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電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
カタルシスもヒロイズムもある。切なさもほのかな苦味もある。うん、綺麗にまとまったじゃないですか。ブラスレイターのグダグダが嘘のようだ。
震災でしばらく放映を止めてたのは、むしろ震災を建前に残り二話を作りこむ時間を確保したんじゃないか、というのがFKの読みだったけど、真相がどうあれこのクオリティで仕上げてきたのなら文句なしです。

何がすごいかって、まどかが命をかけて成し遂げたことはたかだか「ほむらがメガネをかけてた最後のループで実行した、まどかのソウルジェムを銃で撃ち砕いたのと同じこと」の自動化(ルール化)にすぎないっていうこと。現象面ではほんとにそれだけ。
しかしそれでも、それによって、魔女を倒すためのはずが最終的に魔女になるという地獄のような因果も、インキュベーターの詐欺的営業の必然性も、魔女にならないために誰かに殺してもらわなければならないという悪夢めいた後味の悪さも、最終的に魔法少女が絶望に落ちることもなくなるわけで。安楽死のようなものだな。誰かにやってもらう形だと後味の悪さが残るが、自然に苦痛なく死を迎えるならそれは救いかもしれない。

話を作る側としては、まどかの願いをもっと違うものにすることはいくらでも可能だった。全員を何事もなかったかのように救って魔女のない平穏を作りだすとか。それを関わりのある人だけに狭めたものとか。しかしそうはしなかった。
願いをかなえるために、そして魔女と戦うために命をかけることを決めた全ての少女たちの意志を尊重する気持ちがそこにはあるのだろう。全てを無かったことにしてしまうのは、その少女達の意志を、生を無かったことにもするのに等しい。だから、その意志を最後の最後に台無しにしてしまう要素だけを取り除いた。なんというヒロイズム賛美であることか!

このあとは適当に箇条書き。
・タイムパラドックスがどうとか、因果が束ねられるって何よ?とかそういうツッコミは野暮。あれは舞台装置であり、SF的考証はどうでもいいのである。ほむらが自身のループの繰り返しによってまどかに頼ることすらできなくなってしまった、ということだけが重要。
・10話のループ内で示されるように、まどかはまっすぐで前向きで健やかな心の持ち主であるが、11話の途中まで、どうしていいかがわかっておらず、心を向ける先を見失っていた。それがついに、11話の最後で心を向ける先を見つけ、そこから本来の心の強さをフルに発揮する。この、「へたれていた主人公(やればできる子)が戦う理由を見つけたよ!」というのは素晴らしいカタルシス。エヴァの「男の戦い」の回もだいたいそういう内容だな。でもこっちのほうが徹底してる。「さあ、叶えてよ!インキュベーター!」と契約の履行を迫るまどかが凛々しすぎる。
・「概念になる」というのはわかりにくいけど、「一段階上がってしまう」というのはなんとなくわかる。三次元的な閉塞を打破するためには四次元の存在にならなければならないとか、ゲームのルールを変えるにはゲーム内のキャラクタからゲームから出て外の存在にならなければならないとか、そういうことでしょう。
・「魔法少女を標榜しておきながら、実は全然魔法少女フォーマットじゃなくて仮面ライダー龍騎みたいなフォーマットじゃん!気をてらっただけじゃん!」という誹謗を覆して、最後の最後にしっかり魔法少女フォーマットの枠内に回帰しているところは美しい。
・エンドロール後の1シーンは何?あれは、魔獣と戦い続けたほむらに、ついに念願のお迎えが来たんだと思います。
・いくつか疑問点が残ってはいる。まず1つ。ソウルジェムの黒化は絶望によるものか魔力の消耗によるものかが明確ではない。両方と考えるのが妥当か。つまり、願いをかなえたいという祈りの強さが魔力を支えており、魔力が消耗することでも黒化は進むし、絶望することで祈りが弱まると魔力自体が弱まって黒化が進行する、と。
・2つ目。「こんな身体じゃもう抱きしめてももらえない!」と、さやかを絶望せしめた理由の片割れである、ソウルジェムが存在の本体になって元の身体は魔力で操る生き人形になる…というのはたぶん変わってない。これについては何も解決して無いぞ。
・3つ目。12話での赤い劇場でのさやかとまどかのやりとりは、ルール改変後の世界のさやかの最期にまどかがお迎えに来た、ということだろうが、契約の瞬間からまどかが魔法少女になるまでの間のまみさんの部屋でのお茶会はなんなのか。霊が一晩で千里を駆けるといわれるように、魂の交感に距離も時間も関係ないというところか。
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電源不要ゲーム
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