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電源不要系同人サークル「Paper Entertainment Factory」のアナウンスと、適当な駄文。
読了。
一方で非合理なものを信じ込む人間の愚かしさを描きつつ、他方で知性と信念に基づいて行動する人間を賛美するという、相変わらずの山本節。短編集なのでメッセージ性は特に色濃い。今回は表題作をはじめ、表現規制問題や架空/現実(非実在/実在)についての言及が多めな感じ。
メッセージについてはさておいて、センス・オブ・ワンダー面について。
亜夢界というアイデアは面白い。タイムトラベルものでは必ずタイムパラドックスが問題になるが、世界は因果の歪みを自己修復するとか、過去の改変が行われた時点で別の世界に分岐するとかいう理屈付けによって、タイムパラドックスによって重大な事態に陥ることはないようになっていることが多い。しかし、この亜夢界というアイデアが採用されている世界では、過去への干渉によって因果律が崩壊し、なにもかもが量子論めいた不確定性を持ち、確率的にしか存在しない。事象を一時的にであれ「存在」もしくは「非存在」に固定するのは観測者の意識だけ、とされている。
この、「タイムパラドックスの発生→因果律の崩壊→因果律崩壊後の世界」という思考実験の流れに沿った世界設定は初めて見た。なかなかのセンス・オブ・ワンダーだ。これだけのために一読の価値はあるだろう。
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HDリマスター版でプレイ。
DMCやニンジャガと比べ、バトルアクション的には通常技はほぼいつでもキャンセルしてガードできるのが特徴。そのため、と言うべきなのか、順調に敵を殴っていたはずがスーパーアーマーで反撃されることが多い(ザコですら)。緊張感を保つための調整?武器が刃付きチェーンでリーチが長いこととも関係がありそう。
要は、武器の先端をペチペチ当ててるぶんには相手との距離をかなり取れるので、相手が急に反撃に転じても反応する余裕はあるだろ?ということ。実際そんな感じの立ち回りになる。これは先に挙げた二作とは大きな相違。
さて、ウリというか特徴の1つであるCSアタック。単なるQTEなのだが、演出強化の意味は大きく、当時大々的にこれを押し出したのはそれなりに新しかった。しかし、ゲーム性としてははっきり言ってしょぼい。レバーと○ボタン以外はボタンと意味が関連付けられておらず、入力を要求されたから押しただけ、という感覚。失敗するとまた最初からやりなおしなのだが、その際に違うボタンが要求される可能性がある、とするためにボタンと意味が関連付けられていないのだろうが、二度三度と同じ演出を見せられる時点ですでに興ざめなので憶えゲーでも別にいいじゃん、と思う。こんなところに反射神経ゲームとしてのゲーム性をせせこましく残そうとしたせいでゲーム体験としてのクオリティが低下しているのでは本末転倒だろう。
そして、マップアクション部分。これはパズル的な内容が非常に多い。それ自体は別にいいのだが、気付かない限り絶対に先に進めないという性質のものが多いのが考え物。あちらさんは皆こんなパズルが好きなのだろうか?そうかもしれない。向こうの新聞にはクロスワードパズルが付いてたりするし。
どんな理不尽で意味不明な仕掛けがあっても「まあ、神話だしな!神々の気まぐれだから!」で済ませられる設定。楽でいいな!
トータルでの感想としては、そのストーリーもあいまって、非常に「やらされてる感」が強いゲームでございました。爽快感はたまに訪れる演出のときだけ、通常のプレイ中にはほとんどなし。クリアしたときには「ようやく苦行から解放された…」という気分。なんでこんなゲームを高く評価している人がいるのかさっぱりわからない。

素晴らしい、と絶賛するほどではないが高品質の映画。見所も十分。とりあえず二時間半以上の時間を全く退屈させなかった点だけでも評価できる。見て損はしない。
以下、ネタバレありでの評価。


ブラッド・ダイヤモンドはシエラレオネの内戦と紛争ダイヤモンドについてリアルに描写した映画として知られる。

紛争ダイヤに限らず、紛争地域で対立している勢力がお互いに希少資源や麻薬を売って武器を買い、泥沼の争いを繰り広げるというのは珍しくも無い。理念も人道的配慮も何もない、山賊のような集団が大金を得る手段を手に入れ、その金を使って勢力を拡大しようとする…その過程では何でも起こりうる。虐殺、レイプ、奴隷化…まあ、有史以来人間社会で行われてきた黒歴史の数々だ。
で、どうしろと?武器購入の資金源にしないために、出所の不確かな宝石は流通させないようにしろ、と?
それで本当に解決になるのか?
元々治安がしっかりしていて民度と生活水準が高い国なら、一部のいかれた集団が宝石鉱山を占拠して宝石を資金源にして武器を買い込んだとしてもその混乱は長くは続くまい。しかし国のステータスが異なると、この混乱は容易には終息しない。
内戦はどの国にもあった。虐殺もレイプも奴隷化も。しかし、内戦が続くうちに、地元の勢力や人民の力を効果的に糾合した勢力が覇権を握っていった。一方的に収奪するだけでは長続きしないものだ。これが社会の成熟のプロセスであったと言ってもよかろう。
また、外敵がいる場合それに対抗するために速やかに内戦を終息させる必要があり、そののちに外敵に対抗するために力を合わせた。
このように、過去においては内戦は社会の成熟をうながす役割を果たし、それが内戦そのものを終息させる効果もあった。
しかし今日、地元の勢力や人民の力を糾合しなくても外国から武器を買う金さえあれば大きな武力を持つことができる。完全武装した兵士が50人もいれば、非武装の町1つを陥とすのはたやすい。武器があまりにも効果的になってしまったことが問題の1つであるのは間違いない。
また、国連がにらみを効かせているので「外敵」というものもめったに存在しない。外敵が存在しなければそれに対抗するために協力するという展開もありえないわけで、ある意味国際的な秩序が保たれていることがかえってその国にとっての不幸となっている。
つまり、今日において内戦が発生するステータスを有する国は、それが社会の成熟にはもはや繋がらず、内戦の終息にも役立たない。ただありふれた悲劇が量産されるだけ。
まるで、若い頃にはめをはずした経験がないから歳をとって溜まった鬱憤が爆発して重大犯罪を起こした、みたいな話だ。これも国としての成熟度が足りないまま世界のグローバル化を迎えた弊害だろう。

問題の一つが「外国から武器を買う」である以上、やはり資金源を断つ=「出所の不確かな宝石は流通させない」は効果がありそうだ。依然として、「それで全てが解決する」性質のものではないわけだが…

映画館にて視聴。
3D映画は初体験。現在の3D映像技術を知るために見る価値は十分あった。通常はスクリーン手前でクリッピングされてしまうエリアにオブジェクトを配置したカットを作ることができるので、単なるこけおどしではなく映像表現での幅を広げることができるというのは間違いないところ。
ガス弾が手前に転がってきたときには体が思わず回避行動をとってしまった。

さて、何かといろいろ言われるストーリーだが。
単純すぎる、ご都合主義過ぎるというのがわからないほど無能だとは思えないので、「小難しいことを考えずに3D映像体験を存分にお楽しみください!」というのが意図的にストーリーを単純化した理由の一つだろうと思う。
で、もう1つ。この過度の単純さは、複雑な現実と対比した「ゲーム内世界」の、難しいことを考えなくてすむシンプルさをカリカチュアライズしたものと考えられる。

以下ネタバレを含むので別記。

クリア。
最終盤のバトルの難易度の上げ方はわりとひどい。ラストバトルの敵は完全にチート性能でげんなりした。
あと、倒された人の挙動がラグドールで処理されているが、ほんとに布人形のような出来でいかがなものかと思った。デモンズソウルのときも同じことを思ったわけだが。

「総括」
ほどよくアクション性とリアルタイム性を取り入れて新鮮な感じにまとめたシミュレーションゲーム。
やわらかい手描きタッチのポリゴンモデルも手伝って、ラピュタみたいな宮崎駿的スチームパンク世界観を受け入れやすい形で作り出している。
寝食を忘れてハマるような中毒性はないが、バランスよく手堅くまとめられていて安心して遊べる。

「女はアタマで、男はアソコで恋愛する!!」というのがパケ裏の煽りだが、これは宣伝手法の定番、「男を腐せ」に忠実なやり方。ジョークとして、もしくはセンセーショナルにするために誰かを腐す文言を書くわけだが、男を腐せば期待通りの効果を得られるのに、女を腐すと猛反発が飛んで来るので男を腐す以外の選択肢はないというわけだ。
さて、煽り内容の吟味。「恋愛」ではなく「結婚を前提とした交際」ならおおむね正しいだろう。虚飾を取り払えば、男が結婚に求める最大のものは「女」そのものである。それに対し、女が結婚に求める最大のものは経済的安定である。これは言い換えれば男は性欲(とその派生物)によって、女は打算(とその派生物)によって結婚するということ。これをさらに言い換えれば煽り内容と一致する。

映画の内容そのものは見ればわかるので言及しない。コメディータッチで語られるテーマを一般化すると「異性に自分の理想像を押し付けるのはやめよう。相手がいてこそなので、相手のことも考えて行動するのが大事」ということ。それそのものは正しい。
が、映画のオチはこのテーマに何ら沿っていない。視聴者が受け入れやすい定番的結末のためにテーマの本流から逸れたところでオチをつけた。肩すかしだ。
なので、序盤から中盤にかけてが最も面白く、クライマックスに近づくほどつまらなくなっていって、スクリーン内でクライマックスを迎えたときに視聴者の気分が最も盛り下がる。そんな奇妙な映画だった。

読了。
これもまた山本弘らしく「平易な文章」「メッセージ性強め」「センス・オブ・ワンダー薄め」「サブカル臭」「不合理なものを信じる人間の愚かさ&知性(と、それに裏付けられた意思)の賛美」という特徴を有している。あと「安定したクオリティ」も。

「アイの物語」のようなオムニバス形式ではないので、あれほどメッセージ性は明確でない(短い作品のほうがメッセージ性が強く出るため)。そのぶんセンス・オブ・ワンダーがやや多め。ミラーマター、ピアノドライブなどは先端科学に興味を抱かせるに十分なギミック。
「アイの物語」との差分として強く感じたメッセージは、仮想でなく現実に価値を見出すべし、というのと、政治的な意思決定手段としての民主制の欠陥、だった。
前者はエヴァの劇場版とかを思い出してしまうが、現実との比較対象が「破滅を受け入れてそれまでを楽しく生きる」なのでそのレベルで反発すべき点はほとんどなく、露悪的で上から目線だったアレに比べてよほど受け入れやすい。
後者はとにかく意思決定&利害調整に時間がかかりすぎると、深刻ではあるがゆっくりと進行する問題がある場合に直接的影響を受けない年寄りが功利的に動けば問題への対処が政治的多数派になれないこと。24年後に地球に破滅をもたらす天体は今の日本の年金問題や財政問題、少子化問題などについてのメタファーではないかと思われる。
特に、進行中の少子高齢化に対処する政策を打ち出しても、それらの政策が乳幼児や子供や育児家庭への手当てを厚くする以上年寄りへの手当ては薄くなり、投票権を持つ年寄りが功利的に動けばそれらの政策は支持されずに潰される。しかも年々年寄りの比率は増えていく。
つまり、長期的問題については年寄りが滅私して己の利益よりも社会全体の発展を考えるようにならなければ改革が行えないわけで、このような人の善意に期待する制度は明らかに欠陥がある(システムそのものが自身の効能を保証しないと完全なシステムとは呼べない)。
年寄りの滅私の動機になるのが愛国心だったり子供や孫への愛情だったりするのだろうが、前者は日本では念入りに撲滅されたし、後者は子供を作らない人が増えることで断絶が進みつつある。
まあ、別段政治システムに限ったことではなく、あらゆるシステムは作られた時点での状況と未来予想に従って作られているので、運用しているうちに状況が変化して使い物にならなくなっていくのが当然なわけで。
相当制度疲労が進んでいてヤバイんじゃねーのという話。

ある作品から何を感じるかは受け手に依存する部分が大きいので、これが一般的な解釈だとは思わない。しかしFKはそのように感じました、ということで。

裏例会の映画鑑賞はGW氏の持込によるものというのが従来のパターンだが、ちょっと気が向いて近年の作品のうち映画評価サイトで評判がよかったもののなかから「GW氏が買いそうにない映画」をピックアップして、この土日にブックオフなどで中古を探してみた次第。
で、その収穫物のうちの1つで、今回視聴したのがキサラギ。
「HOT FUZZとダークナイトの二大名作の間にも邦画でこれほどの名作が!」という表現での紹介だったので、その2つのクオリティを知っている身としてはチェックせずにいられない。

舞台劇同様の手法である、基本的に1つの部屋の中だけでストーリーが進行する推理物。
推理物であるため、ネタバレ一切無しで評価するが、序盤のユルさとラスト5分の演出の微妙さを除けば大変に秀逸な出来。特に、話が二転三転しながら伏線を綺麗に回収していくさまは、同様に見事な伏線回収によって完成度の高さを見せ付けたHOT FUZZと並べてみても決して見劣りしないレベル。邦画も捨てたもんじゃないね!
先にマイナスポイントとして序盤のユルさを挙げたが、Ever17の中盤の中だるみと同様、話の構造上の必然っぽいのでそこは仕方が無いともいえる。
ともかく、話が動き始めてからラストまで、100分近く視聴者を画面に引き込むその実力は本物。見て損はないよ!という評価で。

凄くひさしぶりにまともに最初から最後までプレイした読み物系ゲーム。原画家目当てで手を出したのだけれども。
導入部で早々と「何この中二病設定…」と思わされるものの、その設定はご都合主義的に使われるわけではなくあくまでSF的舞台&状況設定として使われ、そういう舞台&状況だと人は何を考え、どう振舞う?というのがわりとしっかり描かれており好感が持てる。
まあ、リアリティを追求して真面目にしっかり描いてるせいでカタルシスに欠ける部分があるのだけども。そりゃまあ現実と同じくたくさんの人の思惑の絡んだ問題に万能薬的解決法などあるはずもなく。
なので、話の中核的な部分より脇道のほうが気楽に楽しめる。キャラ同士の掛け合いが面白いので…というか、話を読み続けさせる力というのはこういうキャラ同士の掛け合いの面白さ等の「口当たりのよさ」が大部分を担っている、というのはEver17やCROSS†CHANNELあたりから思っていたことで、このゲームもその例に漏れない。
次の展開が気になって目を離せない!なんてのは読み物系ゲームでは稀だと思う。
総合的な評価では中の中というところ。それなりに面白いけど強くオススメするほどではありません。


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