在」に固定するのは観測者の意識だけ、とされている。
この、「タイムパラドックスの発生→因果律の崩壊→因果律崩壊後の世界」という思考実験の流れに沿った世界設定は初めて見た。なかなかのセンス・オブ・ワンダーだ。これだけのために一読の価値はあるだろう。
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