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電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
以前「増殖ビッグマナ」というタイトルで、永遠溢れの杯と増殖カードがあれば何色でもビッグマナが組めると書いたが、M12で真面目な身代わりが再録されて、永遠溢れの杯+真面目な身代わりだけで何色でもビッグマナが組めるようになった。
それだけでなく、2T杯3T身代わりという流れで4Tに6マナ出せるという鬼回りパターンも現実的なものに。4Tにタイタンやワームとぐろエンジンが出てきたらまともなビートダウンは堪ったものではない。

以下、この系統のデッキでの各色の有力カードやメリットなどを。
★無色
前述の通り、永遠溢れの杯と真面目な身代わりが基本パーツ。マナ加速して出すカードはワームとぐろエンジンやカーンが有力。コントロール要素としては漸増爆弾があるが0起動が選びにくいことには注意。

★白
コントロール要素として審判の日や忘却の輪がある。マナ加速して出すカードは白タイタン、エリシュ・ノーン、ギデオンあたりが有力。

★青
ユーティリティーカードとして、永遠溢れの杯を引っ張ってこれる粗石の魔導師、万能パーマネント対処である乱動への突入、各種カウンターなど。マナ加速して出すカードは青タイタン、聖別されたスフィンクス、決断の手綱など。解放された精神も面白いかもしれない。

★黒
軽除去として見栄え損ない、環境最強クラスの単体除去である破滅の刃、ピンポイント手札破壊として強迫・コジレックの審問・蔑み、全体除去が黒頂点・弱者の消耗・生命の終焉、サイドボードの定番記憶殺しなど、選択肢が非常に充実している。マナ加速から記憶殺しを3Tに撃ったり、生命の終焉を4Tに撃ったりできるのは強力なのでいろいろ相性がいい。マナ加速して出すカードとしても黒タイタン、ソリン・マルコフ、シェオルドレッド、スキジリクス、虐殺のワーム、ソリンの復讐など、好みや戦略に応じた様々なチョイスがある。

★赤
軽除去となる火力に稲妻、火葬、電弧の痕跡、よろめきショックなど。増殖もさせたいなら電位の負荷。全体除去は金屑の嵐。アーティファクト破壊は躁の蛮人やオキシダの屑鉄溶かし、粉砕など。
マナ加速から出すのは赤タイタンが最有力。炎破のドラゴンも少し面白くはある。

★緑
緑はもともとマナ加速できる色なのでこのタイプのデッキを選択する意味が薄い。

俯瞰的に見ると、クリーチャー除去手段が豊富で、ピンポイント手札破壊のおかげでコンボデッキにも対抗でき、自分がマナ加速して出すカードに対する相手の対抗策をあらかじめ落としておくこともできる黒がやはり有力か。そこに青を足したり白を足したり。
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いつもどおりという感じでM12を2BOX(=72パック)剥く。
今回は神話レア引きについて以下のように予想してた。
・神話レアの封入率は約8分の1なので9枚前後のはずだが、少な目の7~8枚になる。
・タイタンでもプレインズウォーカーでもない神話レアを1枚づつ引く。
・新規のプレインズウォーカーは1枚も引かず、再録のを1~2枚引く。
・タイタンは人気薄のもの(=黒赤以外)から1~2枚引く。

要は、非常に悲観的な予想だったわけだ。
さて、結果は?

・神話レアの総枚数は6枚。
・タイタンでもプレインズウォーカーでもない神話レアは、時の逆転と天使の運命を引かない代わりに憤怒生まれのヘルカイトがダブった。
・プレインズウォーカーはソリン・マルコフ1枚。
・タイタンは業火のタイタン1枚。

タイタンが予想より少しよかっただけであとは予想通りというかそれ以下というか。まあ何も期待するなってことですね。

刻むジェイスと石鍛冶禁止後の環境は、ヴァラクートと欠片の双子という二大コンボデッキと、ボロス&赤単という超速ビートダウンが第一集団を占めている。

コンボデッキには手札破壊が有効と相場が決まっているが、超速ビートダウンも相当数いるとなると手札破壊のチョイスが重要になってくる。M12で再録される困窮もあわせて考察してみよう。

★コジレックの審問
超速ビートダウンは軽いカードが多いので、ほとんどのカードを落とせる効果的な手札破壊になる。落としたいのに落とせなくて問題になるのは槌のコスぐらいか。
欠片の双子に対しても、コンボパーツの片割れである詐欺師の総督やカウンター呪文を落とせるのでなかなかの仕事振りを見せる。ただし、瞬速持ちである詐欺師の総督は、コジレックの審問を撃ったのに対応して召喚される可能性があるので、同時に除去も用意しておかないと不安。
ヴァラクートに対しては物足りない。うまく最序盤のマナ加速を落とせればスムーズな展開を阻害し、1~2ターンを稼ぐことができるが、相手の手札に緑タイタンやムルダヤの巫女、召喚の罠等を見つけてもなんともできないのは残念このうえない。
それ以外のデッキに対しては、審判の日が落とせなかったりPWが落とせなくてがっかりすることがままある。青黒系でコジレックの審問が4積みされているのは、4マナ以上のスペルはマナ漏出で対抗するというプランがあるからであって、カウンターを持たないデッキにとってはコジレックの審問を4積みする理由は薄い。
単体除去を落としたり、カウンターデッキを牽制する目的で使うなら、強迫同様役に立つカードである。

★強迫
火力、装備品、赤祭殿、槌のコス等、超速ビートダウン相手でも落とせるし落としたいカードはそこそこある。が、空振りになることもそれなりにある。
欠片の双子に対しては、欠片の双子とカウンター呪文に加えて予感等重めのドロースペルも落とせるのでコジレックの審問よりやや効果的。
ヴァラクートに対しては、緑タイタンは落とせないものの召喚の罠を落とせるぶんだけコジレックの審問よりやや効果的。
総じて、カウンターを持たないデッキが積む軽量手札破壊としては一番効果的だと思われる。

★蔑み
超速ビートダウンはクリーチャーが多いので空振りになることは少ない。
欠片の双子に対しては、詐欺師の総督や予備の勝利手段である大型生物(業火のタイタンや聖別されたスフィンクス)を落とせるものの、空振りに終わる可能性がかなり高そう。対応して召喚される問題もコジレックの審問同様に存在している。
ヴァラクートに対しては、緑タイタンやムルダヤの巫女を直で落とせるのは嬉しいが空振りになる可能性もそこそこある。
トータルで評価すると、コジレックの審問よりやや劣る感じか。

★困窮
超速ビートダウンに対しては、2マナという重さが最大のネックになる。1ターン目に使えないし、2ターン目に除去を構えながら使うこともできない。
欠片の双子に対しては、通ればなんでも落とせるものの、カウンターへの牽制として撃って他に何かを通すという目的で使うには2マナという重さがやはりネックになる。
ヴァラクートに対しては2マナであることは問題にならず、土地以外ならなんでも落とせるというメリットが活きる。

★(番外編)記憶殺し
コンボデッキに対しては必殺のカードなので黒がらみのデッキのサイドボードの定番になるだろう。記憶殺しを4枚積んだ上でさらに対策するならどうするか、という話だと、欠片の双子はカウンターを積んでいるので強迫やコジレックの審問でまず牽制してから記憶殺しを通す必要がある。それらの軽量手札破壊をある程度用意しておきたい。相手がコンボを発動させようとしたときに阻止できる喉首狙いや四肢切断もよい。これらはメインから積んでおけるので、それによって欠片の双子に対して有利に渡り合えるだろう。
ヴァラクート相手は必殺スペルをどっちが先に撃ったか勝負になる。最序盤の軽量手札破壊がうまく刺されば1~2ターン遅らせることができるものの、そもそも記憶殺しを引き当てる必要がある。4枚入れても初手1枚以上ある確率は40%しかないため、確率を上げるには血の署名などでカードを引くよりほかない。吸血鬼デッキなら臓物の予見者で占術を使うのもいいだろう。

各論は以上。
あとは枚数だが、4~6枚が適正。相手が盤面にパーマネントを展開してくるデッキであればあるほど、適正枚数は少なくなる。それらをまとめて破壊する手段があったり、それらを問題にしないようなデッキであれば多めに積んでもよい。多すぎると、盤上の脅威に対抗するカードを引きたいのにまた手札破壊…というパターンが多くなってしまう。そういう事態に陥りにくく、かつ、序盤のうちに手札破壊を撃てる確率が充分ある、という枚数が、5枚前後であるようだ。

前回の記事でも書いたが、鞭打ち悶えは黒単だと問題なく4積みできるパワーカードであり、今の黒は絆魂の第二色という関係で大霊堂のスカージや吸血鬼の夜鷲が装備して殴ればあっという間にライフレースを制することができる。
堕落よりも精神へドロよりも、今黒単を組む意義はこのカードをいかに使い倒すかにあるのは間違いない。なにしろ、今の環境は友好色二色を組むのはたやすい環境なので。

で、ひさびさにショップに行って値段をチェックしようとしたらなんと売り切れ。買取150円ということは売値は500円ぐらいか?
では通販ではどうか、とCARDHAUSとシングルスターを覗いてみたら両方で売り切れ。マジで?

これは来るかもしれんね…黒単の時代が。

6/20付け告示で精神を刻む者ジェイスと石鍛冶の神秘家が禁止に。
前者はようやくか、という感じだが、ローテーションアウトも近づいたこの時期にわざわざ?という感じでもある。4月のグランプリダラス/フォートワース後の声明との絡みでいうと、「緊急禁止」にはしなかったけどマズイことは充分認識していたので、定例の告示である6/20のタイミングで禁止にしたという流れらしい。
…とはいっても、その声明の記事中では「新ジェイスはぶっちゃけ強すぎたけど、ジェイスを使わないデッキに勝ち目がないってほどじゃないし、新たなるファイレクシアが出たらまた状況が変わるさ!PW対策も多数収録されてるしね!」という論調だったわけだが。
石鍛冶の神秘家は、環境にこいつが存在していることをわかっていながら神話レア装備品を出し続け、新たなるファイレクシアでは神話レア生体武器まで出してしまったわけで、確信犯でないならアホだろうという印象。アホだったらしい。
新ファイレクシア後のCaw-Bladeは安定感がありつつハメパターンもあって、確かにトーナメントの長丁場ではこれが残るだろうな、というデッキだが、黒赤抹消者コントロールで充分渡り合えるし投げ飛ばし赤単とかでもぶん回れば勝てる。だから、実は今の(禁止発効前の)スタンダードはそこまでひどい状態という印象では無かったりする。M11直後のヴァラクート一強時代のほうがひどかった。

ともあれ、告示が出てしまった以上は今後の変化を予想し、それに対応していく必要があるだろう。

★衰退するデッキ
Caw-Bladeは消滅の危機。ターボランド、欠片の双子、ボロスは残るが安定感が低下。
青白コントロール、青黒コントロールは形を変えて残る可能性がある。

★影響を受けず、相対的に有利になるデッキ
青と白に絡まないほとんど全てのデッキだが、特にヴァラクートの復権が予想される。
吸血鬼、黒赤抹消者、赤単も何も失わず、黒青感染等テゼレットが絡んだデッキもジェイスが消えたぶんテゼレットへの依存度を強めたチューニングで台頭すると思われる。

★カード個別
・装備品全般で。石鍛冶の神秘家で場に出すコストの踏み倒しができなくなり、殴打頭蓋が使いづらくなって評価が下がるだろう。青緑剣・黒緑剣・赤白剣の3つでは、クロックパーミッションに最適という黒緑剣の特性が活かし辛くなり評価が低下すると思われる。赤白剣もサーチで素早く用意できてこそ手札を使いきれていない相手に痛打を与えられていたので、評価がやや下がるのは避けられないだろう。逆に、青緑剣はジェイスによるバウンス対策という側面こそ無くなるものの、誘発能力が相手・状況を問わず有効なので値を戻すと予想される。
・評価が低下するとはいえ、装備品自体のカードパワーは本物なので、装備品を活用する新たな手段として純鋼の聖騎士の評価が上がってくるだろう。
・バウンスでテンポを取られにくくなり、悪斬の天使とワームとぐろエンジンが復権する可能性がある。同じ理由で抹消者もやや有利になる。
・役割はかなり異なるものの、青いアドバンテージエンジンの代替品として聖別されたスフィンクスがさらに注目を集めそう。
・Caw-Bladeがメタから消えることにより、法務官の掌握の使用価値が低下する。サイドからも消えかねない。
・装備品を簡単に調達してこれなくなるため、ミラディンの十字軍の使用頻度が低下するだろう。
・白系が衰退し、ボロスも退潮すればファイレクシアの十字軍の評価も下がるかもしれない。感染デッキだと他に候補がいないので使わざるをえないが。
・装備品に早期に対処できないことで致命傷を負うケースが減り、黒単にも未来が開ける。そのため、黒単専用のパワーカードである鞭打ち悶えの評価が上がってくるだろう。

★おまけ:禁止発効後の黒赤抹消者コントロールの変更
法務官の掌握×2は抜ける。ヴァラクートの復権を予想して記憶殺しの4枚目を用意。あと1枚は、アーティファクト対策が減ることを予想して青緑剣を追加。

前回に引き続き、もう少し検討を進めてみようと思う。

<クリーチャー 21>
3 吸血鬼の呪詛術士
4 マラキールの門番
4 狡猾な火花魔導師
3 躁の蛮人
3 納墓の総督
3 ファイレクシアの抹消者
1 墓所のタイタン
<呪文 15>
3 コジレックの審問
2 強迫
2 血の署名 
1 バジリスクの首輪
1 肉体と精神の剣
3 喉首狙い
3 稲妻
<土地 24>
12 沼
4 黒割れの崖
4 竜髑髏の山頂
4 溶岩爪の辺境
<サイドボード 15>
2 湿地での被災
1 喉首狙い
3 見栄え損ない
1 躁の蛮人
3 記憶殺し
2 強迫
2 法務官の掌握
1 稲妻

こちらのバージョンでの、前回からの差分は以下の通り。
OUT:
リリアナ・ヴェス×1、弱者の消耗×1、バジリスクの首輪×1、見栄え損ない×2
IN:
吸血鬼の呪詛術士×1、喉首狙い×1、稲妻×3

ミラディンの十字軍が流行っていることを受けて、1マナ除去を見栄え損ないではなく稲妻にし、さらにそれを1枚増量。サイドアウトされることの多かったリリアナと弱者の消耗を落としてメインの除去を増やし、全体的に軽量化したことを活かすために2マナパワー2のアタッカーになれる吸血鬼の呪詛術士を増やしてマナカーブに沿った展開をしやすくした。スムーズな展開から流れるようなビートダウン、というのが起こりやすくなるのは明らかなメリット。1マナ除去を見栄え損ないではなく稲妻にしたことにより、残り数点のライフを火力で押し込むことも可能になっている。
ただし、見栄え損ないにはなかったリスクとして、後手の1ターン目にゴブリンの先達を除去したいと思っても、赤マナが出なかったり土地がタップインだったりで撃てないと言う問題が起こりうるようになってしまっている。
これはデッキパワーを上げるために背負わなければならないリスクと割り切るべきところだろう。

サイドの変更は、コジレックの審問×1をINしたくなるケースが少ないことから、記憶殺しの3枚目に換装。黒黒黒が問題なく出せるのでサディストの聖餐も検討可能だが、欠片の双子コンボや緑タイタン依存のデッキには、手札からも落とせるぶん記憶殺しのほうが相手の勝ち筋を封殺しやすいと感じた。エルフドラージを相手にするならサディストの聖餐のほうがいいが、今では滅多に見かけることのないデッキタイプなので忘れていいと思う。
今回メインに移った喉首狙い×1と吸血鬼の呪詛術士×1ぶんが空いた形になったが、そこは軽除去兼ミラディンの十字軍対策である稲妻と、メインから消えた見栄え損ない×2のうち1枚でとりあえず埋めた。

前に書いた、納墓の総督を入れた手札破壊デッキのサンプルの使用感と勝率がかなり良いので、あらためて1つのエントリにして詳述してみたいと思う。
若干の調整があって現在のレシピは以下のとおり。

<クリーチャー 20>
2 吸血鬼の呪詛術士
4 マラキールの門番
4 狡猾な火花魔導師
3 躁の蛮人
3 納墓の総督
3 ファイレクシアの抹消者
1 墓所のタイタン
<呪文 16>
3 コジレックの審問
2 強迫
2 血の署名 
2 バジリスクの首輪
1 肉体と精神の剣
1 弱者の消耗
1 リリアナ・ヴェス
2 喉首狙い
2 見栄え損ない
<土地 24>
12 沼
4 黒割れの崖
4 竜髑髏の山頂
4 溶岩爪の辺境
<サイドボード 15>
2 湿地での被災
2 喉首狙い
2 見栄え損ない
1 躁の蛮人
1 吸血鬼の呪詛術士
2 記憶殺し
1 コジレックの審問
2 強迫
2 法務官の掌握

デッキタイプとしては、色は違うがThe Rockあたりが近い。豊富な手札破壊と除去、アドバンテージの取れるユーティリティークリーチャーとフィニッシャーという構成。
新たなるファイレクシアで得た戦力である、クリーチャー戦で圧倒的な存在感を持つファイレクシアの抹消者と、多機能なユーティリティークリーチャーである納墓の総督の存在意義は大きい。前者は対処できなければビートダウンデッキを立ち往生させ、殴り始めれば速やかにゲームを終わらせる。手札破壊で安全確認してから4ターン目にフィニッシャー登場というブリッツを彷彿とさせる速攻パターンがあるのも強力。後者は1マナ手札破壊のようにカウンターを持つ相手への牽制としては使えないものの手札破壊として充分役立ち、墓地に有用なクリーチャーがいればそれらを回収する目的で使うこともできる。マナが充分ある中盤以降は後者の使い方が多くなるだろう。どちらで使うにせよ、確実にアドバンテージが取れる強力なカードである。
赤いカードは躁の蛮人と狡猾な火花魔導師だけ。躁の蛮人は赤単でもメイン2~3枚は当たり前という御時世で、その有用性は折り紙付き。狡猾な火花魔導師は軽いクリーチャーを多用するデッキや水蓮のコブラを使うデッキなどに強烈に効くだけでなく、マラキールの門番を出す前に小物を掃除する役割を果たす。バジリスクの首輪とのコンボはあらためて言うまでもないが、抹消者に天界の粛清を撃たれたときに1点飛ばして生贄に捧げることで追放を逃れるなどの小技も使える。
吸血鬼の呪詛術士は主にPW対策だが、3マナ域が渋滞しがちなこのデッキにとって貴重な2マナ域でもある。自身を生贄にする能力なので納墓の総督で再利用しやすく、バジリスクの首輪との相性も良い。
墓所のタイタンは除去耐性がある追加のフィニッシャー。抹消者と違ってジェイスのバウンス能力に耐性があるのがウリ。
リリアナ・ヴェスは対コントロールで強いPWだが、このデッキでは主に1枚挿しカードのサーチ用に使う。
1枚挿しその1である青緑剣は抹消者のアタックを単なる5点クロックにしないためのもの。赤白剣でないのは、無限ライフデッキが環境に存在することと、感染デッキ相手との殴り合いの際にブロッカを供給する青緑剣のほうが強いことから。
1枚挿しその2である弱者の消耗は、押されている盤面を一気に覆したりミラディンの十字軍を始末するための保険。インスタントタイミングで出るトークンの大群を捌けるのはこれと漸増爆弾ぐらいなので重要。
1枚挿しその3は前述の墓所のタイタン。
もちろん、除去したいパーマネントに応じたカードを持ってきたり、バジリスクの首輪を持ってきたり、サイドインしたカードを持ってきたりしてもよい。

サイドボード。見栄え損ないと湿地での被災は速攻デッキ対策。喉首狙いは追加の単体除去で同系や聖別されたスフィンクス、欠片の双子コンボなどに。追加の躁の蛮人はわかりやすいアーティファクト破壊。吸血鬼の呪詛術士は追加のPW対策で、速攻デッキ相手のブロッカーにもなる。記憶殺しはヴァラクートや復讐蔦、恐血鬼対策で、コンボデッキ対策として入れてもよい。追加の1マナ手札破壊3枚は対コンボ・カウンター・コントロールデッキ用で、追加するだけでなく枚数比率の変更もよく行う(審問3強迫2→審問1強迫4など)。
法務官の掌握は石鍛冶の神秘家を使うデッキ相手のときに自前の装備品を抜いてサイドインする。カーンやワームとぐろエンジン、業火のタイタンなど、奪って使用可能なフィニッシャーを採用しているコントロールデッキ相手には総じて有効で、同系相手なら強力このうえない。何しろ抜いたカードは手札破壊で見ることも捨てさせることもできないわけなので。

以下、要検討。
・バジリスクの首輪の枚数
0枚説:無くても狡猾な火花魔導師は充分有用。2枚空いたスロットにより有用なカードを入れられる。
1枚説:狡猾な火花魔導師と相性がいいのは確実なので少なくとも1枚はあっていい。これと青緑剣の計2枚しかアーティファクトがないなら、1戦目に相手がこれを見てアーティファクト破壊をサイドインしたり、逆に1戦目に相手がこれを見ることがなくてサイドインしなかったりといった有利な事態が起こりやすい。
2枚説:クリーチャーが多用される現状、狡猾な火花魔導師+バジリスクの首輪のコンボで完封できるのは大きい。このデッキにとって除去しづらいミラディンの十字軍も仕留めることができるし、このデッキなら狡猾な火花魔導師が除去されても回収できるので、コンボを活用しやすい。
また、バジリスクの首輪を装備すれば場に出た後のユーティリティークリーチャー達が強力な相打ち要員になれるし、吸血鬼の呪詛術士は先制攻撃+接死で睨みを利かせることができ、すれ違いの殴り合いになるとそこまで強くない抹消者への絆魂付与など、いろいろな局面で役立つ。
・メインの1マナ手札破壊の枚数と構成
実感として、1マナ手札破壊を6枚以上入れると、中盤以降のトップデッキ頼みのときに引いてがっかりする率が高い。多くのレシピでそうなっているように、5枚が適正っぽい。メインではコジレックの審問3の強迫2になっているが、これが適正かどうか。一応、一番受けの広い形ではある。審問、強迫、納墓の総督のいずれであっても4マナ以上のクリーチャーを落とせないので、蔑みの採用は考慮に値する。ただし、蔑みではカウンターが落とせないという弱点がある。クリーチャーにせよPWにせよ出てからでも対処できるデッキではあるし、抹消者を除去できるカードを叩き落すというのがこのデッキにおける手札破壊の重要な仕事でもあるので、今の構成で良いだろうとは思う。ただし、サイドのコジレックの審問はインする機会が少なそうなので3枚目の記憶殺しやサイドにもう1枚の弱者の消耗、あるいはオキシダの屑鉄溶かし、赤白剣などと置き換えるべきかもしれない。それはメタ次第で。
・地盤の際の採用
土地3枚から確実にキッカー込みのマラキールの門番、土地4枚から確実に抹消者を出すために、黒マナが出ない土地は一切採用していない。クリーチャー化土地には除去のサイドインで事足りるだろう。抹消者にとっては惑いの迷路は面倒だが採用者は少ないし、そもそも納墓の総督や墓所のタイタン相手にはおいそれと使えないはず。

★聖別されたスフィンクス
出されたターンのうちに殺さないと確定でアドバンテージを取られるカードで、1枚でそれができるのは破滅の刃、喉首狙い、金属術を達成した急送ぐらい。Caw-Blade全盛で黒いデッキが少ない現状、評価が上昇中。精神を刻む者ジェイスがローテーションアウトした後に青のアドバンテージの中核になるのはこいつかもしれないが、そうなると黒いデッキも相対的に上がってくるだろう。いずれにせよ、1~2枚持っておいて損はなさそう。

★よじれた映像
以前は前兆の壁を破壊して1ドローしたり、先駆のゴーレムに撃って3ドローできるカードという認識だったが、今は呪文滑りを破壊して1ドローできるカードという認識。

★法務官の掌握
使用感は悪くない。黒単・黒赤・黒青いずれで使うにせよ、戦闘を主目的としないクリーチャー(吸血鬼の呪詛術士、マラキールの門番、皮裂き、納墓の総督、躁の蛮人、オキシダの屑鉄溶かし、粗石の魔導師等)が多めに入ったコントロール寄りのデッキで、相手のデッキから装備品を取ってくるのを主目的として使うのがいい感じ。
装備品全盛とはいえ、メインから入れると土地しか取ってこれない場合もあるので、メインには装備品を入れておいてサイドボードで入れ替えると吉。
フィニッシャーが少ない相手にも効果的で、墓所のタイタンや業火のタイタン、カーンを取ってこれたりすると痺れる。

★呪詛の寄生虫
粗石の魔導師で持ってこれるPW対策。相手がカウンターを使うカードを入れていない場合は弱いので、メインに0~1枚、サイドに1~2枚入れておいて粗石の魔導師で持ってくるのがよさげ。

★内にいる獣
万能除去として便利ではあるが、1つ言えるのはこれで相手のパーマネントを破壊した結果出る3/3で自分の攻勢が止まるようなデッキで使ってはいけないということ。
解決法はいくつかある。
・回避能力
・サイズが3/4以上
・乱動への突入
・すでにアドバンテージを取った残りの3/3(オキシダの屑鉄溶かし、皮裂き等)

永遠溢れの杯と増殖があれば、色を問わずにビッグマナが組めるこのご時世。
とはいえ、相当に高速化している環境であるから重いカードばかり詰め込むわけにもいかないし、アーティファクトが蔓延しているがゆえに対策もされやすく、永遠溢れの杯を割られたらごめんなさいするしかないような構造でも困る。
そう考えると、キッカーやレベルアップなど、追加でマナを注ぎ込めるようなカードは相性がいいと言える。
以下、サンプル。

<クリーチャー 9>
4 粗石の魔導師
3 マラキールの血魔女
1 墓所のタイタン
1 虐殺のワーム
<呪文 27>
4 永遠溢れの杯
2 蔑み
1 コジレックの審問
2 強迫
3 転倒の磁石
2 見栄え損ない
2 黒の太陽の頂点
3 複製の儀式
3 テゼレットの計略
2 伝染病の留め金
2 乱動への突入
1 リリアナ・ヴェス
<土地 24>
7 沼
2 島
4 水没した地下墓地
4 闇滑りの岸
4 忍び寄るタール坑
3 地盤の際
<サイドボード 15>
1 呪文滑り
2 呪詛の寄生虫
2 喉首狙い  
2 見栄え損ない
1 伝染病の留め金
3 記憶殺し
1 蔑み
2 強迫
1 法務官の掌握

※おことわり。このデッキはTier1向けではありません。
ゼンディカーが出た時点で、「マラキールの血魔女に複製の儀式をキッカー込みで撃ったら30点ドレイン」とか「ハグラの悪魔信者に撃ったら180点ライフロス」とかいうふうに話題にだけはされていたが、現実問題としてどーやって9マナも出すのよ?と言われると黙るしかなかった。その時点では。
で、永遠溢れの杯が出て、それを引っ張ってこれる粗石の魔導師が再録され、除去兼増殖エンジンとなる伝染病の留め金が出て大量マナが実現可能になった。これがミラディンの傷跡時点での話。
そして、増殖と大量マナの双方と相性がいい黒の太陽の頂点が加わり、準備が整うまでの時間稼ぎもしやすくなった。これで、このネタコンボをそこそこ実戦的なデッキとして組むことが可能になった。インスタントタイミングで血魔女を除去できるカードが喉首狙いと噴出の稲妻ぐらいしか使われていなかったのも追い風だった。
キッカー込みで複製の儀式を撃つと対象がなんであれほとんど勝てるのだが、盤面でどんなに負けていても14マナをひねり出してマラキールの血魔女→複製の儀式キッカーとやれば一瞬で勝てるのはやはり大きく、それで取ったゲームがいくつもあった。
で、新たなるファイレクシアが出て、テゼレットの計略や不気味な苦悩で増殖の効率が一層アップ…と言いたいところだが、四肢切断や呪文滑りというコンボを阻害するカードが増え、さらにメインからアーティファクト破壊が積まれることが多くなったのでキッカー込みの複製の儀式をフィニッシュ手段に据えることはリスキーになってしまった。というわけで、これはすでに旬を過ぎたデッキである。

とはいえ、永遠溢れの杯+増殖で急速にマナを伸ばすことの有用性が無くなったわけではない。
以下に別のサンプルを。

<クリーチャー 5>
3 躁の蛮人
2 業火のタイタン 
<呪文 30>
4 永遠溢れの杯
4 稲妻
3 電位の負荷
3 転倒の磁石
3 金屑の嵐
2 伝染病の留め金
3 テゼレットの計略
1 赤の太陽の頂点
4 槌のコス
2 チャンドラ・ナラー
2 解放された者、カーン
<土地 24>
15 山
4 沸騰する小湖
1 島
4 地盤の際
<サイドボード 15>
1 躁の蛮人
1 転倒の磁石
1 焼却
3 紅蓮地獄 
2 ワームとぐろエンジン
4 トンネルのイグナス
3 四肢切断 

ほぼ赤単のPWC。最速で4ターン目にカーンが降臨する。むろん、じっくりかまえて敵の攻め手をさばきつつ増殖でマナを伸ばして6マナや7マナに到達、というプランでもOK。

他にも、白絡みだと白頂点やレベルアップクリーチャーでインチキ臭いことができそうだし、青が濃ければ青頂点で大量ドロー、緑絡みでわけのわからない大きさの起源の波を撃つというのも楽しそうだ。
ゼンディカーブロックがローテーションアウトするまで、永遠溢れの杯+増殖の組み合わせを存分に堪能するとしよう。

Entomber Exarch / 納墓の総督 (2)(黒)(黒)
クリーチャー — クレリック(Cleric)

納 墓の総督が戦場に出たとき、以下の2つから1つを選ぶ。「あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す」「対戦相手 1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札を公開する。あなたはその中からクリーチャーでないカードを1枚選び、その後、そのプレイヤーはそのカード を捨てる」

2/2
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実のところ、かなりいいカードである。グレイブディガーに別モードが付いたものと考えるより、強迫に2/2と別モードが付いたものと考えたほうがその良さを理解しやすい。つまりは4マナの手札破壊の1バリエーションとしての評価である。

手札破壊デッキを多く組んできた人には容易に理解してもらえると思うが、手札破壊は相手の手札に干渉することで将来の危険を排除したりカードアドバンテージを取ったりできる反面、すでに盤上に出てしまったものに対しては何もできない。相手の手札が空になって、引いたカードを留めることなく即使う状態になっていたら、自分の手元にある手札破壊カードは無駄カード同然である。そのため、手札破壊デッキとは言っても盤面に触るためのカードは入れなければならない。さらに、ゲームを終わらせるための手段も必要になる。充分に手札に干渉できるだけの枚数の手札破壊と、引いて即出しされたカードに対処するためのカード、加えてフィニッシャーも入れるとなると、各枚数のバランス取りは非常に難しい。序盤にうまく手札破壊したものの、フィニッシャーを引けずにもたついている間に即出しで逆転されたとか、逆に除去とフィニッシャーを固め引きして序盤の手札破壊で相手を押さえ込むことができずに圧倒されるとかの展開は、デッキ内パーツの均質性に乏しい手札破壊デッキだとよくある話である。

で、納墓の総督の話に戻る。このカードは4マナと重いが、他の1マナ手札破壊と組み合わせてやれば1~4マナ圏で2回程度の手札破壊を行うことが可能であり、相手の展開を疎外するのに充分役立つ。
そして、相手の手札がない場合、もしくは相手の手札から落とすべきものがないことが明らかな場合、自分の墓地からクリーチャーを回収するモードを使うことができる。2/2が残ること自体が、相手に落とすべき手札がない場合に手札破壊が無駄カードになるという弱点を緩和しているのだが、そこに別モードが加わることで手札破壊以外の用途で使用可能になっており、終盤に無駄カードになるという弱点をほぼ克服している。
この、クリーチャー回収モードには、盤面に触れるクリーチャーやフィニッシャーを回収することでそれらのカードを水増ししたかのような効果もあり、手札破壊デッキが持つ弱点をも緩和してくれる。

以下、サンプル。

<クリーチャー 19>
2 吸血鬼の呪詛術士
4 マラキールの門番
4 狡猾な火花魔導師
3 躁の蛮人
3 納墓の総督 
3 ファイレクシアの抹消者
<呪文 17>
3 コジレックの審問
2 強迫
3 血の署名 
2 バジリスクの首輪
1 戦争と平和の剣
1 弱者の消耗
1 リリアナ・ヴェス
2 喉首狙い
2 見栄え損ない
<土地 24>
12 沼
4 黒割れの崖
4 竜髑髏の山頂
4 溶岩爪の辺境
<サイドボード 15>
2 湿地での被災
2 喉首狙い
2 見栄え損ない
1 躁の蛮人
1 吸血鬼の呪詛術士
3 蔑み
2 強迫
2 法務官の掌握

このサンプルを見てもらえば、手札破壊と除去とフィニッシャーのバランス取りが難しいというのはなんとなく理解してもらえると思う。これでも昔に比べれば、手札破壊兼クリーチャー兼クリーチャー回収である納墓の総督、除去兼クリーチャーであるマラキールの門番・躁の蛮人・吸血鬼の呪詛術士・狡猾な火花魔導師などの多機能なカードにより、かなり柔軟に状況に対応できるようになったと言える。

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