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電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
日曜にいつものメンバーにて。私が2回目で他は初回プレイ。
PAC氏:演奏家
CHOCHO氏:漁師
FK(私):格闘家

エンシェントワンは引き続きアザトース。
出来事ダイジェスト。
・第一のクエストは、星辰に対応したゲートを閉じよというもの。難度は高め。
・最初はスキルアップや買い物に勤しむ。気軽に借金してるが実は危険だった。
・演奏家が最初のゲート(アーカム)で聖エロニムスの剣を入手。強い。
・漁師が祝福を得る。以後ゲーム終了まで維持されて超強かった。
・演奏家が2ターンかけてショゴスを倒す。ショゴスは再生するので一気に倒しきれないときつい。
・オーストラリア奥地に特殊モンスター「網を紡ぐもの」が出現。ほっとくと世界滅亡。
・同じくオーストラリア奥地に特殊モンスター「チクタクマン」が出現。ほっとくと手がかりトークンを消される。
・格闘家ががんばって2体の特殊モンスターを倒す。
・サンフランシスコにモンスターが2体。演奏家が片方は倒すが残ったロイガーが強く、放置。
・他のゲートを閉じて第一のクエスト達成。第二のクエストはアザトースの真の名を探ることで難易度は低め。手がかりトークン収集に走る。
・演奏家がヒマラヤを探検。レイスが出現して呪われるが奇跡的に撃退(7Dで6が3つ以上出ないと失敗だった)。
・第二のクエスト達成。第三のクエストはオカルト研究。手がかりトークンを得るリサーチクエストで、入手成功した手がかりトークンを即使うことで進行させることができる。他の手段で得たものやすでに持っているものは使えないので難易度はそれなり。全員で手分けして手がかりトークンを目指す。
・このあたりで残り時間があやしくなってくる。
・漁師は海上という地の利と祝福に助けられて手がかりを無事入手&クエスト進行に成功するが、格闘家は不得手な観察力での判定を要求されてしまう。2Dで5か6が1つ以上出ないと失敗で、失敗すると達成済みのクエストが1つ破棄されてしまうという恐怖のイベント。運命のダイスロールは…成功!
・かくして第三のクエストも達成され、アザトースの覚醒は未然に防がれた。

…といいたいところだが、やっぱりルールミスがあってノーカウント。
・スキルアップは+2まで。同じスキルアップトークンを2個以上持つことはできない。
・ゲートが出現するときは必ず同じ場所にモンスターも出現する。初回ソロプレイではちゃんとやっていたのだが、今回は神話カードの処理を別のプレイヤーに任せており間違っていた。
・神話カードでモンスターが出現する結果になった場合、星辰に対応する各ゲートそれぞれに所定の数のモンスターが出現する。今回は3人プレイだったので2体づつ。

ゲートにモンスターがいなけりゃそりゃ封印も簡単ですわな!やり直し!
にしても、ルール知ってた人間がいて3人で3時間か…しかも、正しいルールでプレイしていればもっと時間がかかった可能性が高い。噂にたがわぬヘビー級ボードゲームだなぁ。楽しかったけれども。
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クトゥルフ題材のボードゲームの中ではかなりの高評価であるエルドリッチホラーを購入。
さっそく内容を確認。カードやマニュアルの記述が雰囲気たっぷりで、クトゥルフのガワをかぶせただけ、みたいなゲームとは一線を画している。
あと気づいたのは、MtGの「イニストラードを覆う影」ブロックのメカニズムである手がかりトークンは本作および前作(アーカムホラー)のリスペクトなんだなぁ、ということ。手がかりトークンを集め、それをクエスト解決に使ったりダイスの振り直しに使ったりして大目的の達成を目指す、サスペンス・ホラーテイストのゲームなのだ。

準備と手順理解だけで相当時間がかかるとのことだったので、いつものメンバーでプレイする前に一人でやってみることにした。

結果は…アーティファクトの引きに助けられ、アザトースの復活を阻止することに成功!
…したんだけど、移動×2はできないことをコロッと忘れてたのでノーカウント。旅券獲得&使用に置き換えてどうにかできたかどうか、細部まで思い出せないしなぁ。
とはいえ、ルールの誤解&訂正も含め手順理解にはきちんと役立ったので、次はマルチプレイでやってみよう。

・ワイナリーの四季(重め)
・コンプレット(軽め)

電撃文庫Fighting Climax Ignitionの低難度コンボレシピ。
wikiや動画でいろいろなコンボが紹介されているが、初心者・初級者にとってはどのコンボを練習すべきかわからないだろう。正直自分もわからなかった。
個人的には、このゲームのコンボ練習は次のように進めるとよいと思う。
0)QC(クイックコンビネーション。いわゆるA連コンボ)
1)QC→CA(クライマックスアーツ。いわゆる超必殺技)
2)切り札やサポートを絡めた低難度コンボ
3)高難度高火力コンボ

0は、まあ説明するまでもないであろう基本中の基本。
1は、ゲージを活用することを覚える。CAを出すことに慣れる。
2は切り札を活用することを覚える。サポートを絡めるのもその一環であり、切り札状態だとサポートキャンセルがノーゲージで行えるので、サポートを絡めたコンボを覚えておくと火力の底上げにつながる。
3は最終到達点。ここを目指すかどうかはお好みで。

このゲームの面白さを十全に味わうには、全てのシステムを活用できるようになっておいたほうがよいので、2までは練習してみるのがよいだろう。

前振りが長くなったが、以下がレシピ。FKが実際に使ってみたキャラのみ。

★シャナ
サポート:レン
・QC出し切り→5S→2AB→5B→大太刀→CA
・QCを5ABまで→切り札発動→EX大太刀→5S→2AB→5B→大太刀→CA

解説:いわゆるシャナおに(達也サポート)でのコンボより2AB拾いが圧倒的に低難度。2AB後の5Bが2Bに化けて失敗することが多かったので、正確に5Bを出すことを意識するとよさげ。

★達也
サポート:ドクロちゃん
・QCを5ABまで→5S→微ダッシュ2AB→CA
・QCを5ABまで→切り札発動→5AB→5S→微ダッシュ2AB→CA
・(経緯自由)EX隼orEXミストの追加出し切り→切り札発動→5AB→5S→微ダッシュ2AB→CA

解説:微ダッシュ2ABが少しテクい雰囲気があるがそれほど難しくはない。達也のコンボはEX隼やEXミストの追加出し切り後に方向が逆になるのと、着地直後にCAを出す必要があり遅れるとつながらない場合があるのが難度を上げているので、それらを排除した構成になっている。ただし、画面端だと5Sで拾えなくなるのでEXミストを使ったコンボなどに切り替える必要あり。

★遊佐恵美
サポート:ドクロちゃん
・QC出し切り→切り札発動→5ABor氷舞→5S→垂直ジャンプ→EX風刃(→氷舞orEX氷舞)→CA

解説:恵美は切り札中のEX風刃が強力なのでそれを絡める。切り札発動後の氷舞は最速で出さないと拾い損ねるので5ABのほうが楽。

★アキラ
サポート:達也
・QCを5Cまで→上歩→QCを5Bまで→揚炮→6S(キャンセルなし)→切り札orCA
・2Bか2C→上歩→QCを5Cまで→2AB
・2Bか2C→上歩→QCを5Cまで→揚炮→6S(キャンセルなし)→切り札orCA

解説:アキラの火力底上げに上歩は欠かせないのでその練習を兼ねて。揚炮からはキャンセルなしでサポートがつながるが、拾いが一番簡単なのは達也だった。そのあとのCAへのつなぎも簡単。

★深雪
サポート:真奥
・QCを5ABまで→5S(人間形態)(→EXフローラルロック→切り札orCA)
・QC出し切りor5ABまで→5S(魔王形態)→切り札orCA

解説:魔王形態であれば正直あらゆるコンボの途中から5S→切り札orCAがつながる。また、コンボとは別の話だが魔王形態の5Sor6Sを空中でガードさせると相手がタイミングよくリフガしない限り切り札が確定する。攻撃判定が消えるギリギリまで待って削りダメージを蓄積させてから切り札を当てると、へたなコンボより大きなダメージを取れる。もちろん空中ガード不可の打撃系切り札を持つ他のキャラでも同じことができるが、深雪の切り札は前方全てに攻撃判定が及ぶので当てるのが非常に簡単で実戦的。

★セルベリア
サポート:レン
・QC出し切り→5S→切り札
・QC出し切り→5S→溜め5C→5AB→CA

解説:レンはヒット時の拘束時間が長いので以降のつなぎが簡単で自由度も高い。溜め5Cは5Cでもよいし、省略することもできる。

★キリト
サポート:真奥
・QC出し切り→切り札発動→5AB追加出し切り→5S(人間形態)
・QC出し切り→切り札発動→5AB追加出し切り→5S(魔王形態)→2AB追加出し切り

解説:キリトは切り札発動中の高火力コンボで一気に敵を倒したい&倒せるキャラなので、切り札発動コンボ自体ではあまりゲージを使いたくないというのが実情。したがって、QCから切り札を発動しつつノーゲージでダメージを伸ばすことを主眼とした構成になっている。

★ユウキ
サポート:ドクロちゃん
・QCを5ABまで→切り札発動→バーチカルスクエア→ジャンプキャンセルjBjC(→ジャンプキャンセルjBjC)→ヴォーパルストライク→5S→バーチカル(→EXバーチカル)→CA

解説:ユウキの特性を活かしたコンボにしようとするとジャンプキャンセルからのエリアルは必修技術になるため総じてコンボ難度が高め。なので、ダメージが多少低くてもコンボ完走しやすいルートにした。カッコ内はお好みで。

★蓮太郎
サポート:ドクロちゃん
・QCを5ABまで→切り札発動→2C→5C→追加C→5S(→2C→5AB)→CA

解説:蓮太郎のEX技は相手を大きく吹っ飛ばしてしまったり受け身不可期間が短かったりで使い勝手が悪く、長いコンボは組みづらい。しかたがないのでEX技無しで構成。カッコ内は蓮太郎のコンボの定番パーツで、難度は高いがダメージが大きく上がるので修得したい。

★黒雪姫
サポート:ドクロちゃん
・QCを5Cまで→5AB→切り札発動→2C→5C→5S(→5AB)→CA

解説:黒雪もコンボ向きのキャラではない。いろいろ不自由。5ABは出し切るとそのあとがつながらないので「デスバイバラージング」というセリフの「デスバイバラ」まで聞いた時点でキャンセルするのがよい。開始時で5Aがギリ当たる距離だと5Sで拾えなかったりCAで拾えなかったりする。CA拾いは微ダッシュで一応カバーできるが…。

補記。どのキャラも切り札は有効活用すべきだが、初心者・初級者にとっては覚醒系切り札を有効活用するのは難しい。覚醒系切り札を絡めたコンボを覚えておくと便利、というのが今回のレシピ検証の意図の1つ。

最近購入した、自分的にはステファン・フェルドの新作(実際には日本語版の発売ですら約1年前)。
どんなゲームかはこちらをどうぞ。
フェルドのゲームといえば、災害対策に追われながらいろんな方法で勝ち筋を模索する、っていうイメージですが今回もまさにそんな感じ。
5色のカードの使い方と、3つの評価軸それぞれで「1ターンでも単独一位になれば得られるボーナスVP」を巡る攻防が特徴的で、多様なカードの特殊効果が多様な展開を生み、それでいて60分程度で終わるほどよい軽さが魅力的なゲームといえるでしょう。
難点として上げられるのは「カードの引き運に左右される」「長期的なゲームプランが立てづらく、場当たり的なプレイになりがち」というあたりです。
ゲーム終了時に何らかの条件でVPを得られるカードを最終局面まで手札として持っておくことは難しく、かといってそれまではエンジンになるカードのほうを場に出したいので、プレイヤーが自然に意識するプレイの進め方では場当たり的なプレイになってしまう、というのが実際のところかもしれません。
こんなハウスルールを採用すればどうでしょうか。
「最終ラウンドに入ったときに、手札のカードを1枚、自分の場の同じ色の建物に使われているカードと入れかえてよい」
これなら、VPに結びつくカードを建物として埋めておいて後で使えるので、それをもとに計画を立ててプレイできると思います。次にプレイする機会に試してみましょう。
------------------------
12/7追記
試してみました。悪くない感じです。1枚だけとはいえゲームプランを意識したプレイには明らかに近づきました。2枚以上にすると複雑になりすぎてこのゲームのほどよい軽さを損ないそうなのでこれでよいのでしょう。
ただ、最終的な得点に結びつくカードは当初思っていたよりも強そうだったので、ひょっとしたらこのゲームに慣れたメンバー同士でのプレイならこんなハウスルールは不要なのかもしれません。
まあ、エンジンを強化して拡大再生産するのが楽しくて、直接的にVP稼ぎに走るのを軽視してしまうのはボードゲームの常なのですけどね!

軽くてそこそこ思考性のあるゲームを求めて最近購入。
すごく雑にまとめると、トランプの大富豪に似ているようなそうでもないようなゲーム。手札を全て出し切ればアガリっていう点では似ているが、枚数でも数字でもフォロー不要なところは似ていない。誰かがアガったらゲーム終了で、「場札の枚数-手札の枚数」が各プレイヤーの点数になる。
アブルクセンとは(「クセ」のところがXXに置き換わっているが)ドイツ語で「ずる賢くかすめ取る」というような意味だそうな。その名の通り、ほかのプレイヤーを攻撃して場札を奪い取り、手札を増やすことができる。増やした手札を首尾よく場に出せば、最終的な点数を伸ばせるというわけだ。
攻撃の結果として場札を奪い取らないことも選択できる。その場合、攻撃された側が場札を捨てるか手札に戻すかを選べる。攻撃を受けて場札を奪われるか捨てるかした場合、その枚数の手札を補充しなければならず、アガリからは遠のくことになる。ただ、攻撃されることは悪いことばかりではなく、補充は共通の場札から選んで行えるので、手札を整えることができる。共通の場札に強いカードがある場合、攻撃を受けやすいカードをプレイするというのはよくある話。

これ以上詳しいことを知りたい人にはググってもらうことにして、狙い通り軽くてそこそこ思考性のあるゲームとして遊べた。今後も軽いゲームをやりたいときは重宝しそうだ。

ただ、1つ気になる点として、共通の場札にジョーカーが出ているときは皆が攻撃を避け、結果全員が配られた手札だけでゲームをする展開になりがちであるということ。攻撃をめぐる駆け引きがあってこそこのゲームは面白いので、共通の場札に最初からジョーカーが出ないようにするべきかもなーと思ったり。

1は見送って、2の中古価格が手ごろな値段まで落ちていたので買ってみた。
内容はまるっきり仮面ライダー無双で、いろんなところで作りこみが甘いが、手持ちのライダー挿入歌やライダーBGMを取り込んでカスタムサウンドトラックを設定して遊ぶと、なりきりゲーとしてそこそこ楽しい。
そしてカブト(クロックアップ)のチート性能っぷりはガチ。

フランスパン系の2D対戦格闘。フランスパン系はPS2のメルブラしか持っていなかったので新しい対戦ツールとして買ってみた。それが実は発売翌週のことだったりする。つまり現時点で2ヶ月ほど稼動させているということになる。

弱攻撃連打で簡易コンボが出たり、切り返し技が全キャラ共通で弱中同時押しだったりと新参でもとっつきやすい作り。その一方、いわゆるEX技や超必殺技に使うゲージ以外にブラストゲージがあり、消費型の「切り札」があり、と上達のために憶えるべきことはやや多い。
プレイヤーキャラは14種と対戦格闘としてはやや少ないが、2D対戦格闘の新規タイトルならやむをえないか。
サポートキャラの選択で弱点を補ったりできることもあって、対戦バランスは良好。ライフが負けている側はリフレクションガードのゲージ消費が無かったり、ライフが一定値を切ると攻撃力がブーストされたり、一本取られたら切り札の数が補充されたりとシステム的にも一方的な試合になりにくいよう工夫がされている。

というわけでまあ、家で遊ぶときの対戦ツールとして重宝してます。

あと、原作理解のためにアニメを視聴したりとかも。
俺妹、ブラックブレット、アクセルワールド、SAO、レールガン、魔法科高校の劣等生、ストライクザブラッド、ロウきゅーぶ、と来て今はデュラララを視聴中。

「原作理解のために視聴」って同人誌買ってたころはよくやってたなぁと思いつつ見てた。こういうモチベの生まれ方って結構重要だよね。コラボやメディアミックスが効果的な所以でもある。

さて、内容面では予告してあったエントリである。
表題どおり「ゲームにおける妥当な課金とは?」ということについて考察していくわけだが、課金をめぐる問題は以下の3つに大別される。
1)パッケージゲーム、オンラインゲーム共通の問題
2)パッケージゲーム特有の問題
3)オンラインゲーム特有の問題

順番にいこう。
1)パッケージゲーム、オンラインゲーム共通の問題
ここで問題にするのは、主にゲームを有利にする類の課金ダウンロードコンテンツ(以下DLC)についてである。RPGを例にとると、強力な武器や防具の類を有料で売るわけだ。もっと端的な例としては、ゲーム内通貨や経験値を売ったケースもある。
こういうのは、「時間がない人にとっては、時間を金で買うようなもの。必要ない人は買わなければいいだけだから、サービスを用意していること自体は良いこと」と評価する人もいるが、「何のためにゲームをしているのか?そもそもゲームとは何なのか?」という根幹を揺るがしかねない問題を孕んでいる。
ゲームの結果だけを得ることには、基本的に何の意味もない。エロゲーのアルバムモードを見る、とかいう目的があるのでもなければ、他人からクリアデータだけ貰ってきてもしょうがない。ゲームはいかにして結果を得るかという過程を、体験を楽しむものであるのだから当然のことだ。
なので、ゲームの外部にある、結果を容易に得る手段に手を出すということは、過程をはしょって体験を希薄化させることであり、ゲームの遊び応えをわざわざ減らしているに等しい。
まあ、世の中には何らかのRPGをやるたびに連射コントローラなどを使って経験値稼ぎを自動化できる手段を見つけ出してきてレベルを上げられるだけ上げ、以降を無双プレイする人もいるわけだが、そこには「システムを出し抜いてやった」という愉悦があり、そのための調査があったわけなので、本来的ではないもののゲームの攻略体験自体は存在しており、あらかじめ用意された「チート手段」に金を払うのとはやはり異なる。どちらも本来そのゲームで調整され用意された難易度というものを台無しにしているとしても、だ。
そして、そのような公式のチート手段の存在は、それがプレイヤーキャラクタとイコールでない純然たるプレイヤー(=ユーザー)によるメタレベルでのゲームへの介入であるがゆえに、プレイヤーの視点をメタレベルに引き上げてしまい遊びへの没入感を損なう危険性がある。これは実際にその手段を使わなくても、そのような手段が存在すると知ってしまっているだけで没入感を阻害する。
たとえば、脱出までのタイムを競う要素を含んだ、迷路とホラーハウスを組み合わせたアトラクションがあったとして、襲い掛かってきたゾンビ役の係員に現金を渡して出口を教えてもらうようなことがシステムとして用意されていたら白けることこの上ないだろう。
程度の差こそあれ、つまりはそういうことだ。
というわけで、ゲーム内に本来存在するものと同じ、もしくは枠組みとして同じであるものを売り、それを買えばゲームを有利に進められる、という内容のDLCは、おおむねあまり好ましいものではない。そう言っていいだろう。

ただし、他のプレイヤーとの競争や協力要素の強いゲームの場合、事情は若干異なってくる。
完全なソロプレイゲームの場合「プレイヤーVSゲーム」という構図しか存在せず、ゲームの攻略を完了するまでのプロセスがイコール遊びであり、それがどの程度楽しめるかがゲームの価値なのだが、他のプレイヤーの存在が強く関わってくるゲームの場合、プレイヤー同士の競争や共闘という体験自体の価値が大きなウェイトを占めるようになり、しばしばゲーム攻略という遊びの価値を上回る。
こういった場合、競争に勝つためや共闘における貢献度を上げるためにDLCで手っ取り早く強さを求めることは十分に理解可能な選択となる。


2)パッケージゲーム特有の問題
パッケージゲームの有料DLC、わけても発売から間をおかずリリースされるDLCは批判の対象になりやすい。特に本編のボリュームが十分とはいえない場合、ユーザーの不満が強く噴出することになる。
DLCで使うデータがすでにゲームディスクに入っていて、その使用許可を得るためのキーだけを売っているケースも叩かれやすく、これとボリューム不足が合わさると印象は最悪になる。
本編の魅力があってこそDLCも売れるのであるし、DLCで小金が稼げたとしてもユーザーの心証を悪くしていては「負の広告効果」を広めることになりかねない。
またこれとは別に、中古対策としてデフォルトではゲームの機能を制限しておき、一回限り使用可能なダウンロード用のコードでその機能を解放させるようにするやり方がある(オンラインの機能を制限しておき、オンラインパスをダウンロードさせる例が多い)。これも、新品で購入したユーザーにとってすら、過去作や他のゲームでは普通にできることのために面倒な手間をかけさせられる点で不利益しかなく、売り手側の都合を押し付ける仕様であり評判が悪い。
XBOX Oneについて初期に発表された機能が、まるっきり売り手目線でありユーザーにとっては不利益にしかならないものだったため、大不評を買ったのと同じことである。
パッケージゲームの有料DLCをリリースする場合は、ユーザー目線に立って物を考え、どうすれば売り手にとっても買い手にとってもハッピーなDLCになるかを真剣に考えないと、DLCで利益を得るどころか悪評が広まりDLCの制作に要した人件費も回収できない、という無残な失敗に終わりかねない。

3)オンラインゲーム特有の問題
オンラインゲーム特有の問題は、料金制度(=ビジネスモデル)の問題である。
混合型が採用されている例もあるが、料金制度の一方の極が定額課金制で反対の極がアイテム課金制と考えていいだろう。
定額課金制はオンラインゲームの黎明期から存在したスタンダードな料金制度で、料金を支払えば一定の期間遊べるという形式だ。
遊びたいぶんだけ金を払うという点では、ゲームセンターでゲームプレイを提供するサービスに近いともいえる。
たいへん手堅くてフェアな料金制度なのだが、定期的に料金を支払うことになるためクレジットカードを持っていないと決済がめんどうくさい。またこれは制度自体の問題ではないのだが、この手堅さが近視眼的に開発費を回収したがるメーカーに好まれやすく、毎月そこそこの額を要求する料金設定になっていることが多い。「うちのゲームをプレイしたければそちらから歩み寄れ」という、殿様商売的な料金制度と言ってもいいかもしれない。
それに対してアイテム課金制はだいたい基本プレイ無料で、さまざまなアイテムをリアルマネーを払って購入できるようになっている。
基本プレイ無料=金をかけずに始めることができ、継続してプレイしても料金を要求されない、というのは新規ユーザーの参入障壁を大きく下げる効果があり、どちらかといえばコンテンツ資産や実績に乏しいベンチャー的なゲーム会社が「無料ですのでとにかく一度遊んでみてください」と人を集めるために始めた感がある(今ではむしろアイテム課金制を採用しているゲームのほうが多くなっているが…)。とにかくプレイしてもらわないことには話にならないし、またオンラインゲームはある程度のアクティブユーザー数を確保できなければすぐに廃れていってしまうからだ。ユーザーの囲い込みが必要なのである。
ただ、言うまでもなく単に「リアルマネーを払ってアイテムを購入できる」というだけではビジネスにならないので、あの手この手で購入意欲を煽るようにゲーム自体が作られていることがほとんど。こういった「ユーザーからの集金装置」としての機能を組み込んだゲームのデザイン、システムというのは、そういった制約の無い定額課金制のオンラインゲームやパッケージゲームと比べて特殊であり歪みをかかえている。
この歪みは積極的にユーザーに課金アイテムを売り込もうとしているゲームほど顕著に現れ、課金しないと非常に不便だったり、PvPで無課金ユーザーが課金ユーザーに蹂躙されまくって楽しめなかったりといったゲームシステム上・ゲームバランス上の問題を抱える例は少なくない。…いや、少なくなかった。言い直したのは、それもすでに過去のものとなりつつあるからだ。
ソシャゲバブルで一気に増えた基本無料アイテム課金ゲームは激しい競争にさらされ、先に述べたような無課金ユーザーに優しくないゲームからは無課金ユーザーが離れていった。無課金ユーザーが離れるとアクティブユーザー数が減少してゲーム自体が廃れるため、無課金ユーザーでもある程度は楽しめるようなバランスにするのが現在でのセオリーである。Pay to WinからFree to Winへの転換と呼ばれている。
それでもやはり課金アイテムを買ってもらわないとビジネスが成り立たないため、ゲームの本筋とは無関係なところで課金したり、PvPの重要度を下げたり、各タイトルさまざまに工夫している。そういった要素にどっぷりハマる廃課金ユーザー、節度を持って手を出す課金ユーザー、ゲームの利便性向上要素程度にしか金を払わない微課金ユーザー、それでも一切の金を落とさない無課金ユーザー、と分類した場合、収益の大部分は廃課金ユーザーに支えられているのが実情だという。これはこれで非常に歪んでいると思わずにはいられない。

あとこれはオンラインゲームそのものにかかわる問題ではないが、Free to Winの良質なゲームが増えてくると「ゲームって無料でやるもんじゃないの?」という意識の人間が増えてくる可能性が高い。そうするとおそらくパッケージゲームの売れ方が悪くなっていくことは避けられない。
パッケージゲームが本業でFree to Winのゲームも開発している会社は本業の足場を掘り崩しているのかもしれない。新聞社が記事をネット配信して売れ行き低下を招いたのと似ている。
幸い、と言うべきか、コントローラや立体視などハード面でブラウザゲームに実現できないことはまだまだあるので、今後はさらにそういった面での差別化が重要になっていくだろう。

以上、3つの問題の中身を掘り下げて見て来たが、表題にある「妥当な課金」かどうかというのは結局ユーザーの意識の上で「これを買うのに、このサービスを受けるのにこれぐらいの金を払うのは当然」という感覚が定着しているかどうかによる。
その点で、最後に書いた「ゲームって無料でやるもんじゃないの?」という意識の問題は結構深刻だと言える。
昔はゲーセンでしかゲームできなかったから1プレイごとに金を払って遊んだ。それが当然だった。
コンシューマゲーム機が発売され、家でもゲームで遊べるようになったが、当然ゲーム機とゲームソフトが無ければ遊べないので、金を払って買って遊んだ。それが当然だった。
オンラインゲームは初期には月額課金の定額制がほとんどで、それが当然だった。しかし、ユーザーの囲い込み競争から基本無料のスタイルが生み出され、それはメーカー同士の消耗戦と収益構造のいびつさをもたらしている。これはケータイ各社がユーザーの取り込み合戦の末0円は当たり前でキャッシュバックに何万つくか、という状況になり、そのサービス分は結局全ユーザーの利用料から捻出されている、といういびつさと似ている。
全体的な傾向としてはこれは止めようがないので、そのうえでどうするか?を考えるのがメーカー各社の生き残りを賭けた課題となるだろう。

前回までのエントリで、プレイヤー間での競争要素を含むオンラインRPG等は時間リソースにおける廃人推奨仕様化を避けて行動力制の採用が一般的になった、というところまで書いた。

しかし、行動力制を採用したゲームであってもシステムに穴が存在して廃人プレイが可能なケース、あるいは行動力制を扱うシステム自体に問題があり事実上廃人プレイを推奨してしまっているケースが存在する。今回はこれらについて述べる。

まずはシステムの穴の例のほうから。
DragonWarCry(以下、DWC)では、いわゆる行動力であるところのMVPを消費して行動しても強制セーブもしくは任意セーブの前ならリロードしてやり直しが可能だった。このため、モンスターを倒したあとのドロップの内容が気に食わない場合、リロードして倒し直せばドロップの再抽選ができた。
これを最大限悪用したのが、ユニークアイテム掘りの廃人プレイだった。
敵を倒したときに宝箱が出て、その宝箱からユニークアイテムが出るまで、敵を倒してはリロードをひたすら繰り返すのだ。ユニークアイテムの出現は低確率だが、宝箱を一回開けるたびに抽選が行われている以上、リロードを繰り返して抽選回数を何倍にも何十倍にも増やしたらいずれヒットする。というより、根気さえあればユニークアイテムが出現するまでひたすらリロードを繰り返せたので、「必ず」ユニークアイテムを出させることができた。
これはつまり、1MVPの価値をリロード&リトライで引き上げることが可能ということを意味し、見事に廃人プレイの温床となった。
それ以外には、市場経済関係が廃人プレイが可能な作りだった。特にどうということもない、ネットの「売ります/買います」やオークションを可能にする程度のシステムにすぎないが、掘り出し物を探したり買取が高い店を探したりすれば利益を生み出すことができる。しかし、それには店の価格情報や在庫情報を細かくチェックする必要があるわけで…。
MVPを消費しないで金を稼ぐ手段があるなら、その効率を極めようとすれば必ず廃人プレイに至る。

次に、システム自体に問題がある例。
Lord of Walkure(以下、LoW)はドリランドライクなシステムで、クエスト攻略用の行動力である「体力」と、大ボスバトルや対人戦用の行動力である「フォース」の二本立て。これらはどちらも実時間1分で1蓄積される。
ここまでは問題ない。問題なのは、これらを蓄積しておける上限値がプレイヤーのステータス値として成長対象になっており、初期値は10しかないということ。10分経つと最大値まで貯まり、それ以上は溢れてしまうわけだから、プレイ効率を追及すると10分おきに行動力を使い切るプレイが推奨されていることになる。
ステータスの成長は1レベルアップごとに3ポイントを3つのステータスに割り振る形式で、たとえば50レベルぶんを全て体力に費やすと+150で160。あと、最大30人のフレンド枠で各ステ+1されるのでそれを最大限活用すると+30で190。これでようやく、体力蓄積溢れを起こさないためには約3時間おきのプレイですむ状態だ。
ちなみに、DWCでは20分ごとに1MVP蓄積で上限が200だったので、MVP蓄積溢れを起こさないためには約3日に一度プレイするだけでよかった。
なお、50レベルに到達するには21000以上の体力を費やす必要があり、これを時間換算すると350時間。体力蓄積溢れを一切起こさないようにプレイして、約14.5日かかる。
じょじょに緩和されていくとはいえ、効率的なプレイのためにはゲームに張り付いていなければ
ならないという点で、じゅうぶん廃人推奨仕様だといえるだろう。

さて、2つのケースを説明してきた。簡単にまとめよう。
前者は行動力制のシステムのもとにあって行動力の制約下にない要素に時間リソースを投下してゲームを有利にできてしまうケース。
後者は行動力制のシステムを最大効率で活用する手段自体が時間リソース的に廃人推奨仕様であるケース。

このようなケースでは、行動力制を採用する本来的な意味であるところの「時間的リソース面での廃人推奨仕様の回避」は果たされておらず、むしろかえって悪化しているようにすら思える。
というのは、いささか感覚的な話になるが、人間は嗜好を満たす行動をなんの制約もない状況で行うよりも、何らかの制約下でその制約を振り切ったりすり抜けたりして行うほうがより強くのめりこむ傾向があるからだ。そのことは、「恋は障害があるほど燃え上がる」とか、禁酒法下で密造酒が横行して飲酒はむしろ増えたとか、試験期間中ほど遊びたくなるとか、経験則としてよく知られている。
特にこの場合、「自分は事態を優位に進めている」という確信およびそれにともなう愉悦が存在するため、行動力制のないシンプルな「時間的リソース面での廃人推奨仕様」よりものめり込みやすい危険性を持っている。
※なお、課金ゲームではこの制約を打ち破る方法として課金アイテムを使っていることが多い。これにはまた別の問題があるので、別エントリで詳述する。

ゲームシステム構築の際に、ある仕様を追加で採用することで全体のバランスが歪むことはしばしばある。特にオンラインゲームなどは多くの人間が長い時間遊ぶものなので、うかつな見落としでシステム全体を危うくするようなことのないようにしてもらいたいものである。

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