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電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
ケロQの姉妹ブランド「枕」からのタイトル。ケロQのゲームはすっごい昔にいくつかプレイして「うーん、電波シナリオ!」と思ってた程度だったが、後年シナリオ面でまっとうに評価されてるゲームが幾つかあるので、心の片隅に留めてあった。
で、本作がDMMの何かのセールで半額だったのでプレイしてみた次第。
評点は以下のとおり。いずれも7点が及第点(=それ目的でお金と時間を割く価値がある)。

ストーリー:7/10
エロ:7/10
サウンド:8/10
総評:7/10

総評は7点以上なら幅広くオススメできる。5点を下回ると駄作。5~6点なら題材やジャンル、原画家などで個人的な加点があればやってみてもいいのでは?という感じか。

【ストーリー】
この手のゲームで凡庸なシナリオの典型は、少しファンタジー要素を入れただけの何の変哲もない恋愛ストーリー。本作では主人公や数人のヒロインが孤児で、普通の境遇なら当たり前と考えてしまうような人間関係(主に家族)への切望や感謝が鮮烈に描かれており、読者に幸福を再認識させ温かい感情をもたらす。田舎での素朴な生活の描写も、作品世界を温かく感じさせる。
実力派の客員ライター2人が担当したヒロイン2人のシナリオは文句なく上質。良いBGMも相まって詠シナリオ(J・さいろー氏担当)は涙腺デストロイヤー。残りの2人のシナリオは上述したような凡庸なシナリオの類型に近いが、「当たり前の人間関係」についての別側面での掘り下げという意味合いは持っているし、この温かい世界での愛すべき登場人物達の幸せな結末が見たい、という欲求を素直に満たしてくれるので悪いものではない。結局は感情移入の度合い次第ということですな。

【エロ】
いわゆるエロゲ的お約束が若干鼻につくが、恋人関係になってから2~3回のシーンがあり頑張った内容。ここについても感情移入のさせ方の上手さが効いており、ボルテージは高い。

【サウンド】
BGMは良質で、感情移入に寄与している。「萌えゲーアワード2013」ではBGM賞の金賞を受賞。また、エンディングテーマがキャラ別に存在する豪華さで、ボイスの演技にも不満はない。

…という感じ。全体的にクオリティが高く、温かい雰囲気に浸れる良作でした。

【おまけ:最初の選択ルート】
ルカ。どうも自分はあからさまな好意を向けてくるキャラをまず優先する傾向があるらしい。そのキャラが選ばれない場合に一番悲しみそうだから、という理由が濃厚。

以下は余談。
自分にとってシナリオの価値となる要素を挙げると、「心揺さぶられる感覚」>「涙腺攻撃」≧「知的興奮、センスオブワンダー」>「笑い」>「教養増加」>その他、という感じになる。
「心揺さぶられる感覚」は背筋がゾクっとするような、鳥肌が立つような感情的衝撃。これは滅多に得られるものではなく、最近ではアオイトリでしかこの感覚を得ていない。
「涙腺攻撃は展開と音楽の組み合わせによる技法」というのはKanonの時点で気づいていたことで、自分の中の冷静な部分は「ああ、泣かせに来てるなぁ」と分析しているのだが感情移入力高めのFKの涙腺は勝手に反応する。本作での涙腺攻撃もその基本に忠実といえる。まあ、なんだかんだいって涙を流すのはカタルシスを伴うので涙腺をうまく刺激してくれるのは良いこと。
知的興奮はシナリオ構成の巧みさや伏線回収の妙などで得られる。最近の例ではアペイリアやアメイジンググレイスが該当。前者はセンスオブワンダーの面でもなかなか。
笑いはあまり主軸的要素ではなく、シナリオ上の必然的な中だるみ箇所を退屈させないための欺瞞兵装であることが多い。とはいえ、クオリティが十分高ければ大きな価値を持つ。KEYのゲームはだいたいここが上手い。
教養増加は、雑学よりはもう少しアカデミックで高尚そうな知識をそのシナリオで得たときに感じる。アメイジンググレイスでは美術の知識がそれにあたる。
自分でシナリオを書く場合には、これらの要素をいかに組み込むか、を意識すべきだろう。
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Purple Softwareの2大ライターの一方、鏡遊氏がメインライターを務めるゲームでセールの時に購入して未プレイのものがもう1本ある、と以前のエントリで言ってたやつ。
評点は以下のとおり。いずれも7点が及第点(=それ目的でお金と時間を割く価値がある)。

ストーリー:5/10
エロ:6/10
サウンド:5/10
総評:5/10

総評は7点以上なら幅広くオススメできる。5点を下回ると駄作。5~6点なら題材やジャンル、原画家などで個人的な加点があればやってみてもいいのでは?という感じか。

【ストーリー】
「神様がまだ存在する島」で神隠しや神への願い(代償を伴う)と絡んで展開されるストーリー。ゲーム全体で一つの主題がありつつ攻略対象のキャラごとに切り口を変える、というのは当然そうすべき理想だが、それぞれに全然関連性を感じられないバラバラなストーリーになっているゲームもあるので、本作では切り口の変化をわりとうまくやっていると思う。
扱う題材はそこそこ新鮮で、話の根幹も普遍性のあるものだが、テキストやサウンドが弱いのか盛り上がりがイマイチで淡々と読み進めてしまった。残念ながら、お世辞抜きで感動したと言えるようなシーンは特にない。
やはり「破綻はしていないが凡庸」という評価が妥当だろう。

【エロ】
原画はまっぴーらっく氏で、IS(インフィニット・ストラトス)アニメ一期のキャラデザの人。
絵柄は可愛い寄りだが、テキスト面ではそれなりにやることはやってる内容。回数もサブキャラ以外は1人あたり3シーンあり頑張ってる。サブキャラ扱いの理佳姉ルートにはシーンが1つしか無かったのが残念。設定的には一番エロくなりそうな関係性なのにね。世界は年増に厳しい。

【サウンド】
BGMは特に琴線に触れるものではなく平凡。ボイス演技の質に不満は特にないが、騒々しいやりとりが多く耳にこたえる。

…という感じ。やはり、この手のゲームの初心者になら悪くなさそうだが、目の肥えたユーザーにとってはとりたててプレイする価値のない凡庸なゲームだった。もちろん、原画家目当て、というような付加価値があるなら話は別。
というわけで、FKは鏡遊氏がメインライターのゲームをライター買いすることは今後ないだろう。

ゲームカタログでチェックしていたタイトルがセールで半額になってたので購入&プレイ。

評点は以下のとおり。いずれも7点が及第点(=それ目的でお金と時間を割く価値がある)。

ストーリー:9/10
エロ:6/10
サウンド:6/10
総評:8/10

総評は7点以上なら幅広くオススメできる。5点を下回ると駄作。5~6点なら題材やジャンル、原画家などで個人的な加点があればやってみてもいいのでは?という感じか。

【ストーリー】
かなりひねりの加えられたループもの。ループギミックはSFではなくファンタジーだが、ストーリーのロジックは非常に緻密に構築されており、終盤の怒涛の伏線回収は圧巻。また、答え合わせとエピローグ部分が丁寧で、読後感が非常によい。テーマもありきたり過ぎず奇抜過ぎずでバランス良好。題材的に、美術の知識が増える内容なので雑学充実面でも優れている。マイナスポイントが少なく、広く勧めやすいゲームといえるだろう。

【エロ】
本編のHシーンは少なく、アフターストーリーで充実が図られている。テキスト的にはエロティシズム追求の努力が見られるが、CGが可愛らしさ重視・エロティシズム軽視でどうにもよろしくない。これではテキストがどんなに頑張っても及第点は無理だな。

【サウンド】
ボイス演技は十分良好。しかしBGMは平凡。ボーカル曲についても語るべきところは特にない。

…という感じ。
アオイトリから始まって、リトバスEX、未来ノスタルジア、アペイリア、アメイジング・グレイスとループものを5つもこの短い期間にプレイしたので、ループものというジャンルについて軽く論考をまとめるかも。

「ひかりのうみのアペイリア」と読む。
例によって、DMMのGWセールで安かったので買っておいたものをプレイ。

評点は以下のとおり。いずれも7点が及第点(=それ目的でお金と時間を割く価値がある)。

ストーリー:8/10(ハードSFが苦手なら-1)
エロ:7/10
サウンド:6/10
総評:8/10(ハードSFが苦手なら-1)

総評は7点以上なら幅広くオススメできる。5点を下回ると駄作。5~6点なら題材やジャンル、原画家などで個人的な加点があればやってみてもいいのでは?という感じか。

【ストーリー】
ネタバレになるので詳細は伏せるがとにかく要素もりだくさんで、ガワはライトだが中身はハードSFサスペンス。
ハードSFとは、Wikipediaでは「科学的知見および科学的論理をテーマの主眼に置いたSF作品」とされているが、「hard to readなSF作品」という意味合いも少なからずあると思われる。SF的知識がないと内容を理解するのが難しく、さらにそれに基づいて作品内解釈で新たに展開される理論にもついていかなければならないからだ。読者を選ぶことは間違いない。
本作の、さらに読者を選ぶ要素として下ネタがある。これのため、ハードSFとしての要素もどこまで真面目にやってるのか判断に困ること請け合い。だが安心してほしい。本作はガチのハードSFであり、かつ下ネタもガチだ。つまり、すべての要素が本気で作られているということだ。説明のために割かれるテキスト量は尋常ではなく、図解も多用されるが、難読を乗り越えた先にはセンスオブワンダーとカタルシスが待っている。4人のヒロインも皆それぞれに見せ場があり、魅力的に描かれている。ハードSFがいける口の人は恐れず進みたまえ!

【エロ】
恋愛要素ありなので交感としてのHシーンは当然あるが、主人公の願望を満たすようなシーンもあり、いわゆるエロゲ的お約束を合理的に説明できる状況あり、でエロ方面は相当練られている。シナリオライターは只者ではない。上記の通り、ヒロインが魅力的なのも加点ポイント。CGが弱いのが残念だが、それでも及第点はあげられる。

【サウンド】
ボイス演技はとても良い。しかしBGMは凡庸極まる。ボーカル曲についても特に語るべきところはない。

…という感じ。
このシナリオライターが只者でないことはよくわかったので、他の作品にも当たってみたい。

【おまけ:最初の選択ルート】
ましろ。放置したら一番不幸になりそうなキャラだったから、だろうか。

DMMのGWセールで安かったのでプレイ。3部作で、上巻・中巻・下巻みたいな感じなので、3つ全てプレイする前提で評価する。

評点は以下のとおり。いずれも7点が及第点(=それ目的でお金と時間を割く価値がある)。

ストーリー:6/10(単体だと-1)
エロ:5/10
サウンド:7/10
総評:6/10(単体だと-1)

総評は7点以上なら幅広くオススメできる。5点を下回ると駄作。5~6点なら題材やジャンル、原画家などで個人的な加点があればやってみてもいいのでは?という感じか。

【ストーリー】
魔法が生きてる不思議な学園から招待を受けて入学した主人公が、魔法の絡んだ小規模な事件を解決していく日々を過ごすうちに学園自体の謎に迫っていく、という感じのストーリー。魔法とか錬金術に関する部分はそこそこ本格的で興味深い。
ゲームとしての仕立ては推理もの。プレイヤーの推理を問う選択肢が多数あって、各巻のクリア後に正解率に応じて評価が算定される。とはいえ、選択肢を選んだ直後の会話内容で成否はすぐわかるので、セーブ&ロードを使えば全問正解はたやすい。自分でセーブを縛れば推理ものとしても遊べる、という程度である。
上巻の段階では「???」としか思えない設定も、だんだん謎が明らかになってきて下巻で全ての伏線を全て回収し全ての謎を解消するのはよくできてる。見事、と言いたいが「魔法の絡んだ小規模な事件」の数々はそれぞれ最終局面でこれをこう使わせるためのものだったんだね、と思ってしまうと逆にちょっとしらける部分があった。最初に読んだ時点では事件の不可思議さ突飛さゆえにもちろん伏線とは感じない。なんてったって魔法だ。しかしそれがストーリー全体での伏線配置の需要に応じたものと考えた場合、その不可思議さ突飛さは伏線としてやや悪目立ちしていた。いや難しいものだね。
「魔法」「錬金術」「推理」「主要登場人物に悪人は一人もいない、優しい世界観」というあたりがヒットする人には評点が高くなるだろう。

【エロ】
基本的に交感としてのHシーンで数も多くはない、といういつもの感じ。各ENDのクリア後におまけエピソードなHシーンが追加されるが、それを入れても数は多くない。Hシーンの評価は登場人物にどれだけ思い入れを持てるか次第。

【サウンド】
BGMは及第点。巻が進むごとに新しい曲が追加され、ボーカル曲もなかなか良い。

…という感じ。
時間を損したと思うような悪いゲームではない。自分はセール中のときに買ってプレイしたので、払ったお金分以上は楽しんだと思う。
しかし、3部作前提だと全部入り13000ぐらいするので、正直その値段ではオススメしないかな。

当ブログの10年前のエントリで『コミュ -黒い竜と優しい王国-』に言及しているが、それと同じ暁WORKSのタイトル。原画家もライター陣も同じ。DMMのGWセールで安かったのでプレイ。

評点は以下のとおり。いずれも7点が及第点(=それ目的でお金と時間を割く価値がある)。

ストーリー:7/10
エロ:5/10
サウンド:6/10
総評:7/10

総評は7点以上なら幅広くオススメできる。5点を下回ると駄作。5~6点なら題材やジャンル、原画家などで個人的な加点があればやってみてもいいのでは?という感じか。

【ストーリー】
巌窟王的復讐譚+学園+異能バトル、という『コードギアス 反逆のルルーシュ』を強く想起させる内容。日常系ではないので展開はだらだらしておらず、読み進めやすい。
どこかで見たような設定も多いとはいえ、近未来SFとしてはかなりしっかりと掘り下げられており、最終的に恋愛ではなく人間の意志への賛歌として話を締めているのも良い。バトルを中心に、熱い展開も多い。
主人公の語りがやたら仰々しく多弁なのは少し鼻につくが、コードギアスでもそういう面はあったし了解可能な範囲か。あと気になったのは、最終シナリオのラスト付近の「すごい身体的代償を払ってとにかく頑張り、限界状況をどうにか乗り越える」→「もっとすごい極限状況が続けてやってきて、ぼろぼろの体を酷使してやっぱりとにかく頑張ってどうにかする」という流れ。Fateで衛宮士郎が似たようなことやってて同じように「ええ…(困惑)」と思った覚えがある。セイバーの鞘による加護、みたいな理由もなしでああいうことをやられると、自分の状況か周囲の状況についての描写のどこかを疑わざるをえなくなる。端的に言えば、冷める。
そういうマイナスポイントもあるが、量産型学園恋愛エロゲーと比べれば間違いなく面白いといえる出来だった。

【エロ】
基本的に交感としてのHシーンで数も多くはないが、エロくしようという意図は感じられる。せっかくこういう描写をしてるなら差分も用意してよ!と思う箇所があり、その不満が解消されていれば7点あげてもよかった。

【サウンド】
BGMに特に不満は感じなかったが、全体的にややチープな印象がある。ボイスには問題なし。

…という感じ。追加シナリオや、コンシューマ版からの逆移植部分を含む完全版もあるようなので、セール等で機会があればやってみたい。

アオイトリと同じPurple Softwareの過去作。メインライターは御影氏ではなく鏡遊氏。過去作のデータを見る限り、Purple Softwareのメインライターはこの2人のツートップ体制であるようなので、もう一方はどの程度の実力なのか?と試してみた次第。

評点は以下のとおり。いずれも7点が及第点(=それ目的でお金と時間を割く価値がある)。

ストーリー:5/10
エロ:5/10
サウンド:5/10
総評:5/10

総評は7点以上なら幅広くオススメできる。5点を下回ると駄作。5~6点なら題材やジャンル、原画家などで個人的な加点があればやってみてもいいのでは?という感じか。

【ストーリー】
「少量のファンタジー要素を含む学園もの恋愛ストーリー」というテンプレに完全に当てはまる。破綻はしていないが、ギミックに意外性はないし、センスオブワンダーもないし、雑学的知識が増えるような内容でもない。目の肥えた読み手にとっては読みごたえがないだろう。
終盤のストーリーを盛り上げるために危機や悲劇があり、そこに至るまでの間に愛着を育む期間がある、というのもテンプレ的だが、本作は非常に日常寄りで、危機や悲劇が起こったりそれを意識したりする期間が全体に占める割合はごく少ない。となると、大部分を占める日常パートが楽しいかどうかがカギなのだが…正直、凡庸といわざるをえない。直前にリトルバスターズをやっているから評価が辛くなっている面はありそうだが。
キャラクターの強調された個性付け部分をアピールする発言と、主人公もしくは男友達の幼馴染をいじる発言が大半である会話は、楽しげな雰囲気は作り出しているものの、思わず頬が緩むような上質の笑いを呼び起こす域には達していないと思う。
また、だらだらした日常が続き、進捗感のないストーリー展開は読み手の「読み進める力」を消耗させる。ストーリーを読むのも精神的なエネルギーを必要とし、良いストーリーは「続きが気になる」という気持ちを起こさせることで読者に精神的なエネルギーを補充させるが、そうでない場合は読むことにだれてくる。日常系ストーリーではしばしば出てくる中だるみ問題だが、進捗感が感じられる事柄を組み込めば「続きが気になる」という気持ちを起こさせやすい。少しづつ物事を完成に近づける必要がある何か。リトルバスターズでは野球チームのメンバー集め、アオイトリでは演劇の準備がそれにあたる。が、本作にはそういう工夫はないのだなこれが。
まとめると、「破綻はしていないが凡庸」。日常系ストーリーのクオリティを高めるには十分な楽しさand/or続きが気になる展開が必要で、前者にはセンスが、後者には頭の良さが求められるが、残念ながら本作のストーリーからはどちらも秀でたものは感じられなかった。

【エロ】
克氏のCGは文句ないが、もう一人の原画家の方の出来は残念な限り。また、ごくごくふつうの、交感としてのHシーンだし、本編外のおまけHシーンも無いので、エロティシズムの追求という面でも平凡としかいえない出来。

【サウンド】
ED曲はそこそこ良いが、特に印象に残る曲はない。逆に、騒々しすぎて悪印象なBGMはあった。

…という感じ。この手のゲームの初心者には悪くなさそうが、目の肥えたユーザーにとってはとりたててプレイする価値もない凡庸なゲームだった。
鏡遊氏がメインライターを務めるゲームはセールの時に購入して未プレイのものがもう1本あるので、最終的な評価はそれをプレイするまで保留。ただ、そちらを積極的にプレイする意欲自体がかなり低下したが…。

アオイトリの余勢を駆って読み物系のゲームを次々と消化している現況。まだやってなかったの?と言われそうだがご覧の通りで、自分はKEY系はCLANNADを全部やり終えた段階で止まってた。

評点は以下のとおり。いずれも7点が及第点(=それ目的でお金と時間を割く価値がある)。

ストーリー:10/10
エロ:4/10
サウンド:10/10
総評:10/10

総評は7点以上なら幅広くオススメできる。5点を下回ると駄作。5~6点なら題材やジャンル、原画家などで個人的な加点があればやってみてもいいのでは?という感じか。

【ストーリー】
自分はお涙頂戴はあまり好きではないので「泣きゲー」などという言い方には反発を覚えるし、サブヒロインの個別ルートに入ったときのいかにもな鬱展開には少々眉を顰めたくなる。だが、主題を表現するために丁寧に構築されたストーリーと、それを支える日常パートの楽しさはそのマイナス分を差し引いても10点を与えたい。
かなり早い段階で、AngelBeatsみたいな世界観なのかなと思ったが、作品としてはあっちのほうが後だった。OneやKanonの段階ですでにそれっぽい描写があるので、麻枝氏らしさが整理・統合・昇華されてきた、ということなのかもしれない。

【エロ】
もとより、KEYのゲームにエロを求めている人などおりますまい?

【サウンド】
ボーカル曲もふんだんに使った贅沢な作り。そして品質はさすがとしか言えません。

…という感じ。無印リトルバスターズから加筆があったりサブヒロインが追加されたりでコンテンツは大いに充実しており、完成度も高い作品といえるだろう。

PS4版が出ている『シンソウノイズ』と同じ、シルキーズとライアーソフトのコラボタイトル。メインライターが同じで、推理ものというのも同じ。自分はそっちは未プレイ。

評点は以下のとおり。いずれも7点が及第点(=それ目的でお金と時間を割く価値がある)。

ストーリー:7/10
エロ:5/10
サウンド:6/10
総評:6(推理ものが好きなら+1)/10

総評は7点以上なら幅広くオススメできる。5点を下回ると駄作。5~6点なら題材やジャンル、原画家などで個人的な加点があればやってみてもいいのでは?という感じか。

【ストーリー】
ジュブナイル色の強い推理もの、というジャンルの中ではかなり本格的。このジャンルが好きならオススメできそう。そうでないなら普通、かな。
トゥルーエンドルートで多数の伏線を回収していく様は見事。だが、推理ものとしてのフェアさを重視して「プレイヤーの感情の振れ幅」はあまり意識していないように見受けられた。具体的に言うと、感情の振れ幅を重視するなら各ルート最初はバッドエンドルートに固定したほうがよいと思う。実際、各ルートのグッド/バッド分岐条件は推理パートと無関係だし、トゥルーエンドルートが他のルートを全部埋めてから出現っていうのもやってるしね。
あと、効果音や悲鳴の演出はもっとギリギリまで攻めたほうがよいだろう。推理ものバッドエンドの定番の一つ「電話の向こうでヒロインが殺されるシーン」を用意しておきながら、演出がマイルドすぎて痛ましさが足りないんだよね~。

【エロ】
塗りはシルキーズ系でエロいんだけれども、可愛らしい絵柄なので全体的にソフトな印象を受ける。内容は基本的に交感としてのHシーンなので微温く、プレイで頑張ってエロくしようとして不自然さが目立つといういつものやつ。ろくに自分でしたこともないような娘が、異性とつきあったこともない堅物の主人公の愛撫で絶頂という「エロゲ的お約束」も相変わらず。こういうエロゲで「学習」した人が現実でトラブルを起こさないことを切に願うよ。
あと、差分が手抜き気味で、カットイン入れたり差分変化させているわりには状況と完全一致していなかったりするのでかえって違和感が出ている場合も。

【サウンド】
メインテーマと捜査活動のテーマは悪くないが、ほかはごく平凡。淫語伏字加工ありなのはエロゲとしてマイナスポイント。ストーリーのところで述べた通り、効果音演出も凡庸。

…という感じ。題材が重いわりに絵柄も演出もマイルドなので、(『シンソウノイズ』と同様)コンシューマ移植を念頭に置いて開発されたタイトルなのかなと思った。エロゲ初心者には向いてるかもしれない。
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やや規模の小さい続編『バタフライシーカー ~カオス・ナイトメア~』もプレイした。
分岐のない一本道だが、評点は本編とほぼ同じ(エロは5→4)。本編が気に入った人はこちらも気に入るだろう。
・意味ありげな副題だが、話とはあまりマッチしていない。
・追加ヒロインの外見がエクステをつけた魂魄妖夢みたい。
・本編のトゥルーエンドからの続きになるので、主人公の恋愛スタンスが固定されてしまっておりライターはエロシーンを組み込むのにさぞ苦労したことだろう。続編の苦悩その1。
・追加ヒロインの能力と主人公の能力を組み合わせると万能すぎるのでこれ以上話を続けていくのは難しい気がした。続編の苦悩その2。

もの凄くひさしぶりにまともに最初から最後までプレイしたPC18禁読み物系ゲーム。DMMでセールだった&原画家(「克」氏)目当てで手を出したのだけれども。

評点は以下のとおり。いずれも7点が及第点。
ストーリー:9/10
エロ:10/10
サウンド:10/10
総評:9/10

総評は7点以上なら幅広くオススメできる。5点を下回ると駄作。5~6点なら題材やジャンル、原画家などで個人的な加点があればやってみてもいいのでは?という感じか。

9点は、違う表現をすれば「上の中」というところ。十分にオススメできます。
ネタバレしない範囲でもう少し掘り下げて説明すると…

【ストーリー】
メインライターは「御影」氏で、実績からいって実力は折り紙付き。自分はどれもプレイしたことがなかったが、高く評価されているゲームとして名前は知ってたっていうタイトルが数多くある。
プロローグ的な「始まりの3日間」だけで話に引き込まれた。序盤に盛り上がりを作る、というのはストーリーテリングにおいて重要なテクニックで、月姫ではそのためにネロ・カオスを登場させることにした、というのは何かで読んだことがある。キャラクターに与えられている記号的魅力は媚びが鼻につかない程度に抑えられており、ほどなく「ストーリー内での生きたキャラクター性」の中に溶け込んでいく。日常パートやギャグパートは軽やかでテンポよく、読み進むことが苦にならない。聖書や文学作品からの引用が多く、知的好奇心がくすぐられる。話全体の構造が、ゲームという媒体を活かしたメタな作りになっているのも興味深い。主人公がいざというときにヘタレじゃないのもいいね。
褒めてばっかりだが、じゃあなんで10点じゃないの?というとサブライターの担当パートの完成度が劣っているから。あと、動機付けや説明をもう少し強化したほうがいいんじゃないかと思える箇所がいくつかあったので、満点まではつけられないかな。
しかし、及第点以上の水準なのは間違いない。背筋にゾクっとくるような「感情が揺さぶられる感覚」を体感させる作品というのは多くあるものではなく、自分にとって本作はそういう数少ない作品の1つ。

【エロ】
高品質なシナリオと高水準なエロを同居させるのはかなり難しいのだが、このゲームでは高い次元での同居が果たされている。ここはもう手放しで褒められるところ。シナリオに後付けでエロシーンを入れるような形では決して実現できないことで、「過激なHさせて淫語連発させとけばええやろ」なわけないのだ。それでは、エロシーンでだけ突然淫乱化したりベッドヤクザになったりしてキャラクター性が歪んでしまう。最初からシナリオの設定面とキャラクターをエロティシズムを引き出せるように構築していく必要がある。
サブライターの担当パートのCGは原画家が克氏ではなく、明らかにクオリティで劣っているのだが、それらを除外しても十分な量で、質は前述のとおりなので10点あげられる。

【サウンド】
盛り上げるべきところで盛り上がるBGMが流れる。それは一定以上の水準のゲームなら当然なのだが、本作では日常系のBGMも素晴らしく良質。ボーカル有りのオープニングテーマとエンディングテーマもゲーム内容に合っていて文句なし。声の演技やチュパ音などにも隙はない。…ボイスの伏字加工もない。満点にする以外ないだろう。

…という感じ。ひとつ前の作品『アマツツミ』もそのうち是非プレイしたい。

【おまけ:最初の選択ルート】
小夜。どうも自分はあからさまに好意を向けてくるキャラを優先する傾向があるらしい。選ばれなかった場合に一番悲しむキャラ、ということかもしれない。

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